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『シン・仮面ライダー』秘密座談会②

仮面ライダーはなぜ戦うのか?

浅尾

あと、今回の映画っていうのは多分本郷猛の内面を描いていくっていうね、自分自身の殻を破っていくとか、そういうような形の作品だとは思うんですけれども…

はっきり言ってショッカーって「何か」わからなかった。
「何故戦わなきゃいけないのか」もよくわからなかった。

山田

仰る通りです。そこは大きな問題だよね。

浅尾

シナリオを作る時に、主人公には行動起点(動機付け、モチベーション)というのがあって「理由があってその行動を取る」っていうのがルールであります。

でも今回の映画はそこが今一つ伝わってこなかったの。

浅尾

なぜ本郷猛はショッカーと戦うの?

金子

緑川博士に「倒すんだ!」って言われたからやってる(笑)

Tks

そうそう(笑)

浅尾

僕が思うに、緑川博士の敵(かたき)討ちをする緑川ルリ子に加担する仇討(あだう)ち物だなと思っていたんですが、ルリ子自体は緑川博士に愛情もなく、親だとも思っていない(本心は解らないが)から、その辺りが今一つはっきりと伝わってこないんだよね。

もう一ついうと、一文字(隼人)にはそれすらないでしょ。

Tks

ないっぽいですね。

浅尾

なのに、どうしてそのまま「継承」していくんだろうっていう…
そこがちょっと僕には解らなかったんですよ。

だから「ショッカーって一体何なのか?」っていうのは皆さんに聞きたい部分なのです。

ショッカーの暗躍する動機

Tks

多分答えは庵野さんの中にあるんですよ。
僕らが汲み取れてないだけで。

浅尾

で、ここで(あえて)聞きたいんですね。
「ショッカーは何?」って、そして「何をすんの?」と。

山田

例えば(ヒーローは)命懸けで戦うわけでしょ。

それは子供だったり、じいさんだったり、女性だって、そこには何か深い理由や強い根拠があるわけですよね。

復讐心なのかね、あるいは正義なのか。

山田

つまり動機というのがあるから、戦ってる姿を見て客は感情移入する。
例えばロッキー(第1作)という映画が良いのはそこですよね。

だからその動機について伝わらなかったという事があるのなら、脚本作りとか作品の中で大きな欠陥として見ないのかな?と思うんですよ。

そこで何で別なところがいいと褒めるのか僕には分からない。

Tks

おそらく見てる人は、特に僕らみたいな特撮ファンは
『仮面ライダー』はショッカーと戦うもの
っていう大前提がみんなの頭の中にあるから、それでファンはそれで納得しちゃうんじゃないすか。

山田

納得するんだ。

ごめんね、褒められる方たちに言いたいんだけど
なんでそういう所が気にならないのかな?

アメリカ映画だったら多分叩かれると思うよ。

Tks

そう言われると、確かに破綻してるような気もしますね。

浅尾

多分ね、何かを自分たちで補完してるんですよ。勝手に。
だから聞きたいんですよ。
絶対破綻してる。破綻することはそれでいいと製作者が考えるなら、映画はそれぞれの表現だからそれでいいんだけど、疑問は引きずっている。
「仮面ライダーは何のために戦ってるんですか?」

山本

私、すごく自分で補完してますね。

浅尾

そうそう、そこが大事なのね。

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