さて『映画宝庫V3』もオープンしてから、ほぼ1周年ですね。
ご愛読いただいている読者様には篤く御礼申し上げます。
まぁ特に僕んところは扱う作品も非常に偏ってて、
かつムラッ気のある更新タイミングでありますが、それはもう僕仕様なんで(笑)
今後も変わらないけど引き続き宜しくお願いいたします。
そんなわけで、1周年記念特別企画として、
あの昨年一番萌えた特集が、約束通りに復活だ!(まぁ、たまたま時期があっただけだけどね)
題して『帰ってきた!『ピラニア3DD』集中講座』!
今年はモンスター・パニック系作品が、ダイレクト・ソフト・リリースだけじゃなくて
わりとコンスタントに小屋にかかっててくれてるのが嬉しい限り。
POVフェイク・ドキュメント・トロール版な『トロール・ハンター』(10)とか、
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オージー秘境ワニ・パニックの『マンイーター』(07)、
マンイーター アンレイテッド・バージョン [Blu-ray]
なんかは既に輸入版ソフトでは観れちゃってたやつだけど、
ちゃんと字幕がついた形でガランと…
もとへ、余裕のある劇場の大スクリーンで観るという無駄…
もとへ、贅沢さは格別だよね。
まぁ劇場に行けなかったけど、やっぱ字幕版が見たい方には、
それぞれ近日ソフトリリースが決まってるので、そちらでどうぞ。
この昨年より日劇レイト枠をメイン館として
TOHOシネマズ系列で展開しているプログラム・ピクチャー上映枠は、
この後“日劇モンスターナイトカーニバル”と称して今週末スタートの
鮫殺人(逆じゃないのよ-笑-)映画『シャーク・ナイト』(11)、
8月4日スタートのいい意味で愚直なまでの特殊メイクの拘り等、
ほぼリメイク状態なプリクエール『遊星からの物体X ファーストコンタクト』(11)
の二連荘と、アメコミ・ヒーローなんか興味ねーよ(ってこともないんだけどな)な御同輩には、
まさに“日本の夏、モンパニの夏”な感じですな。
んで、昨夏にこの系列で公開されてたのが、あのチ(血)とチチ(乳)の狂宴!
『ピラニア3D』(10)だったわけですが、
今年は前記作品とのバッティングの関係か、かかる小屋自体は変わったけど、
やはり明日(7/14)よりあの殺人魚たちがスクリーンから飛び出してくるんだぜ!
というわけで、まさに盆と正月が一緒にやって来た!的状況の中で、
1回だけの集中講座復活ということで
今日の御題は『ピラニア リターンズ』(12)!
お話は、
あの惨劇の後、毒薬で一掃されたと思われた古代ピラニアが、
オヤクソクどおり生き残っていて、
今度は新たにオープンしたウォーター・パーク“ビッグ・ウェット”の客たちを血祭りに!
以上!
事前情報的な部分で、いつもつい長々と物語を書いちゃうけど、
今回はもう付け加えることなし(爆)。他に何があるっていうのよ。
えっ、集中講座とかぶっこいてそれじゃあんまり愛想がないですか、そうですか。
では鑑賞ポイントを含めてもうちょっと行きましょうかね。
作品のオープニングは、湖面ではしゃぐバカモノたちと、
彼らに襲いかかる古代ピラニアの前作フッテージ。
これがニュース映像という設定で流れ、
前作の舞台スプリング・ブレイクは殺人魚を一掃するためにまかれた毒薬により死の湖と化し、
観光産業は壊滅…どころか町自体がゴースト・タウンになっていることが語られる。
だから、多分町を引き払っちゃったエリザベス・シューたん一家は出てきません(泣)
しかし古代ピラニア自体は、地下水脈等を通じて死の湖からその一部は脱出、
再び繁殖しはじめていたからさぁ大変。
まず最初に犠牲になるのは、
前作のリチャード・ドレイファスを踏襲してのカメオなおっさん二人組で、
演じているのは『ビッグ・ウェンズデー』(78)等のゲイリー・ビューシィと、
『バタリアン』(85)の葬儀屋社長等のクルー・ギャラガー(ジョン・ギャラガー監督の実父)。
夜の沼で二人が惨殺される部分は、
案外あっさり水中に引き込まれちゃうので、一瞬物足りなさを覚えるのだが、
直後にビュージーがあの悪人面を100%活かした怪演で魅せ、いきなりテンションupだぜ!
