TXT/山本紗由(ヴァイオリニスト、youtuber)
【自己紹介】
「週末のゴジフェスに行こうと思うんです」
もし当日いらっしゃるならばお茶でも出来たら、くらいの気軽なノリで特撮ゼロさんに送ったメッセージ。
それに対して「折角参加されるならばレポート書いてみませんか?」と余りに意外すぎる申し出に「面白そう!やります!!」と勢いで答えてしまったが為に、いまこうしてPCの前で慣れない文章を捻り出しております。
初めまして。山本紗由と申します。
ミニチュア特撮と80年代のロボットアニメが大好きなヴァイオリニストです。
普段は演奏活動をしつつ、ヴァイオリンを教えたり、Youtube「Violin Sayu Channel」というチャンネルで特撮やアニメ曲のカバー演奏等をアップしています。
ゴジラはもちろん…
「俺ら宇宙のパイロット」とか…(「妖星ゴラス」の4K楽しみですね!)
特撮の中でも特にミニチュア特撮が大好き。
巨大生物によるミニチュア破壊シーンを見ることが何よりも大好きです。
Xの方に今まで見た特撮作品の感想も呟いておりますので此方もよければご覧下さい。
▼昭和ゴジラ
▼84ゴジラ以降
▼海外作品
【ゴジフェスとの出会い】
「ゴジラ・フェス」というイベントが行われていること自体は数年前から知っていましたが、本格的に「ゴジフェス」を意識したのは2023年11月3日に行われたゴジラ・フェス2023で発表された「フェス・ゴジラ4
オペレーション・ジェットジャガー」を観てから。
CG全盛のこの時代にあくまでミニチュア特撮にこだわり抜き、ゴジラとジェットジャガーの肉弾戦。そしてまさかの胸熱展開。10分ほどの作品でしたが、特撮の中でもミニチュア特撮が大好きな私は完全に心を掴まれてしまいました。
そして、今回のゴジラ・フェス大阪にはなんとその、ジェットジャガーの新規スーツが来てグリーティングを行ってくれるとのこと。これはもう、見に行くしかありません!
と言うわけで、どうしても熱量的にジェットジャガーに偏ったレポートになってしまいますがご容赦ください。
又、当日全てのステージイベントに参加した訳ではありませんので言及していないステージイベントもございます。あくまでゴジフェスに参加した者のひとつの目線としてお楽しみ頂けたら幸いです。
尚、有難いことに5月13日(月)11時59分まで、Youtubeでゴジラ・フェス大阪のアーカイブが観られます。
私も見逃したイベントは勿論、参加したイベントも再度Youtubeでじっくりと味わいたいと思っています。
【まずは偵察 ウメキタフロアー】
初参加なので様子が分からない不安から、当日はちょっと早めに現地着。
まだ、ステージ前の柵は閉じられており、中には入れない様子。
しかし、現地には既にゴジフェス目当てらしきお客様が。みなさん、思い思いのゴジラグッズを身につけていらっしゃったので直ぐに分かってしまいます。
かく言うわたしも歴代のゴジラ身長比較Tシャツでの参戦。
会場は確認したし、開演前までまだ時間があることだしと、サテライト会場のグランフロント大阪 北館6Fのウメキタフロアへ。
ウメキタフロアはレストラン街とフードコートが合体したような不思議な空間。
自由に席を取り、各店舗へオーダーを取りに行くシステムのようでした。
こちらのサテライト会場では
・コラボフード
・歴代ポスターのパネル展示
・「怪獣人形劇ゴジばん」より立体物の展示
・「ゴジラ-1.0」の2m立像の展示
が5月12日まで楽しめます。
ウメキタフロアさん自体はそこそこ混んでいたものの、展示物前はまだ余裕がありゆったりと鑑賞することが出来ました。
歴代ポスターは楽しく、「ゴジラ-1.0」の2m立像は大迫力。
しかし、最も展示物の生で目を惹かれたのは「怪獣人形劇ゴジばん」さんの造形物でした。
モスラとビオランテを持って来て下さっていましたが、どちらもただ置いてあるだけではなく、ジオラマ的な展示。
モスラはモフモフで可愛くて最高なのですが、特にビオランテが大きさ、怖さ、美しさ全てを兼ね備えていて素晴らしい。
ビオランテの大きな体を良く見ると色々な怪獣が….
