ネットの素晴らしいウルトラマンメビウス創作話をご紹介する記事第2回です。
今回も2ちゃんねる特撮!板の「メビウスの脚本依頼されたらスレ3」からID:fjfUDYXsOさんの『贖罪の向こう側』をお贈りいたします。
復讐のために戻ってきた、ジャミラ・スペル星人。
彼らの秘密をしって苦悩するGUYSクルー。
バトルシーンがまさに読みながら手に汗にぎる!って感じの力作です!
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●タイトル『ウルトラマンメビウス』
●河原
米兵と子供が、河原で満天の星を眺めている。
「今度は何処の戦場に行くの?」
「ハハハ…戦争はしない、私はあそこへ行くのさ」
星ぞらを指す。
「そして世界中に訴えるんだ、戦争を止めるようにって、坊主」
「ボクも行く!」
●とある墓の前
花を手向けて墓標を見つめる、サコミズシンゴ。
飛行機の爆音が響く。
●OPタイトル?『贖罪の向こう側』
監督・脚本 ID:fjfUDYXsO
彗星怪獣ジャミラ
被爆宇宙人スペル星人
宇宙参謀ズール星人 登場
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●保育園
コノミ「ごめんね、いつも付き合わせちゃって、ミライ君に会いたいって、みんな」
ミライ「いいですよ、ボクなら。あれ?何ですか?」
子供たちが集まっている。
コノミ「あれ!紙芝居よ!この辺りの保育園で流行ってるんだって」
紙芝居の伯父さん、ミライに気が付く。
「みんなに、取っておきの出し物を見せよう!」
ウルトラマンの絵。
紙芝居屋「ウルトラマンは正義の味方。でも昔、人間を殺したことがあるんだ!」
「米国宇宙飛行士のジャミラさん、宇宙船の故障で漂流、しかし仲間は彼を見捨てた。助けようとも、しなかった。
「しかしジャミラさんは、生きていたんだ。
自分の立場を訴えようとしただけなのに、だけど彼は仲間はずれにされてしまった」
「ジャミラさんなんか知るか!今国際平和会議で、
忙しいんだ!おい!科学特捜隊!ジャミラは今や怪物だ!殺してしまえ!」
子供「ひどいや!」
紙芝居屋「そうだねえ!だけど科特隊は、偉い人のいいなり、ジャミラに攻撃!ウルトラマンまで一緒に、ジャミラは死んでしまった!めでたし!めでたし」
子供たちの中には泣きだす子もいる。
女児「グスングスン…うるとらまん、じゃみらさんころしたの?」(泣)
紙芝居屋「そう、なぶり殺し、ジャミラさんを」
ミライ「嘘だ!兄さんが!そんなひどい事するもんか!」
紙芝居屋「ならば!直に確かめて見るんだな!」
紙芝居屋はズール星人に変身した。
コノミ「みんな!逃げて!」子供達を避難させる!
ミライ、変身しようとするがズール星人が拘束!
ズール星人「まだ話したいことがあるんだ、ウルトラマンメビウス」
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●街
街にジャミラ出現!
スペル星人も出現!
ジャミラ口から火炎放射!住宅街が火の海に!
スペル星人、ビルをパンチで崩して倒壊させる!
●フェニックスネスト
トリヤマ補佐官 「何をクズクズしとるんだ!出撃したまえ!」
テッペイ 「それが…2体とも、データーが照合出来なくて、対策が建てようがないんですよ、プロテクトが厳重で」
ジョージ 「補佐官、敵が把握出来ないのに無策で突っ込めと?」
マリナ 「侵略宇宙人でしょ、新しい奴だからデーターがそもそも存在しない」
サコミズ 「2体とも人間だからね」
驚く一同!
ミサキ女史 「口から火炎放射しているのがレジストコード・ジャミラ。ビルを破壊しているのは、スペル星人です」
サコミズ「ジャミラは、米ソ冷戦宇宙軍拡競争の犠牲者、スペル星人は核兵器を、国際交渉の手段として手放せない人類の末路」
●保育園
ズール星人「ウルトラマンメビウス、君は勝者、だが、敗者の立場に立ったことはあるのか?」
「勝利者は、敗北した者を踏み付け、叩き潰すが、敗者は呪い、怨念を勝者に、抱き続けるのだよ」
「そして膨れ上がった憎しみの怨念は勝者を押し潰すんだ!その時我らが勝者となる!正に今がその時だ!」
ミライ「ぼ・ボクは誰かを守るために戦ってるんだ!勝利の為だけじゃない!」
ズール星人「そう、君が命がけで守ろうとする人類、自分の立場を守るためなら」
「君の純粋な想いも、平気で踏み躙る!お互いの主義主張で殺し合う愚か者共」
「こんな人類など見捨てろ、我らに協力するんだ、でないと君が人類に…」
ミライ「断る!!」
ズール星人「ならば死ね!」
ズール星人はミライに高圧電撃を放射した。
ミライ「グワァアアア!!」
絶叫! その時。
リュウ、トライガーショットをズール星人に撃ち込む!
