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『エイリアン:ロムルス』②恐怖の生命体、大阪を寄生!MX4D試写会レビュー

浅尾典彦(夢人塔代表・作家・治療家)

●全米で大成功、そして

 8月16日から全世界で公開中の『エイリアン:ロムルス』。

 2024年8月30日~2024年9月1日の全米映画ランキングによれば、公開3週目も2位にランクされ、興行収入8,880万ドル(約130億5,715万円)で、過去のシリーズ『プロメテウス』(2012)に次ぐ好成績。

 1位は『デッドプール&ウルヴァリン』で共にディズニーの作品で、大成功といえよう。

 また、中国での公開も好評で現時点の総興行収入は6億6,100万人民元でドル換算すると9,310万ドル、日本円で約136億6,323万円となる。

 世界の興行収入は、2024年9月現在、累計で2億8,350万ドル(約416億円)となっている。

●日本でも試写会が騒然!

 日本でも9月6日(金)より全国劇場にて公開され大ヒットの兆しだが、公開直前には、一般のファンの眼に届くオファシャルの完成披露試写会が催された。

 東京での試写会は公開直前の5日、研ナオコがエイリアンの最終形態”ゼノモーフ”姿で登場し会場を沸かせたとの事だが、大阪でのオファシャルはそれより早く9月4日、なんばTOHOにて「イベント付MX4D試写会」で催された。

 こちらはゲストとして吉本興業のお笑い芸人の「金属バット」の友保隼平小林圭輔

そして、「おかずクラブ」のオカリナゆいPが登場。


 坊主頭の「『エイリアン:ロムルス』主演の小林です」のツカミで会場を沸かせた後、エイリアン初体験の小林圭輔、オカリナ、ゆいPと親の影響で最初の作品を幼稚園から見ているというベテラン友保隼平がそれぞれネタバレなしで感想や意見を述べる形で進行した。

 小林「ずっと山場とにかく詰め込んでる。良すぎて、力を入れて観なあかん」と初心者目線での感想を述べた。

 オカリナは「怖い映画は苦手だが、目つぶって耳を押さえてという感じではなかった。楽しんで観れた」と恐がり目線で率直な説明。

 ゆいPも「怖いだけじゃなくてスリルもあって、次どうなるんだろうと気になった。アンドロイドも出て近未来の話だと知って観ても面白かった」と設定の面白さを強調した。


 中ではエイリアン道を究めている友保は「本作は幕の内弁当みたいに美味しい所いっぱい入ってるので、エイリアンを見た事ない人は1発目にこれを観たら良い」と力説。

 更にゆいPの「近未来の設定が」を受けて、「そう、そうバキバキ未来なの。でもコンピュータはブラウン管なんやけどね」とマニアックな視線で鋭いツッコミを入れていた。

 確かに『エイリアン』初公開は1979年、当時は液晶が常識ではなくブラウン管だった。

 本作は『エイリアン』と『エイリアン2』との間が時代設定。ブラウン管画面なのは監督や美術の強いこだわりなのだ。

●そして、大阪のシンボルがーーー!

 トークも盛り上がったところで、さらに”特別ゲスト”として大阪、通天閣の福の神「ビリケンさん」が登場した。しかも、その顔にはエイリアンの途中形態である“フェイスハガー”が!


 大阪ならではの「寄生ビリケンさん」。小林は「文化財にいたずらしたらダメでしょ!良くないと思います」と盛り上げた。

 これは全国の名所を侵食する”エイリアン襲来キャンペーン“の一貫で、ほかの地方都市でもあるかもしれない事件だ。

 そして、これはとりもなおさず大阪が映画館を中心に”エイリアンの大襲撃”があるであろう事を予見させる姿なのであった。 

●MX4D上映に初チャレンジ!

 全国の劇場で公開中の映画『エイリアン:ロムルス
 大阪の試写会では「MX4D・日本語吹替版」で催された。

 はずかしながら筆者は4Dは避けてきた。と言うのは、映像はゆったりしてディテールまで観たい派。というか、動くのはそもそも不得意。しかも、上映中メモを取ったりもするので出来るだけ落ち着いて映画は観たいのだ。

 だから、テーマパークのライド系も当然不得意である。仕事なので、かつてアメリカのディズニーランドで「スター・ツアーズ」も、日本のオープニング前のUSJで「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ライド」も
「スパイダーマン・ライド」も乗ったが「頼むから椅子を止めてくれ――――!」と叫びそうになった。
 
 なので、「MX4D・日本語吹き替え版」をディズニーから勧められた時ちょっと躊躇した。でも、ディテールをしっかりチェックしたり、日本語吹き替えの仕上がりを確認するためには行って観なければ。

「命がけで行きます」と言って、笑われながら、生まれて初めてびっくりでMX4Dに初チャレンジした。

 会場はマスコミと招待客(一般客)で満席。
 画質は素晴らしく、ちゃんと鳥肌が立つ細かいところまでよく見えたし、日本語吹替なので、設定の細かい部分まで良く解った。

 MX4Dのギミックは爆破や画面の揺れとともに椅子は揺れるわ、エイリアン登場などでプシュッーっと空気は出て顔に来るわ、お尻や背中は敵の襲撃や宇宙船などの衝撃でこずかれるわ、爆破シーンと連動するフラッシュライト、鉱山でのスパークのシーンは匂いや、佳境に張ってからは煙(実際の煙)の演出までめっちゃ迫力ある。

 映画に連動していて映画への没入感を直に体感させてくれる。
 ハッキリ言って”凄く楽しかった!”
 吹替もしっくり来て一安心。

 この映画『エイリアン:ロムルス』は、特に揺れたり、爆破したり、襲われたりとアクションが多く、その効果が高いので複数回観られる方はMX4Dも是非オススメ。好きな方は相当楽しめると思う。

 私は二回目なので何がどこで仕掛けられているのか、予想がついたのだが、お隣に座った兄ちゃんが幾つかのシーンで飛びあがってました(笑)

 時間が許せば他のシステムも体験したくなった。

(つづく)

 映画『エイリアン:ロムルス』 9月6日(金)より劇場公開中。
 なお、おさらいもしたい方は『エイリアン』などシリーズの過去作はディズニープラスで配信中です。

公式ページ

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この記事を書いた人

SF、ファンタジー、ホラー、アニメなど“サブカルチャー系”映像世界とその周辺をこよなく愛し、それらを”文化”として昇華するため”の活動を関西で続けるFantastic Messenger夢人塔(むじんとう)の代表。1970年代より活動を開始。映画コレクター、自主映画、同人誌を経てプロライターへ。新聞・雑誌への掲載、映画会社の宣伝企画、DVDなどの協力、テレビ・ラジオの出演・製作、イベント・講演、専門学校講師、各種企画などグローバルな活動を続けている。
著書は『アニメ・特撮・SF・映画メディア読本』『ライトノベル作家のつくりかた』シリーズ、『アリス・イン・クラシックス』、『幻想映画ヒロイン大図鑑』他、青心社のクトゥルー・アンソロジーシリーズで短編を書く。雑誌「ナイト・アンド・クォータリー」「トーキング・ヘッズ」に連載。映画は『龍宮之使』、『新釈神鳴』、『ぐるぐるゴー』、『おまじない』などを企画製作。最近は「もののけ狂言(類)」と題して、新作の”幻想狂言”を発表している。また、阪急豊中で約半世紀の歴史を持つ治療家でもある。
夢人塔サイト http://mujintou.jp/

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