捕鯨禁止で家計がホゲー!
とか、のっけから滑りっぱなしで申し訳ありません。
初めまして。殿井です。
9月にはあの「お金と3D技術の無駄」といわれた
「ピラニア3D」公開が控えてますが、まだ試写すらみてないので、
とりあえずピラニアより先に鯨でいこうと思います…
といっても、巨大クジラVS巨大イカとかじゃありません。
現在全国順次公開中(8月16日にはDVDリリース)の
アイスランド初のスラッシャー・ムービー、
『レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー』(09)です!
世界三大捕鯨国というお国柄を反映し、
捕鯨禁止で職を失った捕鯨一家が
ホエール・ウォッチング客をまさかの血祭りにあげていく
というぶっ飛んだ設定のこの作品。
監督はフレドリック・トール・フリドリクソン監督の『春にして君を想う』(91)等に編集として参加していたジュリアス・ケンプ、
脚本がビョークの歌曲の作詞なども手がけているシオン・シガードソンと、
一見ホラーとは縁遠そうなメイン・スタッフによる本作ですが、
原題カタカナ表記邦題からも一目瞭然、
『悪魔のいけにえ』(74・原題“THE TEXAS CHAIN SAW MASSACRE”)等の
先達へのリスペクトがあふれているんですね。
その正当なオマージュぶりの証左として、
『悪魔のいけにえ』の人間屠殺一家の最凶殺人鬼“レザーフェイス”役で知られるガンナー・ハンセン(彼はアイスランド出身だそうだ)が、ホエール・ウォッチング船の船長役でゲスト出演。
虐殺ならぬ乗客のマサカの悪フザケの巻き添えで
『オーメン』(76)の神父様状態の串刺し死を遂げるのもポイントです。
スラッシャー場面はデジタル処理されたものが多く、
その流血描写には粘度や湿り気にはいささか欠けるきらいはあるものの、
喉掻っ捌きや首チョンパといった一般的(?)な殺害法はもとより、
海に飛び込み泳いで逃げた男を、船首の捕鯨砲で一撃必殺に射抜いてみせたりといった捕鯨一家ならではの大技も披露してくれて楽しいです。
ところで、本作にはもう一つの見所があります。
それは、成金日本人夫婦、マッチョな黒人に色目を使うオバタリアン軍団、酔っ払い悪ふざけフランス人などなどなど、
「お前らみんな、早く死ね」と思わず殺人捕鯨一家側にたってしまう
ろくでなし揃いのキャラの中で唯一毛色が異なっていて目を引く
成金夫婦のメイド(秘書?)のエンドウ。
これを演じているのが、
近年海外へと拠点を移し活躍中のNaeこと裕木奈江なんですね。
本作の奈江は、実は決して善人ではありません。
むしろ、俗物な観光客や捕鯨一家よりも性質が悪いかも。
登場そうそうは仕事はそつなくこなしながらも、
自分に自信が持てず、横暴な成金主人のいうがままという
いかにも線の細い印象だが、
大虐殺に巻き込まれると
そこでまさかの本性を発揮し表情も変わってくる奈江!
ここではその詳細を記すのは控えますが、
絶対の危機を最高のチャンスへと変え、
飽くなきサヴァイバルへと突き進む奈江
の姿には、まさに溜飲が下がる思いでした。
次回はそんなホラーファンの注目を浴びる存在になった
裕木奈江/Naeについて更に語ってみたいと思います。
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