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現代人が見るファンタジー『レンタル・ファミリー』(中編)

浅尾典彦(夢人塔代表・作家・治療家)

大阪市出身で、今はアメリカ在住のHIKARI監督が、映画『ザ・ホエール』で第95回アカデミー賞主演男優賞に輝くブレンダン・フレイザーを主演に、何と日本を舞台にした心に響くチョットファンタスティックなヒューマンドラマを『レンタル・ファミリー』を完成させた。
映画は現在、大ヒット公開中。今回は関西で本作の舞台挨拶があったので紹介してみよう。

舞台挨拶は、2月5日(木)『レンタル・ファミリー』特別試写会にて行われた。

★HIKARI監督登場
HIKARI監督が現れると観客から「おかえりー!」と声がかかり、歓迎されながらアットホームな雰囲気でトークがスタート。

監督「うわー、ホンマに大阪や!ここまで来るのに長かった」と感慨深い様子。

監督「最初に(本作を)上映したのが昨年の9月のトロント国際映画祭で、プレミア上映会をして日本まであとどれ位何だろうと思っていましたが、あっという間に今日に至りました。
これだけたくさんの方に集まっていただけると思っていなかったので、本当に光栄というか感無量です!
今日は楽しんでください!」

会場から大きな拍手が沸き起こる。

監督「今日はひとりで寂しいから、一人役者を雇って連れてきました!フィリップさーん!」と呼びこむ。

★ブレンダン・フレイザー登場
何と主演のブレンダン・フレイザーがサプライズのスペシャルゲストとして登場した!

思いがけないゲスト登場に会場はどよめき、

ブレンダン「こんばんは!」

日本語で挨拶をすると割れんばかりの拍手と大歓声に包まれた。
急遽来阪が決まり、本日の舞台挨拶への参加が実現したとのこと。

ブレンダン「皆さんと同じようにすごく嬉しいし。サプライズもすごく感じています。
映画も気に入ってくれると嬉しいです!」
と大阪で舞台挨拶に登壇出来たことが嬉しそう。

MC「監督、公開直前の今の気持ちは?」

監督「早く皆さんにお観せしたいという気持ちとワクワクドキドキね。
大阪人が作ったのに大阪では撮影してないんですけど、大阪の人情がたくさん溢れているストーリーなので、劇場公開が始まったらホントにたくさんの皆さんに出来るだけ観に行っていただけたら嬉しいなと思っています」とHIKARI監督も嬉しそうに答えた。

MC「ブレンダンさんは何故日本を舞台にした作品に出ようと思ったのですか?」

ブレンダン「本日、監督のご家族やご親族の方もご来場しているとのことで皆さんの為に来ました。
HIKARI監督は大阪ガール。
(監督は)大成功を収めて自分の作った作品を皆様と分かち合うためにここに立っていらっしゃいます。

そして、この作品は世界にも発信し、そしてシェアされている作品になりました。
あれ?でも質問の答えになっていませんよね」と観客の笑いを誘う。

そこへ唐突に、
監督「今日の主人公はね、彼(ブレンダン)だと思うんですよ」
と言って“今日の主役です”と書かれたタスキを取り出しブレンダンへプレゼントされる。会場に笑いが。

監督「冗談抜きで、今日がホントに楽しみでしょうがなくって、やっぱり自分の人生を考えた時、”私って何やろうか”と思ったら、”幸せ者”やなー、と」


自分用にも“世界一幸せ者”と書かれたタスキを用意していて見せた。
サスガ関西人! ネタを仕込んで来ている。

監督「こんな感じで、いつもアホな2人が映画を作ったって感じです」
会場は暖かい笑いに包まれた。

MC「ブレンダンさんが本作の主役に抜擢された時の事を教えてください」

ブレンダン「最初に監督会った時、映画の話はせずに、食べ物の話、それからアートの話、
そして日本の話なんかをしました。
思いつくままに話していてかなりの時間が経った後に、あれ?そう言えば映画の話してないな、
ということに気づきました。

でも、確信していました。僕はこの作品にたいする気持ちはもう『レンタル・ファミリー』というタイトルを見た瞬間から、”絶対これに出演したい”なあと思っていました。

何故かというと、この物語は人と人との繋がりを描いていて、そしてよりデジタル化されていく今の世の中で、孤独というものを打ち消してくれる、そういう物語だったからです。
だから、あんまりその作品について、最初にお会いした時に話す必要はなかったんですね。
なので、僕の方から出演させて貰えないでしょうか?という風に伺いました」

