こんにちわ。印度です。
「映画観てないで、映画になれ!」と題してお送りしてます、
カナザワ映画祭2013のレポートも3回目。
いよいよ、初日も最後の上映です。
東和の宣伝マン達のトークを聞いた後は、
すぐに『ファントム・オブ・パラダイス』の行列に並びます。
映画チラシ 「ファントム・オブ・パラダイス」監督 ブライアン・デ・パルマ 出演 ポール・ウィリアムス、ウィリアム・フィンレイ
夜の部は、この『ファンパラ』と『ロッキー・ホラー・ショー(以下RHS)』のカルト二本立て。
カルトの殿堂レトロスペクティブ、とでもいいましょうか、
このプログラムの組み方は。
『ファンパラ』に関しても、エバーグリーンなカルト・ムービーの名作なので、
今更何か言うのも野暮というものでしょう。
ただ、こっちが歳を取って来ると、世渡り下手な主人公、
ウィンスローの音楽バカぶりにいたたまれない気持ちになります。
自分の曲を奪われ、
声も顔を潰され、
心を密かに寄せていたフェニックスさえも全てを奪ったスワンのものに…
これじゃ屋根の上で絶叫したくもなるでしょう。
ロックに対する愛と、
愛あるツッコミ(今で言うオネエキャラであるビーフの描写など)が溢れる、
今のようにまだロックが良くも悪くも市民権を得て、
すっかり定着した時代になる前の先鋭的な文化だった頃の時代の空気を伝えています。
▼今観ても古くない、ファンパラ予告編
さて、そんな『ファンパラ』の後は、
本日のトリである『RHS』ですが、劇場を出て見るとビックリ!の大行列。
『ファンパラ』も長いと思ったけど、こちらは段違いの長蛇の列!
どこが一体最後尾なのかと歩いていくと、
会場である六階建ての金沢都ホテルの屋上駐車上の入口まで来ました。
そこでもまだ行列は続き、延々と折り返しています。
▼金沢都ホテル全景。このでかい建物の屋上まで行列です
(http://park.geocities.jp/kanazawamirai21/ より)
開始が8時のはずなのに、時間が過ぎても行列が動く気配がありません。
心なしか、観客の女子率がグッと上がっている感じです。
そんな感じで待っていると、スタッフの方が回ってきて、
「大変混雑しております。立見の可能性もありますので、ご了承下さい」
立ち見!初めてだよ、この映画祭では。
そして、8時を過ぎてようやく行列が動き出し、
ノロノロと場内に入っていくと、
最早座るところもほとんど無いギッシリ状態で、立ち見が決定。
通路に二列になって座り、場内は動く隙も無いような満員札止めといった感じです。
結局8時40分頃になって、ようやく開始。
と言っても映画ではなく、
まずは司会の映画ライターにしてデザイナーである高橋ヨシキさんの前説。
(カナザワ映画祭2013|かなざわ映画の会 公式ページより)
混雑のため、
「この映画は、見ながら立っても、歌っても、騒いでもいいです。
何度も見てますが、未だにどういう映画なのかわかりません。
わからなくても困りません。でも、
結婚式のシーンで米(ライスシャワーのこと)は投げないでね。
後始末が大変だから」
と笑いを取り、最後には
「みんなー!準備は出来てるかー!」
と客席を温めたところで、
RHSのファンクラブ「LIP’S」の方(マジェンダのコスプレをしている)が登場して、
この映画の楽しみ方をレクチャー。
今や有名なことですが、『RHS』を劇場で見る時には、
キャラが出てきたら、歌舞伎の大向うみたいに声をかけるなど、
色んな作法があります。
もちろん、この映画を見る時には必ずのお約束、
劇中で流れる挿入歌「Time Warp」で踊るダンスの振りを皆で練習。
▼そのLIPSさんが川崎で開かれたロッキーイベントの模様
とか何とか言っている内にいよいよ映画が始まります。
なんだかんだで時間は9時近くなっていました。
▼スーザン・サランドンの萌え声も聴きどころなロッキーホラーショー予告編
『RHS』、これまたカルトの金字塔なので、今更映画について語ることもありません…が、
映画が始まった途端、ステージの上にライトが当り、
LIP’Sの皆さんがジャネット、ブラッド、リフ・ラフ、マジェンダなどに扮し、
スクリーンの中を完コピするパフォーマンスを同時並行で敢行!
