正直、いったいレビューになんて書けばいいのか、すごくとまどいました(だから一週間遅れになってしまったんわけですが・・・ とちょっと言い訳(^^))
一見、わけのわからない話です。
決してけなし文句で言っているわけではなくて。
まさに不条理劇という感じで。
でも、何回か見直して思ったこと。
実相寺昭雄という人。
この人、本当に生粋の「映画作家」なのですね。
テレビ作家ではなくて。
○「映画的」な映像?
なんでこういうわけのわからない話なのに、不思議にあきさせないのでしょう。
それどころか、見返すたびに、映像から新たな発見があるような気がして、ぐんぐん引き込まれてしまいます。
・カット割り
・緻密なセット・小道具
・画面の構図
・照明
・そしてBGM、効果音
全てに意味があり、 緻密に計算されているような気がします。
今、実は別記事で「仮面ライダー響鬼」の旧路線と新路線の違いについての文章を書こうとしてまして。
それで
「映画的な映像」と「テレビ的な映像」の違いは何か?
ということをずっと考えていたんですが・・・
今回の実相寺監督が見せてくれた映像、これがまさに私が考える「映画的な映像」に近いです。
その特徴はというと
・画面情報量の多さ
・映像に作り手の明確な意図が存在する
・セリフに頼らない(映像が主体)
・受け手に主体性を要求する
などになるんでしょうか。
こういう力のこもった映像をテレビで見せていただいた!という点でまず拍手パチパチ(^^)です。
でも、他の人の感想みたら「わけわからん!」とか確かに賛否両論いろいろあるみたいですね。
私は、実相寺監督ホントに一貫しているなあ・・・と思って、わからないながらも、すごく面白くみせていただいたのですが。
個人的感想として思うのは、これがウルトラマンの持つ可能性というか”
振り幅”なのですね。
こんな不条理話にギャグ回・感動話・王道な燃える話・・・
なんでもやれちゃうウルトラマンってホントすごい世界なんだなあ・とあらためて思いました。
○「胡蝶の夢」というテーマの魅力
でもこの「胡蝶の夢」というお話。
すごくいろんな作家さんをひきつける魅力的なテーマのようで。
他にもいろんな作品がありますね。
ぱっと思いついたところでは、
押井守監督の「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」とか。
お話のテイストとか構造がすごく似通っている印象がありますね。
あと「マトリックス」とか「イノセンス」なんかも、
そういうテーマだと論じているブログとかちょっと目にしました。うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 平野文 古川登志夫 神谷明
おすすめ平均
原作派にもオススメ♪
懐かしい時間を追体験
オーディオコメンタリーが最高です。
まさに押井守の原点?!
逃がしたか
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この「胡蝶の夢」というテーマがなぜそんなに作家を引きつけるのでしょう?
その件で、ちょっと思い出した本があります。
フィールド 響き合う生命・意識・宇宙 | |
リン マクタガート Lynne McTaggart 野中 浩一 おすすめ平均 生命と健康の極意を伝える 悪魔に仕える科学か? 残念!な本 壮絶なパラダイムシフトの戦い 科学者ってすごいなと思う。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この本。
いわゆる量子物理学を基礎に展開する、いろんな未来科学(ゼロ・ポイント・フィールドという驚愕の発見!)
について書かれた本です。
いわゆるトンデモ本と違って、すごく第1線の科学者の意見を理性的に分析していて、立花隆さんとか好きな私は、大変興味深く読んだのですが、
その中で、以下のような記述が載っていました。
物質は全て”原子”から成り立っているわけですが、
その原子を構成する電子・原子核などを”量子”と言います。
この量子。実に不思議なモノらしく・・・
普段は”可能性”としてしか存在していないけれど、人間が観測しようと”思った”瞬間に現実として、そこに”出現”する。
という性質をもっているというのですよ!
人間の思いによって物質は存在している・・・ちょっとにわかには信じられない驚きの話ですが。
量子物理学で”コペンハーゲン解釈”といって、 まあいろいろ賛否両論ある理論らしいのですが、もしこの説が本当であればですよ。
この地球・宇宙は、全ての人間・全ての生物がもし滅んだとしても、永遠に存在しつづける・・・ というのが普通の考えですが、実はそうではなくて、
全ての生命が消滅した瞬間に、この地球も、宇宙も全てが消滅してしまう・・・!
ということになるのではないかと思うのです。
実は現実というものは存在していなくて、 私たちの思い・夢そのものが、私たち自身を存在させている。
そう考えると、現実自体が、とても希薄に、儚いものに思えてきませんか・・・?
その不思議な感覚・ センス オブ ワンダーな感じこそが、「胡蝶の夢」の話の魅力にすごく似ていると思うんです。
そういう視点をもって、現実を見てみると、また違った不思議な感じで世界が見えてきます。
その不思議な感覚こそが、このテーマに多くの作家をひきつける秘密なのでしょうね。
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