さらに足元の方にはマタンゴちゃんまで….
ゴジばんさんは【Godzilla Channel ゴジラ(東宝特撮)チャンネル】内で怪獣人形劇を配信中とのこと。
此方の造形物はその設定上の作品なのでしょうか。私も是非拝見しようと思います!
【オープニング】
12時となりいよいよオープニング。
ステージ前は勿論のこと、うめきた広場の大階段にも沢山の人々が。すごい熱気。
ステージ前の空間がキッズスペースになっているのが凄く素敵だと思いました。
オープニングは4月26日に公開されたばかりの「ゴジラ×コング 新たなる帝国」の予告からスタート。
今回、この時期にゴジフェスが大阪で開催されるのはこの映画を盛り上げる意図もあるとかで。
一昨日に公開されたばかりなのに「もう観た人!」の問いかけに半分以上の方々が元気良く挙手。皆様早い!!
司会は業界きってのゴジラファンの笠井信輔さん。なんと7時間半の司会を一人でやり遂げるとのこと。
参加者の熱中症を非常に心配して下さり、
「みなさん、こまめに水分をとってくださいね。自由に出入りして大丈夫ですよ」
とステージ上からお優しいお言葉。
むしろ笠井さんが倒れないかの方が心配になってしまいます…
と言うほどに当日は暑く、気温はなんと28度。
日光を遮るもののない広場でのイベントなので、これはちょっと自分の体調と相談しながらのイベント参加にした方が良さそう。
とりあえず、オープニングが終わったら改めて水分の確保の為、一度会場を離れる事としました。
【「ジェットジャガー再現プロジェクト」メイキング上映】
Youtubeで何度も拝見した映像でも大きな画面で観るとまた色々な発見があります。
特撮作品はやはりスクリーンで観てこそ。それはメイキング映像にも言えることではないでしょうか。
と言うわけで、「ジェットジャガー再現プロジェクト」メイキング上映に参加。
メイキングを流す前に「ゴジラ対メガロ」の予告映像が流され、その後笠井さんによるジェットジャガー(以下JJ)の説明。
印象的だったのはアニメの『ゴジラSP(シンギュラポイント)』の影響でJJは今の子供達にも人気というお話。
それを裏付けるようにスクリーンにSPのJJが映されると子供たちの「これこれー!!」という可愛い歓声が。
「ゴジラSPは子供にはちょっと難しいのでは…?」なんて思っていましたが、そんな考えを吹き飛ばすくらいJJは子供たちの心を掴んでいる様子。これは嬉しい。
メイキング上映後は会場全体でのJJコールと共に遂にジェットジャガーの登場。
会場へのご挨拶は勿論サムズアップ!
