『トーク・トゥ・ザ・デッド』“ネクスト・ホラー・プロジェクト”ラストはJホラーの創始者・鶴田法男監督の哀しみをたたえた幻想ドラマ!

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ネクスト・ホラー・プロジェクト”第3弾として明日8月3日より公開される作品が、
プロジェクトの仕掛人でもある一瀬隆重プロデューサー自らが、
原案・共同脚本を担当しているトーク・トゥ・ザ・デッド(13)だ。

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メガホンを撮るのは、
OV版『ほんとにあった怖い話』シリーズ(91〜92)で、Jホラー・ムーブメントの礎を築き、
初の劇場用長篇ホラー監督作となった『リング0 バースデイ』(00)や、
“Jホラーシアター”レーベル第1弾作品『予言』(04)等でも、
一瀬Pとコンビを組んでいる、鶴田法男監督(共同脚本も)

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デリヘル嬢の百合は、どこか哀しい陰があり、事務所でも同僚たちと距離をおいていた。


彼女は幼い弟・聡を養うためにデリヘル嬢になったのだが、
ある日聡は百合が仕事に出ている間に病気で急死してしまう。
それ以来、百合は自責と悔恨の念に苛まれ続けていたのだ。

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そんな百合に、新人で仲間から庇ってくれたことで、
彼女に好意を感じていたマユが、携帯アプリを紹介してきた。

それは死者と話すことができるアプリで、
マユもそのアプリで亡き祖母と話をしているというのだ。

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但し、死者から「会いたい」と言われても、決してそれを聞き入れてはいけない、
聞いてしまうと本人にも死が訪れるという。

信じ難い話であったが、それ以上に聡ともう一度話したい想いにかられた百合は、
そのアプリを試してみる。

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すると電話の向こうから、途切れがちに、だが聞き覚えのある聡のが聞こえてきて…

スマホ・アプリによる死者との交信
という都市伝説的な道具立て自体は、まさに昨今のJホラー的だが、
死別した愛する者との再会とそれに伴う怖ろしい代償というテーマは、
怪奇幻想ジャンルの王道の一つ。

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小説では古典中の古典で怪奇小説アンソロジーの定番作品として知られる
W・W・ジェイコブズの『猿の手』(01)や、
スティーヴン・キングの『ペット・セマタリー』(83)等が思い出されるし、
映像化作品でもキングの原作を映像化し映画だけの続編も作られた
ペット・セメタリー』(89)や、

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『ペット・セメタリー』(89)予告編

最近では新生ハマー・プロが製作した『ウェイク・ウッド 〜蘇りの森〜』(11)が記憶に新しい。

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『ウェイク・ウッド 〜蘇りの森〜』(11)予告編

これらの作品は、もちろん死別した者への哀しみが作品の基調にあるのだが、
特に映像化作品の場合は多くが、
甦った者が生前とは別の存在であったことから起こる恐怖と惨劇

例えば
見かけは可愛い子供のままなのに、笑いながら人を殺しまくる
みたいな部分に主眼をおいた作劇になっている。

まぁ、ホラーなんだし、それはそれで歓迎ではある。

だが本作ではむしろ、死者と接することになった、
生者の側の想いのドラマとしてに主眼がおかれているのがオリジナイティを感じる。

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それが己が死に繋がることがわかっていても、
悔恨を癒してくれる対象としてそれを求めてしまう

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一種の“みちゆき”ものに通じるような部分が、丁寧に語られており、
観ていてに迫ってくるのだ。

もちろん、徐々に近づいてくる死者のような、
しっかりJホラー的な描写も登場するが、そこから受ける感覚はいい意味で異色だ。

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また、ヒロインの百合以外のキャラクター、
新人デリヘル嬢のマユ、
ドライバーの亮、
そして謎のアプリを追う雑誌記者の洋子たちも、
それぞれに喪失感や表に出さない想いを抱えており、
それらもまたドラマを味わい深いものにしている。

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ここで鶴田監督作品を振り返ってみると、
OV版ほんとにあった怖い話シリーズ(91〜92)や、
POV 〜呪われたフィルム〜(12)等、
卓越した霊現象恐怖表現でJホラー分野を牽引していった作品群の流れがある一方で、

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映画『POV〜呪われたフィルム〜』特報

エピソード0として人間としての貞子像を描いたリング0 バースデイ (00)、

リング0 ?バースデイ? [Blu-ray]
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『リング0 ?バースデイ?』予告編

伊藤潤二原作ということもあってか、
本作に比べるとストレートなホラーよりだが、
案山子に霊を降ろす風習のある村を舞台に人の業と甦りを描いた案山子 KAKASHI (01)、

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『案山子 KAKASHI』予告編

つのだじろう原作の『恐怖新聞』を、
家族愛をベースにした時間怪談として語りなおした予言(04)、

予言 プレミアム・エディショ [DVD]
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『予言』予告編

楳図かずおの女の業を描いた原作を、
高橋洋の脚本というゴールデン・コンビで映像化したおろち (08)、

おろち [DVD]
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『おろち』予告編

などは、ホラー的な興趣を備えながら、
人の想いや業のドラマに比重をおいた作品群であり、
本作『トーク・トゥ・ザ・デッド』はこの流れの集大成と言えるだろう。

キャストは、ヒロインの百合に、
実写版『美少女戦士セーラームーン』の“セーラーヴィーナス”で、
特撮ファンには御馴染みの小松彩夏が扮し、
ムードがあって不幸映え(失礼)のする美貌で喪失感に囚われたヒロインを好演している。

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彼女はこの後9月公開予定の『Miss ZOMBIE』(13)で、
美しき女ゾンビを演じているようなので、そちらも期待だ。
(こちらも近々観れる予定なので、あらためてここで紹介したい)

百合に想いを寄せているドライバーの亮に、
以前ハロプロ・ホラーで紹介した『ヴァンパイア・ストーリーズ』(11)で吸血鬼を演じていた、
仮面ライダーカブト』の“仮面ライダードレイク”こと加藤和樹

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マユ役に後述する『悪霊病棟』(13)にも出演している桜井ユキ

そして、『仮面ライダー龍騎』の須賀貴匡嶋田久作、毬谷友子、大塚千弘らが共演している。

なお、公開初日の8月3日(土)は、作品上映前の21:20より、
鶴田法男監督と主演のお二人、小松彩夏氏、加藤和樹氏による
舞台挨拶が予定されているので、ファンの方は初日狙いが吉だ。

映画「トーク・トゥ・ザ・デッド」予告編 - YouTube

また鶴田は現在オンエア中のテレビ・シリーズ『悪霊病棟』でも、総監督を務めている。


悪霊病棟
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高速ばぁば』の内藤瑛亮も監督として参加しているこのシリーズ、
現時点では鶴田監督による1・2話のみを観れただけだが、
ホラーな見せ場を盛りこみつつ、テレビ・シリーズとしての特性を生かして、
ヒロインをはじめとする各キャラのドラマもしっかりしており、今後の展開が楽しみだ。

ホラー・ファンならこちらもお見逃し無く!

ドラマ『悪霊病棟』予告編 - YouTube

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トーク・トゥ・ザ・デッド

2012年/日本/84min
配給:トラヴィス
2013年8月3日(土)よりユーロスペースにて1週間限定レイト・ロードショー!
(C)2012 Next Media Animation Limited. All rights reserved.

映画「トーク・トゥ・ザ・デッド」公式サイト
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