浅尾典彦(夢人塔代表・作家・治療家)
※ネタバレに言及しているところもあるので、映画をごらんになってからお読みになることをお勧めします。
日本でも好評価の『エイリアン:ロムルス』だが今度はIMAXの売り上げが約53億円と、ホラー映画ジャンルでのIMAX最高の成績記録を樹立した。
これは
・作品の知名度
・画面クオリティの高さ
・IMAX効果が生かされた演出など
などの要因が考えられるが、もちろん作品に力があるからだ。
そこで3回目の今回は『エイリアン:ロムルス』の魅力について、さらに深堀り。
9つのポイントに分けて考えてみたい。
①オール・イン・ワンの楽しさ
初期にも書いたが『エイリアン:ロムルス』は、シリーズのファンにとって”オール・イン・ワン“な映画だ。
『エイリアン』シリーズのみならず、『プロメテウス』や『エイリアン:コヴェナント』ひいてはゲームシリーズなども含めた作品群の中で、印象に残る効果的なシーンやセリフ、状況や設定をできる限り取り込んで完成させてある。
以前ヒットした作品の続きやリメイク(リ・イマジネーション)を作る場合、すでにファンの固定客がいるし、設定が固まっているので一見楽そうに見られるが、実はハードルが高い。
ファンにはすでに固定観念が付いているので「あんなの違う」「前の方がよかった」と言われることが多いのだ。
古いファンを納得させながら、前知識のない初めての観客を喜ばせるというのは大変である。
その点、『エイリアン:ロムルス』はこの作品から見初めても面白くエキサイティングに仕上がっているし、シリーズを見続けている往年のファンが「見たい」と思っている
”変態しながら人間に襲いかかってくる”恐いシーン、
“主人公たちが生き残りをかけて必死で応戦する”カッコイイシーンもちゃんと踏襲されて入っている。
そして新たな情報も。
これは最初に新作案を立ち上げ、最初の『エイリアン』 の監督であるリドリー・スコットに企画を持ち込んだ監督・脚本のフェデ・アルバレスの持つセンスであり、彼自身が『エイリアン』のファンだったことに起因するものだ。
リドリーは企画を気に入り、今回は製作の方にまわって作品を支えた。
クレジットには、原作としてダン・オバノン(キャラクター創作)、ロナルド・シャセット(キャラクター創作)の名もあり、愛すべきクリーチャーの生みの親H・R・ギーガー(ハンツ・ルイディ・ギーガー)にもちゃんとリスペクトがある。
過去作品に対する尊敬が結晶した上に立つ作品が『エイリアン:ロムルス』なのである。
②主人公はみんな素人の若者
今回の『エイリアン:ロムルス』その特徴の一つに、主人公たち人間側(アンドロイドもいるが)は”全て素人の若者”であるというポイントがある。
かつて『エイリアン』に向き合ってきたエレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)は訓練を受けた二等航海士・通信士であった。
今回は、地球から65後光年離れたジャクソン星にあるウェイランド・ユタニ社の持つ劣悪な採掘現場で働き続け、将来の夢を失った普通の若者たちだ。
主人公のレイン・キャラダイン(ケイリー・スピーニー)も元カレのタイラー(アーチー・ルノー)も、タイラーのいとこビヨン(スパイク・ファーン)もナヴァロ(エイリーン・ウー)もジャクソン星の採掘場で働いている。
タイラーの妹ケイ(イザベラ・メルセード)は妊娠中。
アンディ(デヴィッド・ジョンソン)はレインの義理の弟だがウェイランド・ユタニ社製のアンドロイドをレインの父親がプログラムを改造して作り上げたものだった。
プロの航海士でも知識豊富な科学者でも軍人でもない。
普通の若い者たちの冒険。観客にも共感しやすい設定である。
このメンバーが大人たちの作り上げた劣悪なシステムからドロップアウトし、噂に聞いた”希望の星”ユバーガー星に向かうため、ある物を輸送してジャクソン星に着陸していたコーベラン号を盗み出してこれにみんなで乗り込んで脱出を図るのである。
コーベラン号は宇宙作業用トラクター程度なのでナヴァロにも簡単に操縦できる。
ただし、ユバーガー星に行くにはバッテリーが9年分いる。
3.2年分しか搭載していなかったので、途中、廃墟の宇宙ステーション通称ロムルス(ルネサンス号)に立ち寄る事となったのだ。
③”ロムルス”とは?