ズール星人倒れる。
リュウ「大丈夫か!ミライ! コノミから連絡を受けたんだ!」
リュウ、ミライを抱き抱える。
ミライ「すみません、ボクがしっかりしてなくて…」
リュウ「よく頑張ったな」
●フェニックスネスト
サコミズ「総本部は、2体を侵略宇宙人として、迎撃せよとの通達だ」
一同『G・I・G』
重苦しい雰囲気。
モニターでは、ジャミラとスペル星人が、街を憎しみを叩きつけるように破壊している!
悲鳴が!警報が鳴り響く!
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●保育園
リュウ、ミライを抱きながら、グレンの炎に染まる街を見上げて呟く。
「なぁ、あいつら、俺とさ、おんなじなんだってさ。
俺があんな姿で、自分でもどうにかなっちまったら、お前が、俺を…」
ミライ「いやです!」
リュウ「お前…」
見つめる二人。
リュウ、ミライを壁にもたれさせ
リュウ「お前、ここにいろ」
ミライ「リュウさん!」
リュウ「俺は、お前が好きだっていう人間をお前が殺すの、見たくないんだ。お前がこれ以上傷つくのが」
「殺すのをお前にさせたくない」
戦火の街へ駈けていく!
ジャミラが吠える!
街に辿り着いたリュウ。
女の子が人形を抱えて、泣きながら彷徨っているのを見つける。
女の子「ママァ!ママァ!」
ジャミラが発見した!
リュウ「チキショ!ヤベェ!」
猛ダッシュで女子に駆け寄り抱える!確保!
ジャミラの火炎が降り掛かり、爆発!爆発の中、女の子を抱えて走るリュウ!
女の子「おにいちゃん!」
リュウ「大丈夫!」
目の前に火炎が!
●ほとばしる光
目を開けるリュウ。
巨大な手。
ウルトラマンメビウスが、大事に二人を抱えている。
女の子「ありがとう!ウルトラマン!」
メビウス「安全な場所に下ろします!リュウさん!」
リュウ「…すまねぇ…」
●燃える市街地
メビウス、二人を下ろしてスペル星人とジャミラと対峙する。
メビウス「君たちとは戦いたくない」
スペル星人、メビウスに、襲い掛かる!
スペル星人、目から光線を放つが、メビウス前転してよけて、メビュームブレイドで真っ二つにする!
爆発!
ジャミラにメビュームシュート光線発射!
光線を跳ね返す!
ジョージ、マリナがガンフェニックスで駆け付ける!
バリアプルパルサー発射!弾き帰して周辺が爆発!ジャミラは傷一つない。
ジョージ「なんとかなんねぇのかよ!」
カラータイマーが赤く点滅するメビウスにジャミラ、猛然とタックル!
もんどり倒れるメビウス!
ジャミラ馬乗りになって、マウントポジション優位の体勢で殴りかかる!
リュウ「テッペイ!なんとかなんねえのかよ!」
テッペイ「プロテクトが外れないんですよ!何なんですか!」
サコミズ「水」
マル「隊長、いくら喉が乾いたからって、今は…」
サコミズ「違う」
「想像を超える過酷な環境で強靱な肉体に細胞が変質した彼だ。しかし水のない惑星だったため、水に対しては臆弱で、硫酸以上の猛毒になるんだ」
リュウ「ミライ!水だ!ぶっかけろ!」
メビウス、両手を合わせ、水流を放射!
ジャミラ顔に掛かり悲鳴!
顔を押さえ無防備に!
すかさずジャミラを払い除ける!
メビウス、更に水流放射!
ジャミラ膝から崩れる!
のたうち回り悶絶!
溶けていくジャミラ。
立ち尽くすメビウス。
●墓地
数日後。
墓の前で立つ、サコミズとリュウ。
リュウ「立派な墓ですね」
サコミズ「見かけは、人間でも怪物と変わらない者、俺は君たちをそいつらから、守りたい」
リュウ「また、ミライに頼っちまった、アイツ…」
サコミズ「隊員の罪は隊長である俺が背負う」
コノミとミライは再び保育園へ。運動場の一角を占めた、奇妙なオブジェ。
段ボールを張り合わせた、大きな物体。
正面に回ると、
『じゃみらとすぺるせいじんのおはか』と書かれている。
ミライ「これは…」
コノミ「街を破壊したり、暴れたりしたのは、確かに悪いことだけど」
「死んじゃったのは可哀想だから、みんなでお墓を作ろうって」
園児たちが折り紙で作った花輪を墓にかける。
小さい女児が手を伸ばして懸命に花輪を掛けようとする。
ミライが、女児を優しく抱っこして女児の手の届く位置に合わせ、女児が花輪を掛ける微笑ましい光景。
園長先生が二人を見かけ、歩み寄る。
コノミ「園長先生!ご無沙汰してます!」
ミライ「こんにちは」
園長先生、二人に会釈。
園長「この子たちが大人になる頃には、戦争も核兵器も無くなるといいですね」
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●次回予告
隊員「よろしく。GUYS・USAのケンイチ・カイです」
ミライ「ミロガンダ・・・・ですか?」
マリナ「あれは・・・・・・!」
カイ「品種改良をしたグリーンモンス・・・・!」
カイ「彼がくれたんだ。また戻ってきてくれた。・・・・・地球に、危機が迫っているらしい」
次回『海の向こうの友人』
●メビナビ!
