どもども、殿井です。
ずいぶんご無沙汰いたしておりました。
ぢつは一年前と同様に、冬の間はたった一人で、それはそれは長い旅に出てたんですよ…嘘だけど!
おかげさまで、信じられぬものもたくさん見てきましたよ。
オリオン座の近くで燃えた宇宙船…、
タンホイザー・ゲートのオーロラ…、
だけどそういう記憶もやがて消える、
時がくれば、涙のように…あっ、焼き鳥用の鳩が逃げた!
でもまぁ、概ね日々の暮らしも平常に戻ってきたので、
ボチボチこちらも復活していこうかと思いますので、また生温かくよろしくね♪
そんなわけで今回の御題は、旅からの無事帰還記念に映像しか戻れなかった旅…つうか探検だねの映画から。
3月16日より絶賛公開中の『ダイナソー・プロジェクト』だ!
英国未確認生物学会のジョナサン教授をリーダーとする調査隊一行とテレビ・クルーは、
ゾンビ…じゃなくて暗黒(それも不適切だろ-苦笑-)大陸アフリカに生息すると噂される
伝説のUMA“モケーレ・ムベンベ”を発見すべく
コンゴのジャングル深くにヘリコプターで向かうも消息を絶ってしまう。
そして河で調査隊のものと思しきバックパックだけが発見された。
そのバックパックの中に入っていたHDには…想像を絶する映像が残されていたのだ!
…というわけで、本作はタイトルの“プロジェクト”も判りやすい、
残されたPOV映像を再編集したという設定のモキュメンタリー系の“ロスト・ワールド”篇。
このジャンルは人喰い族だ、魔女だ、宇宙怪獣だ、霊現象だ、テロだ、ゾンビだ…etcと、
ボチボチやり尽くした感が無きにしも非ずだし、
本作ではその映像がどうやって残せられたのか疑問なシチュエーションがあったりと
詰めの甘さを感じないでもないが、
狙ったわけではなく現れた(という設定の)恐竜たちの出現シチュエーションやルックスが秀逸で、飽きさせない。
キャストは日本では馴染みの薄い方々がほとんどだが、モキュメンタリー&見せ場は恐竜なので無問題。
監督・脚本は、日本でもNHKがオンエアした『プレヒストリック・パーク』(06)のエピソード監督等、
恐竜再現ドキュメント系テレフィーチャーを多数手がけたシド・ベネットで本作が劇場用監督デビュー作となる。
▼よみがえる恐竜の世界 プレヒストリック・パーク(2006)
また、VFX担当のジェリーフィッシュ・ピクチャーズも、BBC製作の『プラネットダイナソー』(11)等を手がけており、
いわば英国CG恐竜ドキュメントの精鋭たちが集結した成果といえそう。
決して今年で公開から20周年を迎える『ジュラシック・パーク』(93)のように潤沢な予算がかけられた作品ではないが、
見栄えがよく生命感に満ちた恐竜たちは、このスタッフだからだろう。
まぁ御家庭視聴が中心のテレビ出身組らしさを感じる部分で、
教授の息子がこっそり探検に同行してたりするなんて展開もあるが、
これも息子が餌付けした小恐竜目線のPOVという新機軸を見せてくれるのでアリかと。
本作の探検の目的“モケーレ・ムベンベ”は、ネス湖のネッシーほどメジャーではないが、
未開のジャングル奥深くというシチュエーション故にその存在を信じるマニアも少なくない燻し銀な味わいのUMA。
これまで映像化された作品では、
ディズニー傘下として設立された初期のタッチストーン・ピクチャーズが製作した『恐竜伝説ベイビー』(83)がある。
映画パンフレット 「恐竜伝説 ベイビー」 監督B・W・L・ノートン 出演ウィリアム・カット
アフリカ奥地で発見・捕獲された“モケーレ・ムベンベ”の親子を、
心優しい主人公夫婦が救おうとするUMA版“E.T.”風で、
ラージ・スケール・モデル&スーツというアナログ特撮ながら、中々迫力のある画を見せてくれていた。
『〜ベイビー』で描かれた“モケーレ・ムベンベ”は、
ブロントサウルス(…って今はあんまし使わないのか。でもアパトサウルスって個人的に馴染まないんだよね-苦笑-)等の竜脚類の生き残りで、
実際このイメージが一般的なものだと思うのだが、
『ダイナソー〜』では別説に基づく姿で、短い場面ながらスペクタクル溢れた登場で必見。
また、危険な旅の幕開けとなり、その生物の生き血を啜るという特性により、
探検隊を度々危機に陥らせるジェホロプテルスがポイント高し。
このジェホロプテルスは吸血コウモリの祖先との説もあり、
体調こそ然程大きくはないが、ヤツラが群れをなし前肢で素早く這い動き犠牲者を追い詰める様は、
群れ系生物パニック的な名場面でゾクゾクさせてくれるので必見よ♪
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『ダイナソー・プロジェクト』
THE DINOSAUR PROJECT
2012年/イギリス/83min
配給:シンカ
2013年3月16日(土)よりシネクイント他にて全国ロードショー中!
(C)Dinosaur Productions Limited / Moonlighting Dino Productions 2011
▼映画「ダイナソー・プロジェクト」オフィシャルサイト
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