こんにちわ、殿井です♪
今回ご紹介するのは本日(6/23)から全国ロードショー開始されます
あの『宇宙人ポール』『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』のニラ・パーク一派の新作。
なんと団地に巨大エイリアン現る!
侵略SFパニック『アタック・ザ・ブロック』よ♪
南ロンドンの低所得者用公共団地(=ブロック)に最近越してきた見習い看護士サムは、
ある晩仕事を終えて帰宅中に、付近を根城にするモーゼズをリーダーとする
5人のストリート・キッズに囲まれてホールド・アップ。
その時突如隕石が落ちてきて、サムはその混乱の中で現場から命からがら逃げ出した。
サムに逃げられたキッズたちは、憂さ晴らしに隕石の正体を調べようとしたところ、
隕石から小柄ながら凶暴な生命体が飛び出してきた。
驚きながらも生命体を追い詰めて殺害するキッズたち。
その死骸は、地球上のものではなかった。
しかし、そんなことは気にも留めず、
死骸を手土産に意気揚々と団地内に麻薬工房を構えるギャングを訪ねるキッズたち。
だがその直後、彼らは今度は複数の隕石が再び団地内に落下するのを目撃する。
今度も返り討ちにしてやれと、現場に向かうキッズたち。
だが今回の隕石から姿を現した生命体は、
最初のものの3倍以上の大きさ、しかもより凶暴で残虐な怪物だったのだ…
イギリスでコメディアンとして活躍してきたジョー・コーニッシュが
オリジナル脚本で監督デビューを果たした侵略系SFパニック篇で、
企画自体は彼が20年来温めてきたもの。
これを気に入った『ショーン・オブ・ザ・デッド』(04)等の監督エドガー・ライト、
ライトの監督作の製作を手がけたニラ・パークらがプロデュース、
また『ショーン・〜』等でサイモン・ペッグとの名コンビぶりを発揮し、
かつコーニッシュとは12年来の友人だったというニック・フロストが
麻薬工房の気のいい番人ロン役で出演している。
舞台を“ブロック”周辺(特に高層建築の“ウィンダム・タワー”)に限定し、
夜闇の中で何処からエイリアンが襲いかかるかわからない
というストレートかつ王道の展開。
ただその中に、黒人・白人と人種は混成でも貧乏な不良が共通なストリート・キッズたちが、
やがてはより強力な敵から団地を守るための闘いにシフトしていくわけだが…
逃亡中に再会し行動を共にすることになる冒頭の看護士サムが同じ低所得者だとわかっても、
カツ上げした戦利品は返そうとしなかったり
と不良が不良ならではのリアルな肌触りで描かれているのが面白い。
また個々の会話は、人種ネタ等も冗談めかしつつ、
ずばっと言い放つブラックな風刺もなかなか効いている。
登場するエイリアン、特に中盤以降で襲いかかる大型凶暴種の方は、
全身を覆った黒い毛が保護色となったシルエット状に、
その大きく裂けたような口元から覗く蛍光ホワイトに輝く鋭いキバが凄みがあってよろしい。
コーニッシュが興味があるとあげているサスカッチをプレデター化したようなイメージだ。
このエイリアン描写は、シルク・ド・ソレイユに所属していたこともあり
『タンタンの冒険』にも参加していたテリー・ノートリーが演じたものを、
CGはほぼ使用せずにロトスコープで処理している。
そのリアルな影絵のような、独特の存在感を堪能して欲しい。
最後に、ジャンルを知り尽くした作品を発表し続けるニラ・パーク一派の作品をおさらいしておこう。
ジョージ・A・ロメロの“リビング・デッド”フォロワーの中で、
最も正統な継承作であり、かつ独自のセンスに裏打ちされたゾンビ映画の傑作にして
エドガー・ライトの出世作『ショーン・オブ・ザ・デッド』(04)
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クイーンの“マイ・ベスト・フレンド”が流れるラストシーンが、ハッピーかつ泣ける。
◎『ショーン・オブ・ザ・デッド』予告編
エドガー・ライト監督作品その2。
ブロック・バスター・ポリス・アクションにオマージュを捧げた『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(07)。
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随所に顔を覗かす英国テイストがたまらない。
◎『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』予告編
エドガー・ライト監督作品その3。
コミック原作の『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(10)。
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まぁ、楽しかったですとこれは軽く流す(笑)
◎『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』予告編
サイモン・ペッグ&ニック・フロスト演じるいい年した英国人SFヲタ・コンビと、
米政府に監禁されていた宇宙人ポールとの珍道中を描いた『宇宙人ポール』(10)。
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脚本も担当している主演コンビのホンモノぶりに、
これまたジャンル・ファンなら感涙間違いなしの傑作。
監督は『スーパーバッド 童貞ウォーズ』等のグレッグ・モットーラ。
◎『宇宙人ポール』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=IyJo6ESSiMY
『ヘルハウス』?『恐怖のいけにえ』?『ザ・ショック』?
いやいや、残念ながらこれは本編ありません。
『グラインド・ハウス』で流れる4本のフェイク予告編の1本で、エドガー・ライトが監督した『Don't!』(07)。
個人的趣味では、『マチューテ』よりもこっちを本編化して欲しかったな。
まぁ実際は予告篇だからこそ、こんなに面白そうなんで長編化は…というのもまた真理かなと冷静には思いますが(笑)
◎『Grindhouse - Don't!』(07)フェイク予告編
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『アタック・ザ・ブロック』
ATTACK THE BLOCK
2011年/イギリス=フランス/88min
提供:カルチュア・パブリッシャーズ/配給:アステア=パルコ
2012年6月23日(土)〜7月13日シネクイント渋谷ほか全国襲撃開始!
(c)StudioCanal S.A./UK Film Council/Channel Four television Corporation 2011
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