ども。殿井です。
今日は前回からの続きで、昨日(11/17)から公開中の
スクリーミング・シチュエーション・スリラー『ボディ・ハント』。
その主演”ジェニファー・ローレンス”嬢の魅力について、
過去作もひもときながら、たっぷりと語っちゃうから覚悟してね(笑)
さて、90年生まれのジェニファーは、幼い頃から演技を志し、
劇団、テレビなどを経て08年から映画界に進出し、
同年の『あの日、欲望の大地で』ではヴェネチア国際映画祭新人賞を受賞している。
一般的なジャンル・ファンが彼女に注目したのは
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)で演じた、
ヤング・ミスティーク=レイブンだろう。
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アメコミに疎いボクは、
「えぇ、ミスティークってプロフェッサーXとかと同年代だったの?騙されてた!」
とか衝撃を受けたものだが(苦笑)
後のレベッカ・ローミンとはちとタイプは異なる丸顔ぽっちゃり系で、
あどけなさも時折のぞかせるジェニファー=ミスティーク像は、
ドラマとして描かれるチャールズ、エリックそれぞれとの関係性を含めなかなか魅力的な存在だった。
▼ミスティーク:「X-MEN:FG」キャラクタークリップ - YouTube
ただ実は彼女はミスティークでブロック・バスター系に進出する以前に、
彼女のキャリアで現時点の頂点ともいうべき作品に主演している。
それが日本では『〜ファースト・ジェネレーション』の後に一般公開された、
デブラ・グラニック監督の『ウィンターズ・ボーン』(10)である。
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サンダンスをはじめ多くの映画祭で高い評価をえたこのインディーズ作品を、
ボクは一般公開の1年前に東京国際映画祭で上映された際に予備知識なしで初見したのだが、
これがとてつもない傑作だった。
アメリカの寂れた田舎町で、心を病んだ母と幼い弟妹を抱え、懸命に生きる17歳の少女リー。
ある日、刑期に服していた父親が保釈後に失踪したとの知らせが入る。
このまま父が現れないと、保釈金のかたに自宅が差し押さえられてしまうのだ。
リーは家族を守るために、父の行方を求めて寒村の闇に踏み込んでいくのだが…
アメリカのプア・ホワイト層の実情を寒々しい景色の中で淡々と、
しかし容赦なく描いていく作品自体もさることながら、
家族と共に生きていくそれだけのために、
ひたむきに行動するリーを演じたジェニファーがとにかく素晴らしい。
糧を得るためには、
幼児ぐらいの妹にも空気銃の撃ち方を実施で教え、
小学生の弟にその解体を覚えさせるリー。
それは銃社会故の特異性ではなく、あくまで生を求めての行動原理なのだ。
そして(婉曲表現ではなく)ボコボコにされながらも、
地域の闇と対峙していく姿は、
まさに完全無欠な17歳のハード・ボイルド・ヒロインぶりだった。
今年の年始はちょっとサボっちゃったんで11年ベストとか書けなかったけど、
一般公開ベースでいえば、昨年度では個人的に最も魂を揺さぶられた1本はこれだ。
そういう意味では、
つい先頃公開され近日ソフトもリリースされる『ハンガー・ゲーム』(12)での、
妹の身代わりに死のゲームに志願するヒロイン、カットニス役も、
リーの延長線上のキャラと言えるだろう。
身体の線もシェイプされたジェニファーが、
弓を射る姿はかなりそそられるものがあるんだけど、
作品自体は死のゲーム自体の映像化に重きをおいておらず、
メイン・ビジュアルにもなっている弓のシーンもあまりなかったのはチト残念ではある。
そして本題の『ボディハント』。
先に書いたとおりこの作品は11年製作で、
ジェニファーが上に挙げた『ハンガー・ゲーム』の前に出演した作品ということになる。
ここまでにあげてきた、ジャンル・ファン向け既公開作の彼女は、
ハード・ボイルドだったり、バトル系だったりと、
一般的とはちと異なる役柄が多かった。
だが、ミステリー・ホラーな本作で
ジェニファーが演じるエリッサは、いたって普通の女の子。
普通にスクリーム・クイーンを演じてるのが逆に新鮮だったりする。
離婚し別居した父への思いから母親に反発したり、
田舎町での生活に溶け込めなかったりの、
ちょっとブータレ風な等身大の女の子ぶりがなかなかキュート。
服装もナチュラルながら、
健康的にちょっと肌出してますな感じのタンクトップ姿もまぶしい感じ。
後半は、あんなこんなで、思う存分絶叫も聞かせてくれるのだが、
それでも芯の強さを失わないのが彼女の持ち味だろう。
流石は『ウィンターズ〜』で顔面グーで殴られてもへこたれなかったジェニファーだ。
だが、だからこそもっと遠慮なく
彼女を酷い目にあわせて欲しかったかな?という想いも否定できなかったりして(笑)
そして最後に個性的な共演者にも触れておこう。
ジェニファーと同居する母親サラ役を演じているのは『ピラニア3D』のエリザベス・シュー。
彼女の詳細は、
“『ピラニア3D』集中講座?ヒロイン「もう“Babysitting Blues”は歌わなくても…エリザベス・シュー」”
を参照してもらうとして、
本作でのシュー嬢は、メイン・イメージの健康優等生系ではなく、
夫と別れてからアルコール依存症気味で娘とイマイチしっくりいってない母親像という、
ちょっと『リービング・ラスベガス』(95)風の顔を見せてくれる。
このほか…というか、メインか(笑)…な謎を持った隣人ライアンは、
『クロエ』(09)等のマックス・シエリオット(と野郎はやっぱりあっさりで〆る(笑))
▼2012.11.17公開 映画『ボディ・ハント』予告篇 - YouTube
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『ボディ・ハント』
HOUSE AT THE END OF THE STREET 街の終わりに家
2012年/アメリカ/101min
配給:ポニーキャニオン
2012年11月17日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー!
(C)2012 HATES, LLC. All Rights Reserved.
▼『ボディ・ハント』オフィシャルサイト|2012年11月17日公開
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