師匠の僧がお経をあけるために、東西を馳せる月…
すなわちそれだけあわただしいという意味で、年末の事を「師走」と言う。
でも、それは世間一般の事。拝編集長には関係ないようだ。
拝編集長「いきなりだけど、ちょっとお願いしたい事があって」
という事で、突然いつもの居酒屋に呼び出された。
拝「実は、年末年始用に『今年一年を振り返りつつ、来年の抱負』というのを、
書いてもらいたいんだけれども。
武井「はい。なんとかします」
「2011年に見た映画のベストテンとか、そういうのでいいからよろしくね」
「神武さんや殿井さんのように新作映画を数多く見ていないので、ちょっとそれは…
「じゃあ、昨年を振り返って映画に関わる事をいくつか書く、という事で」
「わかりました。
…ところで、今日のメニューは、結構普通の居酒屋メニューですね。
あまり凝っていないようですが」
テーブルにはいくつかの料理が並んでいた。
「なんこつの唐揚げ」
「懐かし母の玉子焼き」
「スパイシーポテトフライ」
「もちもち照り焼きチキンピザ」
「たっぷり玉子のシーザーサラダ」…
料理に凝ってくれといっている訳ではないのだが、意味がわからないのもすっきりしない。
今回は映画を取り上げるわけではないので、ただ単に気まぐれで頼んだのか?
拝「テレビで『帰れま10』見てないの?」
武井「?」
「居酒屋「笑○」人気メニューベスト10の上位5品だよ。
『お試しかっ!』っていう番組でやっていたでしょ。
庄○のベスト10とかもあったけど、今回は笑○で。
これで二千円くらいだから、安いよね。
つまり、映画のベストテンと、人気メニューベスト10を掛けたようだ。
方向性には問題があるが、色々とネタを提供しようとしてくれている涙ぐましい努力…
編集長、感謝です。
岸田森さん関連で、昨年一番のニュースと言えば…
『火曜サスペンス劇場 乱れからくり ねじ屋敷連続殺人事件』が6月に東京にある神保町シアターで上映された事だろう。
中々再放送の機会のないテレビ作品が、劇場で公開される、という事は本当に嬉しい。
松田優作主演の映画版『乱れからくり』は有名だが、
同じ原作で、円谷プロダクションが製作したものが『火曜サスペンス劇場』枠で放映されていたのだ。
しかも、岸田森は、映画版、テレビ版両方同じ役で出演している。
近いうちに、このブログでも両作品を取り上げるつもりなので、お楽しみに。
他には邦画では『探偵はBARにいる』が面白かった。
大泉洋に、ハードボイルドな探偵の役を振ったという発想が面白く、
いつものライトなイメージからは想像もつかないほどに、うまく演じ切っていたのが驚きだった。
映画自体も、プログラムピクチャーを意識した作りで、肩ひじ張らずに見られた作品である。
共演者も、落ちぶれたヤクザの代貸し松重豊や、ホモの新聞記者田口トモロヲ、
絶妙にピンチに間に合わない助っ人松田龍平と、
続けて出演してもらいたい濃いキャラクターばかりで、いかにも続編を狙っていた。
個人的にはもちろん続編は作っていただきたいと思っていたので、このような作りは大歓迎。
続編製作決定を聞いて、一人小躍りしていた。
『水曜どうでしょう』の「いかさない大学生」が、メジャー映画の主役でヒットを飛ばすとは、感慨深いものを感じている。
▼映画「探偵はBARにいる」2011.09.10 ROADSHOW【出演】大泉洋 松田 龍平
テレビシリーズだと、アメリカ作品になってしまうが
『THE EVENT/イベント』が抜群に面白かった。
『24』ばりのスピード感と『LOST』のようなミステリー感覚、
それにレギュラーキャラクターと思われていた人物があっさりと死んでしまう意外さ。
どれをとっても桁はずれのスケールの大きさを感じさせる展開が見事だった。
テイラー・コールのクールな殺し屋ビッキーが、私的にはお気に入り。
武「こんな感じですけれども…」
拝「岡本喜八監督著の『マジメとフマジメの間』は?」
マジメとフマジメの間 (ちくま文庫) 岡本 喜八 筑摩書房 2011-12-07 by G-Tools |
「もちろん、それもあります。手前味噌で、ちょっと遠慮していました」
「手前味噌でも出前味噌でもどっちでもいいのだ」
「告知もさせていただいて、本当に感謝しています」
「それに、来年こそ岸田森さんの本、出して欲しいのだ」
「私の生涯の目標の一つなのですが、いつになる事やら…」
「そんななさけない事言うと、本が出るまでこの連載止めさせないから覚悟なのだ!」
「それは勘弁して下さい。いくらなんでも、ネタが尽きますよ。
「ともかく、2012年もド?ンとよろしくなのだ」
「はい、がんばります」
「次取り上げる映画『斬る』、楽しみにしているのだ。
では、次回新年もこの居酒屋で」
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