ロムルスとは何か?
ロムルス(ロームルス)Romulusは”ローマ建国の父”と呼ばれ、双子の弟であるレムスと共に狼に育てられたという伝説の男。
アルバ・ロンガ国の王アムーリウスの姪シルウィアは双子の私生児を生んだが、アムーリウスの命令で泣く泣く生きたまま川に流したのをオオカミが拾って育てたのだ。
後に双子は羊飼いの手に渡り、ロムルスとレムスと名付け育てられた。
二人が18歳になった時、土地をめぐってヌミトルと争うことになるがヌミトルが双子の実の祖父と分かり、アムーリウス王により二人が捨てられた出生の秘密を知ったロムルスとレムスの兄弟は、祖父と共闘して、アムーリウス王に戦いを挑み遂には殺してしまう。
そして幽閉されていた実母シルウィアを開放する。
祖父ヌミトルはアルバ・ロンガの王となる。
ところが、その後ロムルスとレムスの覇権争いとなり、殺し合いの末、生き残ったロムルスが王座を継ぐ事となり、ロムルスにちなんで首都をローマと名付けローマ帝国を建国したという。
この映画の中では、廃墟となった宇宙ステーション・ルネサンス号の愛称であり、の中にある二つのラボ(研究施設)はロムルスとレムスという。
ウェイランド・ユタニ社はそこでエイリアン(ゼノモーフ)の遺伝子を使った研究を行っていたのだ。
入り口の壁にロムルスをイメージさせるアートがあり、ドアには『カピトリヌスの雌狼』(狼の乳を飲むロムルスとレムス)モニュメントもある。
ローマ建国の血の歴史を何故ステーションやラボ名の前に使ったのか?
クラシックなイタリアのモニュメントをわざわざモチーフとして採用したのは何故なのか?
フェデ・アルバレス監督はこう言っている。
「レインとアンディ、タイラーとケイなど登場人物の多くは、文字どおり兄弟姉妹だったり、あるいはそう言ってもいいような関係性を築いている。本作はレインとアンディの成長物語でもある。だからこのタイトルにしたんだ」
その意味を深く考えると、より面白くなる。
④クラシックイメージを大切に
『エイリアン:ロムルス』の舞台は2142年。
2122年の『エイリアン』事件から20年後、2179年の『エイリアン2』戦いの37年前の話という設定だ。
映画の冒頭は、リプリーによってノストロモ号から宇宙空間に廃棄されたエイリアンの回収シーンから始まる。最初の『エイリアン』との繋がりを生かすため、美術・セット・小道具類のデザインは当時のクラシックイメージを踏襲している。
宇宙船内のセットに組まれた機材は、液晶ではなく全てブラウン管の画面、操作はタッチパネルではなくてボタン式である。
『エイリアン』『エイリアン2』にも関わった装飾のスザンナ・シポシュによるものだ。
監督の意向でCGに頼らず、出来るだけ実物やミニチュア・特殊メイクの技術で造形物を実制作しそれを撮影した。
SFXと呼ばれていた1970-80年代の特殊効果のやり方である。
チェストバスターは、造り物のナヴァロの胴体を突き破ってパペットが飛び出す。
アレック・ギリスが担当した。
フェイスハガーは大活躍。
走る、泳ぐ、飛ぶなど、かつてないアクティブさと大集団でレインたちに襲いかかって来る。
タイラー・ペイジほかWETAワークショップのメンバーがこれを請け負い、操演、棒使人形、ラジコン操作、アアニマトロニクス、時には手で俳優に投げつけるなどあらゆる効果を駆使して表現している。
成体エイリアンであるゼノモーフはレガシー・エフェクツ社のシェイマン・マハンのチームだ。
フェデ・アルバレス監督のダメ出しで何度も造り直し、最終的にアニマトロニクスで動く腰の括れた等身大、棒使いで動かすパペットタイプ、役者が入るスーツ2体の4体がシーンによって使い分けられている。
手で操作する部分は「文楽」の応用もある。
もちろん新しいイメージのものもある。
ナヴァロが使うX線懐中電灯は効果的に恐怖シーンを演出した良いギミックだった。
小道具担当のイシュトヴァン・マートの仕事である。
⑤進化し続けるエイリアン
『エイリアン』の恐ろしさは、何といってもクリーチャーの異様さにある。
変形しながら襲いかかってくる宇宙怪物で、殺そうと血を流すとその酸で付着したものを全て溶かしてしまう。全く始末に負えないものである。
