60年代生まれ・編集部 Tksさんの感想
ありがとうございました。
では次に特ゼロ編集部のTさんはどうでしたか?
面白かったですよ。
2回見ましたけど2回目の方がより面白かった。
今回の『シン・仮面ライダー』欠点は多々あると思うんですよ。
まずお話的にみると、今回の映画は『シン・ウルトラマン』と一緒で、映画というよりか、テレビドラマの総集編みたいじゃないですか。
『クモ男編』『コウモリ男編』それから『ハチ女編』という感じで、テレビ的な短い話が繋がる総集編みたいな作りになってる。
単行本で漫画一気読みしてるみたいな(笑)
そうそう。
これは元々庵野監督が、テレビドラマとしての『仮面ライダー』が大好きでそれをオマージュしてるんだろうから、それはもうしょうがないのかなと。
ただ、そこら辺が映画的には『シン・ウルトラマン』と同じで、多少破綻してるなという気はします。
あくまで人間臭い『仮面ライダー』
でもそれでも「好きだ」と思える理由は、庵野さんの尖がった主張をすごく感じるんですよね。
というのは?
去年の年末に『仮面ライダーギーツ&リバイス』の映画を見たんですよ。
映像的にもよく出来てて凄いんですけど、個人的には見てて、今一つ心に来るものがなかった。
僕が最近の令和ライダーに余りはまってないのもあるんでしょうけど、ちゃんと作ってて、面白い事は面白いんだけど、想像の域を超えてこない。
よく出来てるけど、オーソドックスすぎるような気がするんですよね。
その点今回の『シン・仮面ライダー』はすごい偏ってる。
けど庵野監督の尖った好みみたいなものがビンビン伝わってきた。
確かに。
あの人、多分『仮面ライダー』の人間臭さが大好きなのかな?
『ウルトラマン』は要するに”神”じゃないですか。
それに比べたら『仮面ライダー』って”人”。弱い人間。
特に初期のライダーとかそうじゃないですか。
改造人間になって悩み苦しむしいろんな葛藤があって。
そこが大好きというのがあって、それに従って全部組み立てられてる。
だからあのチョウオーグとの『ラストバトル』も
例のドキュメンタリーのせいで、庵野さんがすごい怒って、アクション監督と喧嘩したとか、ネットで話題になってましたけど。
庵野さんのやりたいことは多分
「超人じゃなくて、あくまでも人間なんだから、死ぬぐらいのエネルギーを出して戦ったら、当然ヨレヨレになる。
だからボロボロになって組み合って、無様な感じでそれでも戦う。
それをやりたい」
っていうのはすごくわかるんですよね。
なるほどね。
ああいうかっこ悪い、スマートじゃないバトルって
今までのライダーには確かになかったですね。
ラフでずさんな造形へのこだわり
ライダーの造形も、後ろ髪がマスクからはみ出してたり。
下手すると喉が全部見えてたりとか。
手作りみたいな感じじゃないですか。
ベルトなんかも服の上から着てたりね。
あれも今だと、隙間ないぐらいに造形でピチッと造りこむのが本流だと思うんですけど、そうじゃない。
昭和の頃と同じ、ある意味ずさんとも思える造形をわざとなぞってる。
あくまでも仮面ライダーは人間なんだから、
人間臭い、大雑把でラフな部分をわざと残すと。
そんな所に全編めっちゃこだわってますよね。
そういう偏ったこだわりが一番好きですね。
でもこれは好き嫌いが凄く出ると思うんですよ。
だから、あくまでヒーロー物として、今風のカッコいいスタイリッシュなライダーを望んでた人は多分「なんじゃこれ?」になると思うし。
だから評価が分かれてるのは凄くよく分かります。
僕的には個人的にすごい大好きな作品ですね。
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