(オマケ1)最初は使う気なかった?エンドロール主題歌
庵野さんと話した時ね、
「テレビの主題歌は使うの?」って聞いたら
「使わない」って言ってたんだよ。
えー。バリバリ使ってるじゃないすか。
そうだよね。最初は使うつもりなかったんだろうね。
でも編集でフィルムつないで、スタッフロールぐらいの作業の段階で、別に受け狙いじゃなくて、やっぱ愛着もあるから使ってみたくなったんじゃない?
聞かれた時点では考えてなかったんだけどって。
そういう事って(映画作りでは)よくあることなんですよ。
でもあの3曲は最高だったな。
あるかないかで全然違う。
特にロンリー仮面ライダー(笑)
しかもイントロ無しで急に始まるテレビ版っていう(笑)
さっき話に出たキルビルも同じような感じでしたよね。
あれもエンドロールで日本の歌が流れます。
『修羅雪姫』(1973)で梶芽衣子が歌う曲「修羅の花」か。
あれであっちの観客は「うおお!」ってなるみたい(笑)
伊藤俊也監督作詞の『女囚さそり』(1972)のテーマも流れてなかったっけ。
「恨み節」流れてましたね。
タランティーノ監督は、『女囚さそり』『修羅雪姫』の梶芽衣子の大ファンですもん(笑)
『キル・ビル』は梶芽衣子へのオマージュで生まれた作品。
『シン・仮面ライダー』も同じタイプの愛情から生まれたような気がします。
(オマケ2)仮面ライダーと「デビルマン」
あと話飛ぶけど、永井豪さんもすごい作家だよね。
デビルマンとか本当にすごいですよ。僕らの青春ですよ。
石ノ森先生のお弟子さんですよね。アシスタントやられてたし。
デビルマンって、仮面ライダーの先を描いていると思うんですよね。
仮面ライダーがどんだけ人のために戦っても
それって褒められるのかどうか?
っていうところに突っ込んでいって、
実は、敵は人の中にいるぞ!って
ぐちゃぐちゃになっていって。
最終的に、デビルマンが人の醜さを見て
「俺が守りたかったものはこんな人間だったのか」
って絶望する。
石ノ森先生が「仮面ライダー」で描いたその先があるっていう。
改めて考えると、凄いですね。
石ノ森先生も永井先生も、お互いがお互いを影響しあって
相乗効果なんでしょうね。
(オマケ3)井上敏樹さんの言葉
井上敏樹さんって方がいらっしゃるじゃない。
はい。脚本家の。
そう。
彼から「『シン・仮面ライダー』」についてではないんだけど、庵野監督の映画について、とある事を言われたことがあってね。
「こういう所が俺はついていけなかった」
みたいな事を言っていたんだけど、その指摘が井上さん特有のなんとも刺激的なもんでね(笑)
井上さんは具体的にはなんと仰ってたんですか?
それは次回の話にしてください(一同笑)
でも、作家だからやっぱり作品を見る目が厳しいんですよ。
言葉にカミソリを持っているのが作家だから。
その言葉だけ聞いたら
「じゃあ、お前庵野より有能なのか」
とか言われちゃうような事言ってましたね。
でもしょうがないんですよ。
自分が一番じゃないとやっていけないのが作家だから。
別に庵野さんに嫉妬してるわけでもないし、嫌味とか、皮肉とかで言ってるわけでもなくてね。
(庵野監督の事も)作家としてもちゃんと認めてると思いますよ。
井上さんは前に「仮面ライダーFIRST」と「NEXT」で同じような初代仮面ライダーのリメイク(脚本)を手がけられてるから、余計思う所もあるかもしれませんね。
それでね、その後「仮面ライダークウガ」を見たんだ。
最初の平成ライダーですね。井上さんも脚本で関わってらした。
あれは新しかった。
過去の昭和の仮面ライダーとは違う、いかに新しい仮面ライダーをやろうとしたか。見て改めて分かった。
それを井上さんに伝えたら、後で
「山田さん、ありがとうございます」
とお礼の連絡があったね。
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