そして、
メインの舞台となるオープン直前のウォーター・パーク“ビッグ・ウェット”に
施設のオーナーで都会で生物学を研究していたヒロインのマッディが帰ってくる。
(マッディ役は共にリメイク版『13日の金曜日』(09)『ザ・クレイジーズ』(10)等のダニエル・パナベイカー)
ところが“ビッグウェット”は共同経営者である義父により、
(『ファイナル・デッドブリッジ』(11)『宇宙人ポール』(10)等のデヴィッド・ケックナー)
ライフセーバーはストリッパー、プールサイドではスキンの自動販売機もあり、
自由恋愛…つうか本番もOK!なアダルト・ゾーン大拡充パークに改装されていたのだ。
勿論、マッディは抗議するも、オーナー比率を楯に義父はききいれない。
正直、このウォーター・パーク自体は、いかにも個人経営らしい貧弱さで、
正しい続編的な製作規模をうかがわせるが、
エロ親父の夢と実益を兼ねて作られたここは再びおっぱいの嵐。
因みに、『ピラニア3D』は普通にR指定だったけど、今回の『ピラニア リターンズ』はR18+指定。
なので高校生以下の諸君は、観に行くなら事前に対策を練っておくことが必要だじょ(笑)
そして、
若いスタッフらによって、パークの開園準備は着々と進むのだが、
仕事を終えた後で近くの沼でデートをしていたスタッフが姿を消すなど不審な事件が続き、
マッディもまた女性スタッフのシェルビィと一緒に桟橋にいた際に、
桟橋を突き破り飛びかかってくる奇怪な魚群の襲撃を受ける。
(シェルビィ役は『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』(10)のいい娘ぶりも忘れ難いカトリーナ・ボウデン。
僕は見たことないんだけど、TVシリーズ『30 ROCK/サーティ・ロック』等の艶姿で、
Esquire誌が選んだ2011年度生存中最もセクシーな女性NO.1なんだとか)
ここは前作のロープ脱出シーンと同様に、
パワフル&リアルな“フライング・キラー”ノリですな。
今回の特殊メイク&クリーチャー・デザインのスーパーヴァイザーは
『ザ・フィースト』“ヘルレイザー”シリーズ等の名手ゲイリー・J・タニクリフで、
成長の段階ごとの異貌を見せてくれる。
マッディはなんとか殺害した一匹の死骸を持って、
1年前の事件以来Youtubeを通じて古代魚の脅威を警告し続けているグッドマン氏(前作から続投のクリストファー・ロイド)を訪ね、
ぢつはパークが非常に危険な状態に曝されていることを知らされる。
こっそり捕獲した古代魚を水槽で飼い、
自身のYoutube画像の視聴数に一喜一憂する(ライバルは“下痢の赤ちゃん”映像)
ロイドのオーバー・アクトは、おヤクソクながら楽しいね。
戻ったマッディは開園延期を訴えるが、やはり義父は聞き入れない。
そして迎えたオープン日。老若男女、多くの客がつめかけ盛況のパーク。
義父がオープニング・ゲストに招いたのは、
水難監視救助隊の活躍を描く人気テレビ・シリーズ『ベイ・ウォッチ』(89〜99)の主役デビッド・ハッセルホフ本人だ!