H.G.ギーガーのデザインからスタートしたこの宇宙生命体は、状況に応じて形態変化し、寄生し宿主の要素を取り込んだり、環境やDNA操作でも変化をきたす。
古代異星人エンジニアたちが、無敵の生物を造ったとされている。
成長過程で卵から孵化までを「エイリアンエッグ(オヴェモーフス)」「フェイスハガー」、寄生した後を「チェストバスター」、成体を「ゼノモーフ」または「エイリアン」と呼ぶ。
成体を「ゼノモーフ」と呼ぶようになったのは『エイリアン2』のウォリアーからで、初代『エイリアン』では「ビッグチャップ」(大きな額)と呼ばれていた。
因みに長い頭の上半分がクリアパーツで覆われていることが多いが、顔面部に人間の頭蓋骨がそのまま埋め込まれているのはビッグチャップのみである。
成体は作品によっていろいろなネーミングがあり、『エイリアン』シリーズの時系列で云うと
『プロメテウス』ではディーコン、
『エイリアン:コヴェナント』ではプロトモーフ、
『エイリアン』のビッグチャップ、
『エイリアン:ロムルス』のゼノモーフ、
『エイリアン2』ではウォーリアー(ゼノモーフ)とエイリアン・クィーン、
『エイリアン3』においてはドッグエイリアン、
『エイリアン4』のニューボーンなどである。
そして、今回『エイリアン:ロムルス』で我々は新たな事実を知ることになる。
前回放り出されたエイリアン(ゼノモーフ)は、自分の周りに鉱物質の物質を付着させ、20年間、繭(まゆ)となって生き残っていたのだ。
空気もない真空の宇宙空間で!
⑥アンドロイドは敵か味方か?
アンディはレインの義弟だが、アンディの父親が拾ってきて改造して作ったアンドロイドである。
元々はウェイランド・ユタニ社のND-255。植民地惑星開拓のために開発された古いモデルであり、動作不良が多く、アンディもしばしばレインによって回復される。
アンディは義姉のそばにいて心を添わせ「レインを守る」ようにプログラムされているが、優しく人間に暴力を振るわれてもなすがままである。
最初は、逆にアンディが守られているような印象を受ける。
下手なダジャレをいうのが得意で、将来は馬を飼いたいという夢がある。
気弱で自信が持てないキャラクターだが、必要に迫られデータをアップデートした事により、性格が一変し目的のために他者の命を見捨てるという非情でかつ的確な判断をするキャラクターに変貌する。
つまりアンドロイドは”命令”如何で敵にも味方にもなる道具として描かれている。
これはテクノロジーの扱い方に対するひとつの警告を示すもので、キャラクターの二重人格的構造は『太陽の王子ホルスの大冒険』のヒルダに近いものあり、リモコンを奪われた「鉄人28号」と同様なのである。
アンディは『エイリアン』シリーズ唯一の黒人型アンドロイドで、本来、理論的で、気が強く、高圧的、攻撃的なアンドロイドが多い中で、ゆれる性格を持たせたのは面白い作り込みだと思う。
また黒人キャラが添え物でなく準主役のキーパーソンである状況もまた”今”のアメリカの世相を反映していると云えよう。
前半と後半で、またディスク型チップの内容により性格や表情が変わってゆく演技の使い分けは興味深い。
演じたのは英国の黒人俳優、デヴィッド・ジョンソン。
『ライ・レーン』やテレビドラマ「ディープ・ステート」に出演し注目を集めた。
本作で評価を高め、次回作はスティーブン・キング原作『死のロングウォーク』の映画化に抜擢されている。
さて、アンディの性格が変貌するのは、研究施設ロムルス内に残されていたアンドロイドの残骸のチップ(ディスク型)でモジュールを更新したことによる。
ウェイランド・ユタニ社の指示が第一目的に書き替えられたのだが、そのアンドロイドが「アッシュ」と同じ容姿だった。
この映画で実は一番驚いた(そして喜んだ)シーンだったのだが、このアンドロイド、アッシュではなくて「ルーク」という名の科学士官。
奇しくも『スター・ウォーズ』(1977年)の主人公と同じ名前なのだ。
アッシュは映画『エイリアン』(1979年)のノストロモ号の科学士官として搭乗していたが、実はウェイランド・ユタニ社の「LV-426で確保したエイリアンの生命体を地球に連れ帰る」という秘密のミッションを受けていたハイパーダイン・システムズ120-A/2 のアンドロイドであった。
