【ウルトラマンマックス】#27『奪われたマックススパーク』

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年末からずっとバタバタしていて、未消化のレビューがたまっちゃってる!
何とかちょっとずつ消化しなくては・・・

ということで、去年の作品ですが、マックス27話のレビューです。

ウルトラマンガイア」 メイン脚本の小中千昭さんがウルトラに久々の登板ですね (もしかしてガイア以来?)

いきなり謎の殺人事件から始まる冒頭。
Jホラーの名手・小中さんの脚本だから、そのままラストまで、サスペンスタッチで進むと思いきや・・・

実は、

「意思を強くもつこと」 それが最も大事なんだ!

ということが熱く語られた話のように思いました。


●ミズキの秘密

その冒頭から、気になったのは、ミズキ隊員の描写です。

なんか変なんですよね・・・

最初から妙に憂いのあるカットが入ったり、
カイトにつっけんどんだったり、
かと思えば、急に内訳話をしたりとか・・・

なんか情緒不安定って感じ。

で、3回くらい見直して思ったのですが、

実はミズキ隊員・・・ 実は話の冒頭からピット星人の精神支配下にあったのではないでしょうか?
少なくとも、エレキング幼体には既に接触していたのではないかと。
そう思うのに2つポイントがあって。

(1)ピット星人のアジトでのミズキ隊員の行動

カイトとミズキの2人が、ピット星人のアジトに乗り込んだ時、最初に幼体エレキングを発見しますよね。
その時のミズキ隊員。
なんのちゅうちょもなく、それこそ魅せられるように、エレキングに近づき、それを手にとります。
なんか大好きなオモチャを見つけたときのように・・・

これって、ダッシュ隊員としては、なんか変じゃないですか?

ミズキは、エレキングが凶暴な怪獣であることは学習しているはず。
通常なら、まず警戒するか、危険物として、射撃対象にするはずです。
でも、すでに知っていて、たまらなく愛しいものならば・・・どうでしょう?

(2)ダッシュ本部でのショーンの発言。

最初のダッシュ本部でのミーティング中に、ショーンが
「この分だと、何体のエレキングが育てられているかわからないな?」
みたいなニュアンスのことを言うのですが、
なぜかその時。

ミズキの動揺しているような表情カットが入るのですよね。

これって意味深・・・と思いません?

まあ、この程度で、物語上ではっきり語られているわけではないんですけど、

・この話より前に、ミズキは幼体エレキングと接触。
・エレキングにより脳波を吸い取られるという経験をしている
(育てているかどうかは?)
・その結果、 ピット星人の精神暗示下に置かれている

という設定にすれば、私の中で全て納得がいくんですよね。

●ピット星人の罠

アジトで、ミズキがエレキング幼体に魅せられたのは何故なのでしょう?

多分、エレキングの幼体、それは、彼女にとっての”麻薬”。
エレキングに脳波を吸収される・・・ということは、実は苦しいことでもなんでもなく、逆にとてつもない快楽のような気がするのです。
ミズキはそれに魅せられたと。

もう1人、魅せられた人がいましたね・・・

そう、冒頭の犠牲者です。
彼は、 その快楽に溺れ、その結果ああいう状態になってしまったのだと思います。

脳波を吸収される・・・
それはすごい快楽であるけれど、その結果、自分の意志を抜き取られ、空っぽの生きる屍になってしまう。

恐らく、ピット星人は、その空っぽの頭に、自分たちの指令を送り、 自分たちが自由に使役できる存在を作ろうとしていたのでしょうね。
ミズキも恐らく、その手法で、頭に指令(というか暗示)を送り込まれたのだと思います。

「カイト(マックス)をアジトに誘い込め!」 という暗示を。

●ミズキの葛藤

そのピット星人の罠はまんまと成功し、マックススパークは奪われます。
そして、ミズキは、再び幼体エレキングを(自らの欲望で)奪取し、逃亡。
エレキングとの快楽にふけります。

まあ麻薬患者が麻薬を何が何でも欲しがるのと同じですね(^-^)

そのミズキを立ち直らせたのは、カイトの”強い意志”でした。

多分、冒頭から描写されていたミズキの情緒不安定な行動。
あれは、彼女の内面の中の”葛藤” を表していたのですね。

・快楽への欲望
・自分の意志の弱さへの自己嫌悪
・そして、カイトの強い意志への”憧れ”

そういう、いろんな感情が彼女の中で奔流となって渦巻いていた。
それが、ああいう情緒不安定な行動になって現れたのだと思います。

特に、強い意志を貫くこともなく、ただ流れでダッシュに入隊したという過去が、 逆に彼女の中で強いコンプレックスになっていたのですね。
強いミズキ隊員にもそんなコンプレックスが・・・

でも、彼女は葛藤の末、カイトの助けを借りて、快楽を振り切り、再び戦士として立ち上がります。
とても強い意志を取り戻して。

この作品のテーマはここでしょう。

自分の弱い点を断ち切り、いかに前を向く”強い意志”を持つか。

それを取り戻したミズキが大活躍するのも、エレキングが分身マックスラッガー(別名マクシウムソード(爆))によって、瞬殺されるのも、全て予定調和

人が、自らの意志を取り戻した時点で、ピット星人の侵略計画は全て失敗に終わっていたのです。

この話のタイトルの元ネタであると思われるウルトラセブン第37話 「盗まれたウルトラアイ」は、セブンとマゼラン星人マヤ。
2人の宇宙人の物語でした。

でもそれから40年近く経った今回の「奪われたマックススパーク」 は、カイトとミズキ。
2人の地球人の物語です。

この差が、昭和ウルトラと平成ウルトラの違いを如実に表しているような気がして、興味深いですね。


(その他のポイント)

●ピット星人 レオール

なんと演じておられたのが、「超星神グランセイザー」 真のリーダー!セイザーヴェルソー星野マヤさんではありませんか!
お懐かしい?!
あいかわらずお美しい方で・・・
こういうクール・ ビューティな役がなんて似合う方なのでしょう(^-^)

今週の話には、グランセイザーヒロインのもう1人・セイザーパイシーズ・ 魚住愛こと伊藤久美子さんも出演されていましたね。
こちらもまた懐かしくて・・・

久々にグランセイザーの勢ぞろいを見たくなりましたよ(^-^)

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●マックスの正体?

