キャ〜!苦節1年(実際は11ヶ月弱だけど)、ついに念願のホッケーマスク卒業を果たしたわ!
当初希望していたピンヘッドは、最新作『ヘルレイザー:レベレーション』(11)でクリカン化しちゃったんでキャンセル。
(作品的には、その前の2本とかよりは原点回帰を試みてた感はあるんだけどね)
新たなアイコンは、前回紹介、今一押しのローラよ〜♪
これからも、ここでバッサバッサと斬りまくるからヨロシクね〜(嘘)
でも、今回は残念ながら、ホラーじゃなくてハート・ウォーミング・ファンタジーなの♪
そのタイトルは『ハロー!?ゴースト』。
天涯孤独な青年サンマンは生きる希望もなく安宿で睡眠薬自殺を謀る。
病院に担ぎ込まれ、一度は呼吸停止状態になるもなんとか一命は取り留める。
ところが目覚めたサンマンの前に、他の者には姿が見えない4人の男女が現れる。
ヘビー・スモーカーの中年男、助平心を隠さない偏屈爺、
さめざめと泣き続ける女、そして胃袋が服を着てるような大食いで生意気なクソガキ…
なんの共通点も見えず、時には姿を変えたりといった不可解なそぶりを示す4人はゴーストだったのだ。
相談した霊媒師からは、ゴーストの願いをかなえ彼らを成仏させるまで、いつまでも彼らは付きまとうという。
つまり、ゴーストを成仏させないと、サンマンはもう自殺を謀ることもできないのだ。
仕方なくサンマンは、4人のゴーストを成仏させるべく彼らの願いをかなえるため、行動を共にするのだが…
韓国製のゴースト・ファンタジーだが、
上記の物語だけに関して言えばあまりにも定番中の定番というか、
ロン・アンダーウッド監督の傑作『愛が微笑む時』(93)、
その女子高生版といった趣の日本映画『海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ』(06)
など先行する作品も既に多々あり、
それをどう活かすかは、まさにクリエイターの腕の見せ所。
ゴーストたちの願望成就のための行動が進むにつれ、
サンマンと病院の看護士ヨンスに絆が芽生えていく展開はちょっとグッとさせるものの、
願望自体、それが君たちが本当に望んでることなの?って感じに微妙で、
笑いの要素も正直ベタ過ぎる感じ。
ところがクライマックスで明らかになる真実は、
『ユージュアル・サスペクツ』(95)あたりをも髣髴させる驚天動地ぶりかつ感動的で、
畳み掛けるような描写の中で無駄っぽく思えていたシーンの意味が見えてくると、
きっとすぐにもう一度見直したくなる衝動にかられるに違いない。
脚本家出身で本作が監督デビュー作(兼脚本)となるキム・ヨンタクは、相当の手練れと見た。
また、劇中でサンマンに4人のゴーストが憑いている様を、
CG合成ではなくワイヤーワークで見せる等の映像感覚も面白い。
主人公のサンマンを演じているのは、『猟奇的な彼女』(01)の主人公など
コメディ系の作品での人気・評価が高いチャ・テヒョン。
4人のゴーストを相手にした可視・不可視ギャグや、
それぞれになりきっての願望成就作戦のベタさは、ファンにはたまらないプレゼントなのかも。
(個人的には『愛が微笑む時』のロバート・ダウニー・Jrのメリハリを利かせたなりきりブリの方が趣味ではあるが)
ヒロインのヨンスには『ハーモニー 心をつなぐ歌 』(10)、
『クイック!!』(11)等出演作の公開が続くカン・イェウォンが、瑞々しい好演ぶりで魅せる。
製作のチェ・ミンスは、これまでも、
ワイヤーワーク・アクション・コメディ『火山校』(01)、
心温まる既知外暴走ファンタジー『地球を守れ!』(03)、
猟奇ヴァイオレンス・サスペンス『チェイサー』(08)等、
エポックなファンタ系作品を多数手がけていて、今後もその動向に注目したい。
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『ハロー!?ゴースト』
HELLO GHOST
2010年/韓国/111min
提供・配給:ツイン/配給協力:太秦/協力:パラマウント ジャパン
2012年6月9日(土)より新宿武蔵野館にてロードショー! 他全国順次公開
(c)2010 Water n Tree Pictures & Next Entertainment World Inc. All Rights Reserved
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