世界で一番知られたライフセーバーとして番組同様監視台に座り、
俺様全開にサインをしまくり、自分を知らないクソガキなんか眼中ね〜よな、
セルフ・パロディを嬉々として披露。
そして、客の中には車椅子に乗った黒人保安官助手ファロン(ヴィング・レイムズ)の姿もあった。
ファロンは1年前のピラニアとの闘いで両足を失い、
その時のトラウマから水に近づくことができなくなっていたのだ。
そこでカウンセラー(前作でAV撮影隊のカメラマンを演じていたポール・シェアーが役を変えて再登場)に付き添われて、
トラウマ克服のためにパークにやってきたのだ。
こうして役者が揃ったところで、古代魚群がビッグ・ウェットに侵入。
パークもまた血と乳の狂宴と化すのだった…
今回、ヒロインのマッディとジョックスな元カレ保安官にナードな片思い君の
三角関係みたいなドラマっぽい要素は、前作以上にもう気持ちだけ。
襲いかかる怪魚、飛び散る血飛沫、突き出され揺れる胸、
というお楽しみはそのまま踏襲…というか、むしろよりそれだけに絞った作りだ。
その状況に呆れながらもモン・パニファンならまずは素直に楽しめるだろう。
ただ同時に、前作にあった「こう来たか!」的な驚きは後退し、
またスケール感も小ぶりになっていることから、正しく続編クオリティかなという感も否めない。
ちょっと期待した、前作ラストの巨大成魚体は出てこないしね。
でも、一応軽く新機軸もありますが。
3Dに関しても、前作は後付であっても見世物はこうあるべしという気迫みたいなものが漲っていたが、
今回は最初から3D用カメラを使っての撮影が行われているのに、
やっぱり前作の楽しさを凌駕できないのはご愛嬌。
それでも、シチュエーションこそ違えど、
今回もまた“飛び出す珍棒”ネタがでてきたりするあたり、妙な拘りは感じられますな。
今回のメイン・スタッフである監督のジョン・ギャラガー、
脚本のパトリック・メルトン、マーカス・ダンスタンは
“フィースト”シリーズで注目された期待の若手たち。
シリーズ第1作『The FEAST/ザ・フィースト』(05)は、
ベン・アフレックとマット・デイモンが主催する新人発掘脚本コンテスト
“プロジェクト・グリーンライト”において、ジャンル系作品では唯一のグランプリを受賞した作品。
フィースト アンレイテッド・バージョン [DVD]
▼『The FEAST/ザ・フィースト』予告編
チャカチャカした今風演出が多少鼻につくきらいはあるものの、
孤立した砂漠のダイナーで、正体不明の怪物と偶然居合わせた客達の攻防戦という定番ストーリーを、
ジャンル・ファンの喜びそうな要素は欠かさずにぶち込み、
かつジャンル的なオヤクソクを裏切っていく予測不明の展開とパワフルさが非常に魅力的な作品だった。
そして『フィースト2/怪物復活』(08)、『フィースト3/最終決戦』(09)になると、
論理は関係なく普通やらないことを予想すればそのとおりになるという
ぐるっと1回転的な状況になってしまったきらいはあるも
(これはパトリック&マーカスが脚本を担当した“4”以降の『ソウ』シリーズも同様)、
その無茶ぶりが癖になる魅力を持っていたのである(ただ『ソウ』シリーズはそうでもないけど…)。
フィースト2 -怪物復活- [DVD]
▼『フィースト2/怪物復活』予告編
▼『フィースト3/最終決戦』予告編
そんなわけで今回も、殺されるのは老若男女善悪を問わない展開になっているのだが、
“フィースト”シリーズに比べると案外普通な印象なのだ。
まぁ、こちらの悪乗り期待値がインフレをおこしているのかもしれないけど。
でも、NG集風エンド・タイトルのクドさなんかは、非常にらしい感じだった。
まぁ、偉大(という言葉が正しいかどうかは兎も角)すぎる前作を凌駕・伯仲するほどではないかもしれない。
それでもモンスター、血飛沫そして裸と娯楽に必要な要素は欠かさず、
サービス精神いっぱいにぶちまけた本作は、ジャンルファンならやっぱり必見作なのである!
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『ピラニア リターンズ』
PIRANHA 3DD
2012年/アメリカ/83min
提供:ブロードメディア・スタジオ=ポニーキャニオン/配給:ブロードメディア・スタジオ
2012年7月14日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて2D・3D全国順次ロードショー!
(C)2011 PDOUBLED FILMS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
▼「ピラニア リターンズ」公式サイト 7/14(Sat)ヒューマントラストシネマ渋谷他2D・3D全国順次公開
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