拝「あれ?今日は来るの早いのだ」
武井「はい。注文も済ませておきました。今日はお寿司です」
「手際がいいのだ…
あ、そうか。最初に告知したいって言っていた?のだ。
それでいつもの喰い物の写真もTOPに来ないのだ」
「無理を言ってすいません。
実は、このたび私こと武井崇が編集・企画を担当した文庫本
岡本喜八監督未収録エッセイ集『マジメとフマジメの間』が明日(12/7)発売になるんです」
「岡本喜八監督といえば、岸田森さんをレギュラーのように起用していたから、
この連載とも無関係ではないからいいのだ。今日は特別なのだ」
「手前みそですが、面白く読めると思います」
「手前みそででも出前味噌でもいから早く告知をするのだ」
マジメとフマジメの間 (ちくま文庫)
ちくま文庫『マジメとフマジメの間』岡本喜八著
12月7日発売 全352ページ 税込1,260円
武井「岡本喜八監督は生涯39本の映画を残しています。
それに加えて、エッセイストとしても一流でした。
今回は、それらのエッセイの中から岡本喜八監督生涯のテーマ 『喜劇と戦争』を中心にセレクト。
監督の生き方の一端が俯瞰できるようにまとめてみました。内容はこんな感じです。
第一部「8.15にコダワったりカマケたり」
「映画と戦争」についてのエッセイ18編を収録。
第二部「活動屋殺すにゃ…」
自らの監督作品に触れたエッセイ31編を収録。
第三部「ヘソの曲がり角」
岡本喜八監督の青春記である中編エッセイ
「?黒?をめぐる奇妙な物語」山本迪夫
「解題」武井崇
「庵野秀明が語る岡本喜八の魅力」
「あとがきにかえて」岡本真実
拝「みんな買うのだー!
お父さんもお昼我慢すれば帰りの電車は読書タイムな?のだ!じゃ!」
武井「すいません、まだ寿司が…」
そこに、やっと店員が料理を持ってきた。
「美味しそう…だけど、なんだか変わったセレクトなのだ。
玉子焼きとアナゴの寿司だけって…」
「これ、岡本喜八監督が食べていた寿司なんです。
実は監督、あまり寿司が好きではなかったんですれども、
寿司屋に行くのは好きだったらしいんです。
それで、寿司屋に行くと、こんな感じの寿司を頼んでいたという事で」
拝「へぇ、そうなんだ。
でも、どうして寿司があまり好きじゃないのに寿司屋に行くのかな…?なのだ」
武井「お店で、お客さんを観察したり、話したりするのが好きだったという事です」
「さすが演出家なのだ。でも、どんな話したんだろう?」
「一つ言えるのは、拝さんと私のグダグダな会話とはまったく違うという事でしょうか。
あと、そのバカボン調も止めるのだ。とか…」
「うつったのだ(笑)
で、岡本喜八監督って、そんなに文章を発表していたの?」
「はい。連載も幾つかあるのですが、単発がものすごく多いです。
掲載誌も一般紙から週刊誌、教育雑誌や専門誌、PR誌など、把握できないくらい色々な所に掲載されています」
「それだけバラけると、全部読むのは難しいね」
「内容も、それこそありとあらゆる事が題材になっています。
特に、身近な事を書いたエッセイが多いです」
「そうか…岡本喜八監督にとっては、映画も身近な事だったと」
「その通りです」
「岸田森さんの事は書いていたの?」
「それが、なかなか見つからなくて…
でも、「わが映画人生 忘れ得ぬ人々」というエッセイに、
一部ですけれども、岸田森さんの事を書いているのを見つけました。
もちろん、今回の本にも収録しています」
「やるね(笑)」
「ほかにも、写真を一枚収録しています…
でも、これ端っこに写っているだけで何とも微妙なんです」
「真ん中が岡本喜八監督、左端に写っているのが岸田森さんか…
確かに、微妙な写真だな。」
「意外にツーショット写真がなくて…
あ、でも一枚借りてきました。今回使わなかったものです。
こんなのしか見つからなくて…」
「右が喜八監督、左の紫の服の人が岸田森さんだね。
2人ともまったくカメラを意識してないな」
「『近頃なぜかチャールストン』の打ち上げの写真です。
森さん、あさっての方向向いていますけれども。このツーショットは、珍しい写真だと思います」
「良く見ると、岸田森さんカラオケのマイク持っているね」
「はい。この頃から喜八監督はカラオケを歌うようになったという事です。
なんでも、弱かった喉を鍛えるためだとか。
今回の本にも、そこらへんの話を収録しておきました」
「お、宣伝うまいね」
「今回の?岸田森的視点?はこの写真で兼ねさせていただくと言うことで…」
「お、そう来たか。うまくごまかしたね」
「決してそんな事はございません(棒読み)」
「ところで、次回は何か考えてる?
この流れだと岡本喜八監督作品かな」
「映画宝庫V3らしい作品という事で『ブルークリスマス』とかいかがでしょうか」
「いいね。それでお願い」
「せっかくだから、岡本喜八監督作をいくつか続けたいのですが…」
「いいよ、面白んじゃない。じゃあ、次回もこの居酒屋で」
マジメとフマジメの間 (ちくま文庫) 岡本 喜八 筑摩書房 2011-12-07 by G-Tools |
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