途中、人造人間だとばれて暴走したため、仲間に真っ二つに引き裂かれ上半身だけでドラマが展開してゆくのも魅力。
イギリスの名優イアン・ホルムが口から牛乳を出しながら迫真の演技を見せた。
今回登場するルークはアッシュではないが、外見そのままで司令内容やデータもアッシュのそれを受け継いでいる。
ルークのモジュールをアンディにコピーしたことからルークの指揮下に置かれ、第一条件を「レインを守る」から「人間ではなくエイリアンのDNAの保護を最優先とする」というウェイランド・ユタニ社の司令に切り替えてしまい仲間を危険な状況に置くことになる。
アンドロイドのルークは、イアン・ホルムの姿を本作に再現したが、イアン自身が2020年6月に死去しているので演じてもらえない。
そこでネルソン・セプルベダ=フォウザーがILMのスタッフと協力し合い、生前の動画を取り込みながらCGでパペットを造った。
それを別の役者の動きに連動し、更にセットの現場で撮影されたダミー・パペットに合成するという手の込んだ作業で完成した。
異様なイメージと本物以上にホンモノのルークはロボットの持つ「不気味の谷(リアルにすればするほど気味悪くなる感覚)」を良く表現していた。
『エイリアン』シリーズには他にも多くのアンドロイドが登場する。
『エイリアン2』には人間に対して忠実なビショップ、
『エイリアン4』(1997年)は女性型アンドロイドのコール、
『プロメテウス』(2012年)と『エイリアン: コヴェナント』(2017年)にはエイリアンを改造進化に関与するデヴィッドなどが登場する。
今回のアンディが敵か味方かが、ストーリーの大きな鍵となってゆくのである。
⑦ゲーム的プロット
『エイリアン:ロムルス』の監督・脚本のフェデ・アルバレスはウルグアイ出身の映画人。
サム・ライミ監督が創造し、世に”スプラッター・ムービーブーム”を巻き起こした『死霊のはらわた』のリメイク版でデビューし国際的に評価される。
そして『ドント・プリーズ』のシリーズでトップセールスの監督として知られるように。低予算の監督からのスタートであるが、『死霊のはらわた』も『ドント・プリーズ』も”閉鎖空間で若者が襲われる作品”。
逃げられない宇宙ステーションの空間で若者がひとり、またひとりと襲われる『エイリアン』のコンセプトにはまさに打ってつけの人材である。
『エイリアン:ロムルス』の事を”宇宙版『ドント・プリーズ』”と呼んだ人がいたが言い得て妙である。
『エイリアン』シリーズの大ファンであったフェデ・アルバレス監督は『エイリアン』と『エイリアン2』の間の出来事として『エイリアン:ロムルス』を描き、シリーズの良さを取り込みつつ、宇宙ステーション内の部屋を移動しながら、次々新たな展開が目まぐるしく起こる”ゲーム的なストーリー”に仕上げていった。
”お化け屋敷形式”とも呼ばれる畳みかけ構成だが、今風の作りであろう。
また新鮮だったのは、メンバーの戦い方が一般客にもわかりやすい戦略。
前述のとおりメンバーはみんな素人なので軍人のような難しい戦略は立てられない。
銃火器類は出てくるが、エイリアンたちには温度変化と重力バランスで戦う。
上手く考えたシナリオである。
⑧ウェイランド・湯谷(ユタニ)の野望
前回、会社名を「ウェイランド・湯谷」とわざと漢字で書いたのだが、それは日本企業である事を再意識させるためである。
この映画での正式名称は「ウェイランド・ユタニ社」Weyland-Yutani Corporation。
1970年代中盤から1980年代。
この頃の日本は高度成長時代を経て”バブル”絶頂の時代を迎えるのだが、一方アメリカは「双子の赤字」を抱えて苦しんでいた。
そこへドル高による影響で、日本から車、テレビ、ビデオなど高い電子技術で作った電化製品が安く流れ込んだ。
アメリカ市場を狙った「集中豪雨的輸出」と呼ばれ、結果アメリカ製品の国内需要が伸び悩み、日本製品不買運動など、アメリカ人共通の意識として日本企業を”敵”とみなす「ジャパン・バッシング」が始まった。
少し後で大ヒットした映画『ダイハード』の舞台は、日系企業ナカトミ商事の所有する「ナカトミ・ビル」で、人質は中のアメリカ人だった。
『エイリアン』シリーズのウェイランド・ユタニ社も日本系企業である。
