ここは練馬区某所のボロアパートにある『映画宝庫V3』編集部。
クーラーのないくそ暑い部屋で、編集長・拝は
アイスを買いに出かけた部下・ツバサを待っていた…
あじぃ?。
やっぱこう暑い時はクーラーのきいた映画館で映画だよなぁ。
ただいま?!
編集長?、ヤマト貸出中で借りれませんでした(T_T)
どこ寄り道してんだよ。
まぁ練馬はアニメのメッカだからしょうがないんじゃない?
違いますよ。キムタクの方。実写のほうです!
あぁ、宇宙戦艦じゃなくてスペースバトルシップのほうか。
ブルーレイで買ったから貸してあげる。
え?買ったんですか?
またムダ使いばっかりして…
つか劇場でやってた時はぼろくそ言ってたじゃないですか。
そうだっけ?
そりゃもう!
音楽がオリジナルから2曲しか使ってないとか、
はげちゃびんじゃない佐渡先生なんて佐渡先生じゃないとか、
ワープが煙だとか、
ガミラスが「インデペンデンス・デイ」のパクリだ、
逃げてばっかで戦わないとか、
沖田艦長が最初から銅像みたいだとか、
日本以外は無事みたいだとか、
そもそもヤマトの波動砲よりキムタクの波動砲の方が
威力があるのはどういうことだ!
とかなんとかかんとか…(苦笑)
あぁ。でもさ、このブルーレイさ…
しかも高い方じゃん、これ!
それでamazonで7600円くらいだよ。
天下のバ○ダイなら定価14800円はするね。
結構良心的な価格じゃん。
それに、つまんなかったら売っぱらえばいいんだよ。
もう売っちゃうんですか?
ううん。売らない。
高い方にしか入ってない3枚目の特典で
BGMバックに合成が完成していくプロセスとか全部観れるのよ。
俺こういうの大好きでさ。どうせ1回しか見ないけど。
あと、ブルーレイのお決まりのピクチャー・イン・ピクチャーとか
使ってないから、テレビ小さくても困らないし、結構良心的だよ。
まぁ、2枚目の特典が殆ど「キムタク賛歌」なのはいいとして。
じゃ、つまんないわけじゃないんだ?
それがさ、不思議なことに
映画館だと、まじで「なんだよこれ」だったんだけど、
うちで見てると全然イケてるんだよねぇ。
途中までは。
オープニングなんかさ、
光彩が走って、
それが網膜のアップから森雪の顔、
コクピット越しにブラックタイガーの外観って分かって、
大規模な宇宙戦争の真っただ中って一気に見せるんだけど、
そこでお決まりのヤマトのテーマがアレンジでかかってさ、
タイトルが出るところまではかなり凄い。
つーか感動した!
あと、やっぱ、発進シーンだよね。
まさかアニメのひび割れた大地を叩き割って発進するヤマトを
実写(まぁCGだけど)で観れるなんて凄ぇなぁ。
ここもオリジナル・ヤマトの音楽がんがんかかるし。
艦内の音とか、かなり誇張気味なくらい、後ろ右側に声定位みたいに、
サラウンドも派手で分かりやすい。
実に大雑把に面白い。今時の日本映画だよねぇ。
なんだ、結構面白がってんですね(^^)
オリジナル知らなきゃね。
個人の好き嫌いで言うと上映時間の関係もあるんだけど、
悲壮感がないんだよ。
地球がもうやばい、
唯一の希望が第二次大戦で運命を全うできなかったヤマト…
っていう悲壮なロマンみたいなものは全部そぎ落としてる。
にも拘らず、どんどん人は死ぬし、最後は特攻でしょ。
戦争知ってる人とか、伝え聞いてきた人とか、
映画監督でいうとジョン・ミリアスとかペキンパーとかが見たら、
酔った勢いでプロデューサー絞め殺すよね。
要するに、死に場所を探して、廃品回収に耐え続けてきた古代じゃないから。
どっちにしろ、松本零士色も、西崎P色もない全く別の映画。
勘違いして、エメリッヒとかヤン・デボンが撮った映画と思えばいいんだよ。
ストーリーで燃えたきゃ、
ジョン・ウーに制作総指揮と原案やらせて、
マイケル・ベイ監督だと凄いぞ。
地球壊滅からヤマト発進までが第一部で、
イスカンダル到達までが第二部、
イスカンダルから地球帰還までが第三部。
もう、時間あるから皆カッコよく死ぬの。
それこそ「最高に燃える状況」ばっか。
結局辛口意見キターー!(>_<)
いやいや。
せっかく見るんだから楽しまないとね。
オリジナルへの想いとか、先入観とか取っ払うの。
昔映画館に映画見に行った時、そんなこと考えてなかったでしょ。
これは知らない映画なんだ。
そう思ってみると、これはこれでなかなか面白いんだよ。
元はとらねば損である。
他の嫌ってる人はどうか知らんけど、
二度見ると印象が変わる映画、
ぼろくそ言ってスンマセンって映画ってあるんだよ。
せいぜい、ぼろにしときゃよかったです…って懺悔したくなる映画が。
『SPACE BATTLESHIP ヤマト』はそんな映画の一つだと思うよ。
(ディスク情報)
▼SPACE BATTLESHIP ヤマト コレクターズ・エディション 【Blu-ray】 (完全予約限定商品) 定価:¥10.290
*DVD版のスタンダードエディションは¥2625円
BD版は邦画のブルーレイでは高画質な部類に入る。
サラウンドも随所で活躍するが、うるさい音ではない。
特典デイスク2にSFX関連がまとまっているが、音声解説などは一切なく、BGVみたいな感じ。
やや味気ない作りかも
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