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遂に完成!! 怪獣映画『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』

『Legend of The Monster Maker~怪獣造形王~ 大阪降臨レポート』(その1)
   

浅尾典彦(夢人塔代表・作家・治療家)

●映画『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』世界初上映!

 今年もパワーあふれる世界の映画たちの登竜門となっている『大阪アジアン映画祭2024』が開催された(2024/3/1~3/10)

 その中でひときわ異彩を放つ特撮映画が特別招待作品として世界初上映された。
 それが、特撮・怪獣映画『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』である。

 『カミノフデ』は、日本が世界に誇る ”怪獣造形界のレジェンド“ 村瀬継蔵(88歳)が初めて総監督を務めた作品である。

 ゴジラ・ガメラ・大魔神・モスラ・キングギドラ・バランなど誰しもが知る、昭和の特撮怪獣作品から始まり、テレビ特撮番組、そして平成ゴジラシリーズなど、現在までずっと我々に怪獣・怪人たちの勇姿を見せてくれ続けた村瀬の「怪獣愛」に満ち溢れた、ファン感涙の大特撮映画なのだ!!

●ストーリー

 特殊美術造形家・時宮健三が亡くなった。

 祖父・健三の仕事にあまり良い思い出がなかった孫のあかりは、複雑な心境で「ファン向けのお別れ会」の展示を訪れていた。そこには同級生で特撮ファンの卓也の姿もあった。

あかりと卓也は、そこで穂積と名乗る謎の男と出会う。

 穂積は時宮が生前作ろうとした映画『神の筆』に出演する予定だったと言って、作品のプロットなど当時の資料を見せた。祖父が映画を作ろうとしていたことを初めて知ったあかりたち。


 穂積は、鞄から『神の筆』の小道具である筆を取り出し、それを手に持って「世界の破滅を防いでください」と二人に語る。

 その言葉が終わるやいなや、あかりと卓也は突然不思議な光に包み込まれてしまった。

 二人が気づくと観たことのない島。なんと映画『神の筆』の世界に入り込んでいたのだ。

 そして、映画のシナリオには登場しないはずの、巨大な怪獣”ヤマタノオロチ”がこの世界のすべてを破壊し尽くそうとしている光景を目の当たりにする。

 自分たちが元の世界に戻るため、そして祖父が築いたこの映画の世界を守るため、二人は映画『神の筆』の秘密に迫っていくのだが……。

●見どころ

 何といっても”ヤマタノオロチ“の造形と操演(そうえん)が素晴らしい。ヤマタノオロチのデザインは西川伸司、造形制作は村瀬監修のもと、フリースが担当。

 脚本は中沢健で、大人も子供も楽しめる”ファンタスティックな絵本”のような楽しい怪獣特撮作品に仕上がっている。

 そして主題歌は、なんとDREAMS COME TRUEが新曲 「Kaiju」(DCTrecords/UNIVERSAL SIGMA)を書き下ろした。

 出演は、鈴木梨央、楢原嵩琉、町田政則、馬越琢己、吉田羽花、樋口真嗣、笠井信輔、春日勇斗、釈由美子、斎藤 工、佐野史郎も加わり豪華なメンバー。

 今から50年前に企画されたプロットを昭和、平成、令和の著名特撮映画スタッフたちが集結して”怪獣造形家レジェンド”の長年の夢を実現した。

 総監督の村瀬は、長年の仕事が評価され、第47回日本アカデミー賞の「協会特別賞」を受賞している。

●”怪獣造形王” 大阪に降臨!

 3月2日(土)に催された『大阪アジアン映画祭2024』(シネリーブル梅田)でのたった一回のプレミア上映では、村瀬継蔵監督とプロデューサー・特撮監督の佐藤大介が舞台あいさつに登場。

 始終和やかなムードで、怪獣ファンで埋め尽くされた満席の会場に向かって、映画の解説と共に監督の素晴らしい歴史の一部が紐解かれた。
 貴重な『日本誕生』や『北京原人の逆襲』の制作裏話なども披露され、ファンにはたまらない至福のひと時だった。
 また、本作に登場した”ヤマタノオロチ”のヘッドも大阪では初お披露目された。もの凄いディテールに驚かされる。

 そしてトークの後はサイン会。村瀬監督は長蛇の列に一人ひとり笑顔で話しながら、元気にサインをしておられた。

 映画『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』は今年夏に全国劇場公開が決定。
『特撮ゼロweb』では、それまで引き続き『カミノフデ』全力応援で、情報いろいろ発信していきますので、お楽しみに!

ⓒ2024 映画「カミノフデ」製作委員会

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この記事を書いた人

SF、ファンタジー、ホラー、アニメなど“サブカルチャー系”映像世界とその周辺をこよなく愛し、それらを”文化”として昇華するため”の活動を関西で続けるFantastic Messenger夢人塔(むじんとう)の代表。1970年代より活動を開始。映画コレクター、自主映画、同人誌を経てプロライターへ。新聞・雑誌への掲載、映画会社の宣伝企画、DVDなどの協力、テレビ・ラジオの出演・製作、イベント・講演、専門学校講師、各種企画などグローバルな活動を続けている。
著書は『アニメ・特撮・SF・映画メディア読本』『ライトノベル作家のつくりかた』シリーズ、『アリス・イン・クラシックス』、『幻想映画ヒロイン大図鑑』他、青心社のクトゥルー・アンソロジーシリーズで短編を書く。雑誌「ナイト・アンド・クォータリー」「トーキング・ヘッズ」に連載。映画は『龍宮之使』、『新釈神鳴』、『ぐるぐるゴー』、『おまじない』などを企画製作。最近は「もののけ狂言(類)」と題して、新作の”幻想狂言”を発表している。また、阪急豊中で約半世紀の歴史を持つ治療家でもある。
夢人塔サイト http://mujintou.jp/

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