多分この話の中では、ミズキはマックスの正体に気づいていますね。
私の仮説によれば、カイトを罠にかける暗示がミズキに送られた時点で、当然、カイトの秘密についてもミズキに送られたはずですから、 まあ当然といえば、当然なんですが。

ただ気になるのは、暗示から解かれたあとも、その秘密の記憶がミズキに残っているか?ということ。
なんか、かすかな記憶がミズキに残っていて、それが、 ダッシュバードの中からマックスを見上げる時の表情につながっているような気がしますが・・・
でもこの回だけで、既に設定リセットされているような気が(^-^)


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Comments [4]

No.1

こんにちは、くろです。いつもトラックバックありがとうございます。

なるほど、あの事件の前にエレキング幼体とミズキ隊員が接触があるとなると、あの憂いの表情の訳も納得できそうですね。
エレキングという“麻薬”で脳を空っぽにして、そこに自分たちの指令をいれて奴隷化する…何か、メトロン星人とゴーロン星人の侵略方法を足して2で割ったような感じですね。実際にナチスや現在のテロ集団も似たような事をやっていそうで怖いです。

星野マヤさんの事は、1回目見た時は気づかなくて、別の方のブログ見てもう一度観なおしてやっと気づきました。次の28話も、ツバサさんの話聞いて冒頭部分をちょっと見て(まだ全部見ていません)、「あ、魚住愛出てる?」。『ティガ』の頃に『サイバーコップ』(実はこれ、私は見てないのですが)の出演者が次々出てくる状況と似ていますね。
ところで、もう一人のピット星人役の益子梨恵さんという方、以前何かのドラマに出ていませんでしたか?名前を何処かで見た記憶があるのですが、顔を見ても思い出せなくて…。

とにもかくにも、以前の人気怪獣が再登場した回で、一番楽しめた話だと私は思いました。
それでは、また。

No.2

こんばんわ!>くろさん

コメントありがとうございます。

>なるほど、あの事件の前にエレキング幼体とミズキ隊員が接触があるとなると、
>あの憂いの表情の訳も納得できそうですね。

何かそうとしか私には思えなくて(^-^)

>何か、メトロン星人とゴーロン星人の侵略方法を足して2で割ったような感じですね。
>実際にナチスや現在のテロ集団も似たような事をやっていそうで怖いです。

いわゆる”洗脳”ってやつに近いかもですね。
オウムとかもやってましたよね・・・確かに怖いなあ。

>ところで、もう一人のピット星人役の益子梨恵さんという方、
>以前何かのドラマに出ていませんでしたか?

確か「千年王国三銃士 ヴァニーナイツ」だと思います。
ラハミエル・ヴァニーっていう役だったんじゃないかと。
http://www.layup.co.jp/vanny/cha/akasa.html

>以前の人気怪獣が再登場した回で、一番楽しめた話だと私は思いました。

確かに良かったですよね(^-^)
一番熱い回だったように思います。

No.3

こんばんは、くろです。
益子理恵さんの件、教えて頂いてありがとうございます(お礼を言うのが遅れてすみません)。教えて頂いたHPを見て、『円谷 THE COMPLETE 』(角川書店)でも確認しました。

ヴァニーナイツ…すっかり忘れてました。『仮面天使ロゼッタ』の後番組だった奴ですね。最初の何話かと最終回だけ見てました。最終回は訳が分からなかったです。
そうすると、ピット星人のお二人はどちらも、戦闘体験の多い(?)パワフル・クールビューティー。カイトが適わないはずです(笑)。
それでは、また。

No.4

こんばんわ!>くろさん

コメントありがとうございます。

>ヴァニーナイツ…すっかり忘れてました。

私も忘れてました・・・(^-^)
ロゼッタはよく見ていたんですが、ヴァニーナイツのほうはほとんど見ていなくて。

>最終回は訳が分からなかったです。
確か、ヒロイン3人とも死んじゃうんではなかったですか?
見てはいないのですが、それだけなんかで耳にして、「え!」って思ったのを覚えています。

>ピット星人のお二人はどちらも、戦闘体験の多い(?)パワフル・クールビューティー。

確かにそうですね(^-^)
星野さんのほうなんか、寝そべってセクシーポーズとったりして、余裕すら感じましたもの(^-^)

では、またよろしくお願いします!

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今回は、大晦日に放送された第27話「奪われたマックススパーク」のレビューです。第2話「怪獣を飼う女」に登場したエレキングの再登場編です。 続きを読む

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管理人プロフィール

tubasa_profeel.png 管理人のツバサです。
ウルトラマンネクサスの大ファンです。
現在はウルトラマンギンガを応援しつつ、鎧武・トッキュウジャー・牙狼、その他BSCS特撮にVFX映画とあいかわらず見るモノためまくって消化が追いつかない毎日(苦笑)
期待の新作はもちろん夏公開の新ハリウッド『ゴジラ』だー!

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