笠井さんがスマホのカメラで写した映像をスクリーンに映して下さったので、ジェットジャガーの質感を感じることが出来ました。
メイキングで造形の若狭新一さんが語って下さったシャークスキン部分もバッチリと確認。
あまり見えない細部までの拘りをじっくりと拝見しました。
そして、なんと驚きな事に今回会場に来て下さったJJのアクターさんは「オペレーション ジェットジャガー」でJJを勤めた斎藤謙也さんご本人とのこと。
JJ新規スーツは斉藤さんの体型ピッタリに作ってあるので斉藤さん以外着られないのだそうです。アトラク用のスーツが作られていないとそういう事になるのか、と思いもよらず驚きでした。
メイキング上映の後はゴジラ(2004)、ジェットジャガー、ちびゴジラとのグリーティングタイム。
残念ながら気温の関係でハイタッチは中学生以下のお子様のみに。
アクターさんの命が掛かっていますから、ここはグッと我慢。
大人たちは子供たちが楽しそうにハイタッチしているのを見守る構図に。
ジェットジャガーの佐藤さんがとても素晴らしく、小さなお子様にはきちんと膝を降り、目線が合うようにされていたのが印象的でした。
カメラを向けている親御さんにサムズアップして下さったりと、サービス精神の旺盛な優しいお人柄が伺えました。
ありがたい事にハイタッチ後は大人たちの為に撮影タイムを儲けて下さいました。
こうしてみるとFWのゴジラさんが小顔でシュッとしているのでJJさんの顔が大きい。
JJはちょっと悪人顔なのが凄く魅力的ですよね。生で見る銀色の輝きが美しかったです。
ちびゴジラちゃんは可愛らしい。
【コラボフード&ゴジラショップ 撃沈】
1回目のグリーティングタイムが終わり、この時点で時間が14時30分。
お昼時は過ぎているしコラボフードでお茶でもサテライト会場ウメキタフロアーへ再度来訪。しかし、甘かった。
お昼時とかそう言う問題を超えての激混み。しかもコラボフードは17時以降の販売も多くなかなかこれはちょっと挑戦しづらい感じ。
ゴジばんさんの展示前も凄い人で待機列が出来ており、此処はオープニング前に押さえておいて良かったです。
しかし、後でXを眺めていたら夕方くらいにアトリエこがねむしの方がいらしていて展示が増えたり抱っこさせてもらった方がいらっしゃるようで、ぐぬぬ。運が良いのか悪いのか。
コラボフードに撃沈し、それならばと出張しているゴジラショップを覗きに行ってみたところ、こちらも19時〜の整理券のお渡しですとのアナウンス。
ゴジラガチ勢の本気を見た気持ちでした。
ちょっと覗いてみようかなと言うくらいの気軽な気持ちでは足を踏み入れることすらできません。甘かった。しかし、ショップ横の展示は拝見させて頂く出来ました。
大きなゴジラ-1.0の看板はかなりの迫力で楽しい。
【「ゴジラ」国内実写映画 歴代予告イッキ見上映】
14時50分〜楽しみにしていた歴代予告のイッキ見上映の為に帰還。
歴代の予告をスクリーンで連続して観られるなんて機会、なかなかあったものではありません。
日差しが最高潮にキツくてやばい感じですが、ポカリを片手に参戦です。
1作品終わるごとに拍手が起こるのが何だかとても心地良くて幸せな時間。
好きな作品が始まったり、推しの怪獣が出ると歓声が上がったりするのも楽しい。
キングギドラ、ガイガン、メカゴジラの人気の高さを感じました。
連続して観ていくと古い作品の方が予告が長いんですね。近年になるほど予告が短くスッと終わる感じ。
予告の形式が固まって来たと言うことなのでしょうか。
連続して観る事により、ゴジラ映画の多様さを一層感じます。
初代「ゴジラ」も怪獣大戦争の「ゴジラ」もシン「ゴジラ」もマイナスワンの「ゴジラ」も全て「ゴジラ」であると言うところにゴジラ作品の面白さがあると思っています。
これから先も、沢山のゴジラ映画の可能性を観ていきたい。と改めて思いました。
此方のイッキ見上映のコーナ。予定表を見た時、1時間はかなり長いと感じていたのですが、
「あ!この作品好き!」「懐かしい」「そうそう、このシーンが良くて…」
など様々な感情が駆け巡るうちにあっという間に30作品を観終えてしまいました。
そこからの流れでグリーティング 2回目も、ついうっかりもう一度鑑賞。
イッキ見からグリーティングまで参加し、完全に身体が熱を持ってしまったので此処で一旦離脱しました。
【オペレーション ジェットジャガー】
喫茶店に避難し一度クールダウンしてからは、いよいよ念願のオペレーションジェットジャガーの上映&中川和博監督のインタビュー。
私は今日、この為にゴジフェスに来たと言っても過言ではありません!
