『ザ・ウォード/監禁病棟』ジョン・カーペンター10年ぶりの新作とニュー・スクリーム・クイーン!

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なんか煽っちゃったみたいなので(笑)
こちらも取り上げておかないと片手落ちですよね。

というわけで現在公開中の、
ジョン・カーペンター監督10年ぶりの劇場用新作、
ザ・ウォード/監禁病棟です。

john

『ゴースト・オブ・マーズ』で燃えてからもう10年ですか。

でもまぁその間、カーペンター自身もテレビ・シリーズ“マスターズ・オブ・ホラー”で二作品を撮ってるし、
ロブ・ゾンビによる『ハロウィン』リメイク等関連作品が複数公開されてたこともあり、
10年のブランクがあったという印象は言われないと意外に希薄かも。

TheWard

1966年アメリカの田舎町で、
下着姿の若い女性、クリスティンが一軒の農家を放火した。

TheWard

現場で呆然としているところを警官に取り押さえられたクリスティンは、
ノースベント精神病院へと連行され重度の患者専用の隔離病棟に収容される。

病棟にはクリスティンと同年代で、
それぞれ精神に問題を抱える4人の患者が収容されており、
また彼女たちとは別に最近までもう1人の患者がいたらしく、
クリスティンはそのもう1人の部屋に入ることになる。

TheWard

自分の精神には問題がないと信じて疑わないクリスティンであったが、
病棟の責任者ストリンガー医師のカウンセリングを受けている時に、
自分が燃え上がる農家を見ていたことと、
自分の名前以外の記憶が一切失われていることに気づき慄然とする。

それでも自分が収容されていることに納得できないクリスティンは、
病棟からの脱走を繰り返し試みるがうまくいかない。

TheWard

他の患者を説得し脱走の仲間にしようともするが、
そんな彼女たちが、今度は順番に姿を消してしまう

病院側は、先進的な治療が功をなし全快したので退院したというのだが…

そして病棟内に出没するもう1人の女の影

はたして、病棟では何が起きているのか?


前回紹介の『心霊病棟 ささやく死体』との比較等も記しておきたいところですが、こちらも同様に基本ミステリー要素の強い作品なので、公開中とはいえなかなか核心には触れずらい。

The%20Ward

あくまで比重的にはそれぞれタイトル通りで
『心霊病棟〜』は超自然ホラーより、
『ザ・ウォード〜』はサイコ・スリラーより

(実際には両者共それぞれの要素を持ってますが)といった感じ。

でも人の悲しさみたいな部分は、両作に共通するニュアンスか。

カーペンターのサイコ系ホラーというと、
個人的には『マウス・オブ・マッドネス』や
『マスターズ・オブ・ホラー〜世界の終り』といった、
小説や映画を媒介に狂気が世界全体に蔓延していく作品が印象深いですが、
本作はあくまで個の闇深くにわけいっていく、
ストレートかつ王道のサイコ・スリラー

TheWard

またクリスティンら入院患者に迫る恐怖の描写も、
『ハロウィン』『ザ・フォッグ』等の初期のショッカーに近いテイスト。

86分という上映時間を含めて、
そのシンプルさをまさにカーペンター節とニンマリするか、
ちょっと物足りなく思うかは、観る者のカーペンター・ファン度次第。

もっともそのシンプルさとはうってかわって、
カーペンター作品としては異色な感を受けるのは、
入院患者の女優度の高さですね。

主人公のクリスティンを演じているのは、
先頃やはり主演作の『ドライブ・アングリー3D』が
日本でも公開された注目株アンバー・ハード

amber

不安に怯えつつも、病棟の闇を暴きそこから脱け出そうと奮闘する姿は、
ただ悲鳴をあげるだけではない
今風スクリーム・クイーンとして中々の有望株ですな。

実際ホラー映画への出演も少なくはなく、
タイトル・ロールを演じたインディーズ・スラッシャー
マンディ・レイン 血まみれ金髪女子高生』と、
ゲスト出演らしい『W』リメイク版
ステップファーザー 殺人鬼の棲む家』は
現時点では個人的には未見だけど、
ゾンビランド』では主人公にとって最初のゾンビ現象体験にして、
生き残るためのルールその2“二度打ち”の実践対象となる
美貌のお隣さん役で、短い時間の出演ながら場面をさらってくれましたね。

ZombieLand

また本作と同年にはロバート・フュースト監督のカルト・サスペンス・ホラー『女子大生 恐怖のサイクリングバカンス』のリメイク版
『AND SOON THE DARKNESS』(原題はオリジナルも共通)でも、
アルゼンチンでサイクリング旅行中に同行の女友達が失踪してしまい、
言葉も通じず土地勘もない場所で不安にかられながら
友人の行方を追うヒロイン(オリジナルでは『ヘルハウス』等のパメラ・フランクリンでした)を演じてます。

and_soon_the_darkness

こちらは気持ちオリジナルよりも監禁サスペンス要素が強くなった感じですが、現時点では日本未公開(PAL盤ソフトで鑑賞)
DVDストレートでもいいから、字幕付で見たいなぁ

他にもそれぞれに個性的過ぎる(…というのも、ヒントになっちゃうかもだから困ったもんだ-苦笑-)4人の入院患者に、
リメイク版『13日の金曜日』のダニエル・パナペイカー

danielle

『キック・アス』のリンジー・フォーセカ

lyndsy

テレビ作品への出演が多いローラ・リー

laura

『ウッドストックがやってくる!』のメイミー・ガマー

mamie

綺麗どころが揃ってますが、
実は最初に資料のクレジットを見て「おぉ!久々!」と思ったのが、
ミカ・ブレーム。

MikaBoorem

スティーヴン・キング原作の非ホラー系ノスタルジック・ファンタジー『アトランティスのこころ』で、
主人公の幼馴染で主人公と生涯最高のファースト・キスをする少女キャロルを演じてた娘ですな。

mika

主人公に対してはちょっとお姉さんぶってみるけど、
あどけなく実に可愛らしかった少女は、
その後すっかり綺麗なお姉さんに成長し、
最近ではやはりテレビ作品を中心に活躍していたようです。

そんな彼女が、久々に出演した劇場用作品なんですが、
資料には彼女のフィルモグラフィーも載ってないし、
しかも4人の入院患者は別の女優さんがやってる。

何の役で出てるのかと事前にIMDBで調べたら役名は“アリス”。

んで作品を見始めたら、“アリス”って…(絶句。観て確認のこと)

う〜ん、あのまさに天使と見紛うばかりのミカちゃんが!!!
(もっとも、観終わってからクレジットを再確認したところ、劇中大半の場面での“アリス”はジリアン・クレイマーという別の女優さんだった模様−苦笑−)

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ザ・ウォード/監禁病棟
JOHN CARPENTER'S THE WARD
2010年/アメリカ/89min
配給:ショウゲート
2011年9月17日(土)より、銀座シネパトスほか全国順次ロードショー公開中!
(C)2010, Chamberlain Films, LLC. All Rights Reserved.

映画『ザ・ウォード/監禁病棟』公式サイト | Facebook
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