『エイリアン』が作られた1978年はまさにテクノロジー系日本企業の恐怖にアメリカがおびえていた時期である。
当時の世相を反映して日本に対する暗いイメージが投影されて当然である。
シリーズ設定の時系列で説明すると、後になってリドリー・スコット監督が作った前日譚『プロメテウス』(2089年の設定)と『エイリアン:コヴェナント』(21世紀末と2104年の出来事)では、会社名は“ウェイランド・インダストリー”。
『エイリアン』(2122年)からは“ウェイランド・ユタニ社”となっている。
これについてリドリー・スコットは、『プロメテウス』の取材で「創始者ピーター・ウェイランドの死後、ウェイランド社の役員が日本のテクノロジー企業・湯谷社と合併したのだ」と説明している。
日本企業なので元々の湯谷が漢字なのだ。
ウェイランド・ユタニ社の主な目的は、当然、利益追求と企業拡大である。
植民地事務局でレイン・キャラダインの年季奉公の年限を勝手に書き換えて労働搾取をしたり、レインの両親が採掘現場の事故で死んだが、単に労働力の減少としか考えていない。
企業の経済優先で倫理的な事や個人の信条などは後回しにする。
立派な「ブラック企業」である。
では、ウェイランド・ユタニ社とは何をしている会社なのか?
●宇宙開発
宇宙船や宇宙ステーション、基地や研究所などなど、人間が地球外で生命活動するのに適した状況を準備。
●植民地開拓(テラフォーミング)
幾つかの惑星を人類が住める環境に改造し、植民地を設立し移住させる。
●資源採掘
ジャクソン星などで資源採掘を行い、地球外資源を有効利用する。
●アンドロイドの製造
人間に使役するアンドロイド(人型ロボット)を製造・販売する。
●エイリアンの研究と利用
エイリアンの特殊能力を敵対勢力に対する生物兵器として軍事利用する。
エイリアンの生態や能力を研究し、その知識を新たな兵器や技術の開発に応用しようとする研究。
●遺伝子操作の実験
エイリアンのDNAを操作、または他の生物のDNAと組み合わせることで、新たな特性を持つ新種の生命体の創造する研究と実験。
遺伝子操作によってエイリアンの攻撃力や防御力をさらに強化するための研究。
●医療や科学研究への応用
エイリアンの再生能力や耐久性を研究し、それを人間の医療や科学技術に応用する試み。
倫理的な問題は別としてウェイランド・ユタニ社は「人間のさらなる進化」を一つの目標としているように思える。
それは自分たちがエイリアンの特性を取り込み、「あらゆる環境で生きていける強度を持った人間に進化すること」だと考えられていた。
しかし、『エイリアン:ロムルス』で新たな事実が判明する。
エイリアンの遺伝子操作と人間の融合の目的は「過酷な環境でも死なない労働力の確保」だったのである。
⑨最後に小ネタなど
『エイリアン』と『エイリアン2』のリスペクトと新たなる展開で描かれた『エイリアン:ロムルス』。
主人公の成長物語をリアルに撮影するため時系列(ストーリーの順番に撮影する手法)で撮られたという。
世界中で評価され、多くのファンに楽しみを与えた一流エンタテインメント作品に仕上がった。
小ネタとしては
・最初の姉弟のシーンに『エイリアン』と同じ水飲み鳥(平和の鳥)のインテリアが置いてある。
・『エイリアン』の時に出て来たウェイランド・ユタニ社の懐中電灯が出てくる。
・ナヴァロが作業服を脱ぐとアロハだが『エイリアン』を踏襲している。
・『ブレードランナー』を意識したオリガミのシーンが何度か出てくる。
・チェストバスターには後期のシリーズのような手が少し動く。
等など、探してみるとたくさんある。
観れば見るほど新しい発見があるのだが、もし、本作に贅沢な要求をするとしたら、ストーリー上に緩急をつけるために、一旦は事件が収束したかのように安心感が感じられる(例えば『エイリアン』でみんなが笑いながらゆっくり食事するような)シーンがあればより良かったと思う。
後、遊泳するネズミだけではなく、シリーズで大切なキャラクターのネコも出して欲しかった。
ともあれ、とても楽しい娯楽作品なので、是非劇場に足を運んでご覧いただきたい一本なのである。
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