スクリーンで「オペレーション ジェットジャガー」を観られる又とないチャンス。
会場は日も落ちてきて日中の暑さはどこへやら。
ちょっと肌寒くなって参りました。これぞ関西の寒暖差。
ゴジラTシャツだけでは寒くなったので上着を1枚羽織って最後の参戦です。
まずは中川監督ご登場でインタビューから。
ゴジフェス新参者にとっては過去のフェスゴジラの映像を流して下さったのは嬉しかったです。
過去に『VSヘドラ』『VSガイガン』が撮られていた事は知っていたのですが、時期を逃すと観られなくなってしまうんですよね。
ヘドラの夕日を使ったシーンとか凄く素敵で改めてどこかで全編観られないのかしらと切望。
中川監督はジェットジャガーがお好きで、USJのゴジラ対エヴァンゲリオンに隠し要素でJJを入れる程だったとか。念願のJJ作品だったのですね。
夜のシーンにしたのは目の光を強調するためというお話が凄く良かったです。
目の光り方でジェットジャガーの逡巡が見えたりするんですよね。
色々と興味深いお話を伺った後で、遂に本編の上映。
上映が始まり、数分で観客がどよめき。
なんと、なんと、新規カットが入っている!?
サプライズでJJの飛翔シーンが追加されていました。
キングギドラの登場、そしてゴジラとJJが手を取り合うシーンで会場が最高潮の盛り上がりに。
上映終了後、速攻で子供達からアンコールの声が上がりました。なんという胸熱展開。
司会の笠井さんも子供たちのパワーに圧倒されていました。
一回観てから再度中川監督のインタビュー。
今回の作品、ジェットジャガーの飛び蹴りが印象的でしたがそれについてのお話を聞くことが出来ました。
更に再現プロジェクトとは別のメイキング映像の上映。
特撮のメイキングって本当に面白いですよね。現場だと一瞬で終わるその一瞬が映像だとこんなに迫力のある映像になるんだという驚き。最初に作品を観て感動し、次にメイキングを見て驚き、再度作品を観て更に感動できる。
特撮は本当に素晴らしいです!
更に新たに追加されたJJの飛翔シーンのメイキングも観せてくださり眼福。
なんと新規の飛翔シーンはシン・ゴジラで准監督をされた尾上克郎さんが撮影されたとか。
何にもない駐車場で撮影されたそうですが凄く格好良いシーン。
飛び人形を作った訳ではなく、普通に売ってるJJの玩具で撮影したそうです。特撮って驚きの連続。
そんな興味深いお話を伺い、ついにイベントはラスト。
子供たちのアンコールの声に応えて、再度「オペレーション ジェットジャガー」の上映。
最後は子門真人さんの「ゴジラとジェットジャガーでパンチパンチパンチ」を全員で大合唱でした。
【まとめ】
初参加のゴジフェス。
思っていたよりずっと子供達がたくさん参加していて非常に楽しそうにしていたことが印象的でした。
彼らの中から次世代の造形師さんや、映像監督が産まれる可能性があるのかな…なんて。
何よりも嬉しかったのはフェスゴジラ作品はミニチュア特撮を作り続ける!という宣言。
この一点だけでも心から参加して良かったと思いました。
今後もゴジフェスを応援していきます!
そして、最後にとてもとても嬉しかった出来事を。
なんと会場で怪獣造形師の若狭新一様をお見かけしまして、写真を撮って頂きました。
全ての怪獣は人の想像力から産まれていますが、その想像を形にしてくださりこの世界に存在させて下さっているのは造形師様の技術とお力があってこそと思っています。
素晴らしい怪獣造形の数々を産み出して下さった方と握手させて頂き本当に感激でした。
今回、残念ながらジェットジャガーとハイタッチは叶いませんでしたが、これはもう、ハイタッチ出来たと言っても過言ではない気持ち。
とても幸せな初のゴジフェス参加の1日となりました。
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