そして、客席からは空気読めない行動を繰り広げる主役のバカップルに対し、
ブラッドには
「ASSHOLE!(あほんだら、くそったれ)」
ジャネットには
「SLAT!(このアマ)」
とツッコミが入る、入る。
お、雨が降って来たぞ。
客席では、ガサガサと音をさせて新聞紙を頭に被る人が続々と。
じゃ、私もキオスクで買っておいた新聞を被ります。
お、今度は歌だ。
「There are light~♪」
客席ではペンライト、
無い人はケータイやスマホを差し上げて右に左に振ってます。
そうか、スマホでもいいんだ!じゃ、私もスマホで。
映画見て、
ステージのパフォーマンス見て、
ファンの人達の色んな楽しい”行動”を見て、
だんだん映画だけを見てられなくなります。
この映画祭のテーマである、
”スクリーンの向こう側と繋がる”
というコンセプトを、こんなにも実感出来る映画は無いでしょうね。
正に自分も映画の一部になる、という体験です。
さて、来ました「Time Warp」!
場内総立ち、勿論私も立ち上がり、うろ覚えの振り付けを踊りながら、
「Let’s to the Time Warp, Again!」
のサビでは、皆でジャンプ!
おぉぉぉ!映画館が揺れている、大丈夫か?
まさか四十路も半ばになって、映画を見ながら踊るとは思いませんでした。
人生、生きてみるものです。
▼場内総立ちで踊ったTime Warp!
この歌の後には強烈にキャラが立ってる、フランケンフルター登場!
そして、ステージの上にもドラッグクィーンみたいなフランケンフルター登場!
客席のファンも更にエスカレート。
台詞に合わせて、勝手にスクリーンとの会話(!)も始まります。
ファン「好きな色はなぁ?に?」
フランケンフルター 「・・・マジェンダ」
ファン 「すばり!あんたはオカマでしょう?」
フランケンフルター 「そうよ・・・」(場内大爆笑!)
フランケンフルターが人造人間ロッキーを創造すると、
ステージの上には…出ました!上半身裸の高橋ヨシキさんが!
『ファンタズム』の田野辺さんといい、今回は皆さん体張り過ぎ。
段々、映画見ているのか、皆で騒いでいるのかわかんない状態になってきました。
フランケンフルターがクライマックスで
「Don’t dream it, be it! (夢を見てないで、夢になりなさい) 」
と歌う頃には言い知れない感動がわき上がってきます。
映画を観ているのに、映画を観ている感覚がほとんどない。
なんとも不思議な体験でした。
▼夢を見ていないで、夢におなり! です
そして最後は、再び「Time Warp」。
又々皆でジャンプ!ジャンプ!又ジャンプ!
何やってんだろう、私は…
▼「ロッキーホラーショー」予告編別バージョン(こちらは物語の最初から始まります)
でも、濃厚な初日でしたね。
え!まだ、初日なんだ!
ということで、次回は、昔風のCGIが楽しい『スターファイター』と幻の名作『獣人島』をお送りする二日目の模様です。
映画チラシ 「スター・ファイター」監督 ニック・キャッスル 出演 ランス・ゲスト、ダン・オハーリー
お楽しみに!
(関連ページ)
今回は、残念ながら、ギューギュー詰めでステージの写真が上手く撮れなかったのですが、
こちらのブログさまが、その会場の模様の写真をアップしてくださっていました。
▼映画『ロッキー・ホラー・ショー』『ファントム・オブ・ザ・パラダイス』『ティングラー』in 金沢映画祭 | 寝床で鳥を見る
裸のヨシキさんや会場大興奮のパフォーマンスの模様もしっかり掲載されています。
より雰囲気が分かっていただけるかと思いますので、合わせてどうぞ。
◎カナザワ映画祭2013 ”A STEP BEYOND MOVIE THEATER” レポート
▼”映画観てないで、映画になれ!”カナザワ映画祭2013レポート?『東宝東和イズムの秘密に迫る!』
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