ジャミラの正体は人間。それも宇宙飛行士。
水のない星に漂着し、怪獣に変わってしまった彼は復讐のために地球にやってくるけど、初代ウルトラマンに倒されたんだ。
当時の防衛隊・科学特捜隊は彼のためにお墓をたててとむらったんだよ!
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いかがだったでしょうかー。
これまたスゴイ作品で…
最初にも書いたけど、作業しながら読んでいて、メビウスVSジャミラのバトルに思わず熱くなってしまいました。
元が人間であるジャミラたちをミライに倒させたくない
リュウのこの思いにもすごく納得ですね。
なんかそこらへんのシーンは”見つめあう二人”というト書きがなかなか想像を刺激してイイ感じかと。
このエピソードの後は、リュウ&ミライの仲がますます深まったことでしょう(^-^)
そして、最後のまた子供たちの泣かせなシーンがイイ…
スペル星人&ズール星人が今イチ目だってなかったのが残念ですが、全体にすっごく面白かったです。
作者のID:fjfUDYXsOさん、こんな面白い話を読ませていただいて、
本当にありがとうございましたー!!
ID:fjfUDYXsOさんは2ちゃんの元スレ自体を立てられた方みたいで、それにも大感謝ですw
本当にこのスレッドはどれも面白いお話ばかりで…最近ではなんとアイアンキングが登場する新作まで投稿されているという(^-^)
すべてをこんな感じでご紹介して残しておきたいとか思うんですが(2ちゃんのスレはいずれは落ちて読めなくなってしまうので)、毎週1回とかのペースだといったいいつまでかかることやら(笑)
やっぱりまとめサイトは欲しいとこですね(^-^)
(なお、今回もTVシナリオ風にするために内容にちょっとだけ手を入れさせていただいております。ご不満ないし転載に問題ございましたら、コメントにてご連絡ください。即刻対処させていただきます)
Comments [4]
No.1M NOMさん
ツバサさん、こんにちは。
オリジナルストーリー、興味深く拝見致しました。
ジャミラ登場編エピソード、自分も考えた事が有ります。
正体は、バ○ ○○ト氏で、宇宙船で、宇宙の彼方から帰還を果たす。
人間としての意志は残っているものの、声は咆哮となり、コミュニケーションを取る事が出来ない。
しかも前回同様、総本部から抹殺命令が下される。
ジャミラに関するデーターは存在するものの、パスワード不明で侵入不可能。
そのパスワードを解読して、真相を悟り号泣するテッペイ。驚愕のGUYSクルー。
苦悩を秘めて闘うミライ=メビウス。
その顛末は・・・?
こんな感じのエピソードでした。
御感想をば・・・。
No.2大阪歩さん
ツバサさん、こんにちわ。
いつもその愛情のこもった中味の濃い内容を愛読させていただいています。
メビウスが終わって寂しい怪獣ファンにとってこの創作は嬉しいですね。前回のマックス登場編も今回のジャミラ編も面白いです。ツバサさんもおっしゃられていますが今回の分はスペル星人が出てくる必要・・・があまり感じられないですがよく出来た話だと思います。
「メビウスの脚本を依頼されたらスレ」を読んだのですがメロウなスチール星人の「悲しみの盗人」とメビウスらしい「真の勇気」と「栄光の花」が良かったかなと思います。
あとは「怪獣使いの遺産」と「私の愛したスパイ」は・・泣きました。こういうifの作品群はもっと読んでみたいですね・・。
No.3カウさん
このスレの作品は面白いものが多いですよね。私も気にいってるスレの一つです。
後はウルトラマンクラインもいいですね。http://ime.nu/klein-bottle.rakurakuhp.net/
よく出来てると思います。
宇宙警備隊員養成所が荒れてしまったのは残念です。
No.4集積屋さん
>だけど科特隊は、偉い人のいいなり
オイコラズール星人、嘘をつけ嘘をw そりゃ確かに結果だけ見ればそうだったけどさ。
さりげなく子供達に嘘をついているところとか、作者さんはほんとウルトラの悪人宇宙人をよく理解されてるなあと思いました。
(誤解なきよう書いておきますが、作者さんを馬鹿にしようと思ってwを書いたんじゃありません。「ズール星人てほんとにあくどいなw」という事を表したかったんで…作者さん、もし見てて気を悪くされたらすいません。)
?>次回『海の向こうの友人』
楽しみで仕方ありません…。
自分が初めて買ったウルトラグッズってパワードの変身アイテムでしたね…でも話は覚えていないという(爆)
もう一度見ておこうかなあ…
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