監督「ブレンダンとは最初6時間くらい話した。途中、映画の話を持ち出したかったのですが、どのタイミングで言ったらいいかわからへんくて、気が付いたら太陽がどんどん沈んで行って、最後映画やってくれる?みたいな」

HIKARI監督は18歳まで大阪で生活をしていたことから、ここでのトークは大阪の話題に。

MC「大阪の伝統演芸である吉本新喜劇はご覧になっていましたか?」

監督「観てました!小学の頃は、劇場には行けなかったけど、土曜日のテレビ放送で観ていましたね。
吉本新喜劇は、ほぼ私のベース。というか、映画を作る度に絶対吉本新喜劇のエッセンスが入ってると思った」

吉本新喜劇とHIKARI監督の作品は親和性があるようだ。

MC「ではここでもう一組ウェルカムゲストをお呼びしましょう」

と紹介すると、吉本新喜劇の内場勝則&未知やすえ夫妻がペアルックのようなスカーフを身に着けて登場した。
会場から大きな拍手。

未知「スペシャルゲストの順番、間違ってません?」と突っ込むと
ブレンダン「すみません!」と日本語で返しをした。

内場「正真正銘の夫婦です。レンタルではございません。
一足先に鑑賞させていただき、本当に優しい気持ちになって、家族のことを思ったりとか。
自分はこの家族の中で本当にちゃんと役割を果たしているのかなど、色々考えるところがありました。
すごく優しい映画でした」

未知「内場家のリーダー未知でございます」

と、笑いで観客を掴みながら、
未知「まず監督が日本を愛してくださっているという気持ちがすごく伝わったんです。
なのでもう後半は涙が止まらなくて感動。
そしてブレンダンさんの優しさがすごく伝わった映画でした」
とそれぞれ感想を述べた。

監督「ありがとうございます!感動です。
私も未知さんと内場さんが大好きで、内場さんがめっちゃかっこいいなと思って」と嬉しそうな様子。

MC「結婚されて34年の内場・未知夫妻。結婚の長続きの秘訣は何でょう?」

内場「やっぱり我慢するということですよね」
未知「ちょっと、どういうこと?お互いにね?」
とうまく会話を回してから、未知お得意のキレ芸で噛みついてまくし立てて見せて会場を沸かせる。

ブレンダンに対しても
未知「おいおい、ブレンダン。映画で観てるよりほんまにでかいな。
びっくりするやないかい。
ほんで顔小さいな。
アカデミー賞かなんか知らんけどよ。
どんだけえらいかも知らんけどよ、声小さいのぉ、
大阪人はもっと声が大きくないとあかんねんでほんま!」
と矛先を向けられブレンダンはちょっとビビり気味。

オチの「怖かったぁ」とブレンダンに可愛らしくすり寄る未知。
で登壇者全員がコケて、お約束の展開に会場は笑いに包まれた。

監督「生で見れて最高です。いや、見れてっていうか参加できました!!」
と大喜び。

内場「いつでも舞台でれますよ」と吉本新喜劇にリクルートしていた。

ブレンダン「これって全部やらせですか?(笑)周りにこんな女性がいないので今怖くて震えております。ちょっと熱くなってきたなぁ」

MC「最後に、これから映画を観る観客へ向けてお願いします」

監督「本当にここに来るまでね、6年ぐらいかかったんですよね。
2019年にアイデアが浮かんでから、コロナがあって……
そこから状況が良くなって来て”良し”と思ったら今度はストライキがあって、撮影が1年保留になってって、色んな障害がずっと続いてきて。

やっとちょうど2年前に撮影出来た。
それで今ここに来てて、大阪の皆さんに観ていただける。
いとこのおっちゃんやうちのお母さん、お姉ちゃんも今来てるんですけど、みんなに観てもらえるのが本当に嬉しいです。

この作品は「レンタル・ファミリー」っていう題材で作ったんですけども、元々、私が高校でアメリカ留学してた時に、そこではアジア人が私1人だった。

周りが白人ばかりの中で、孤独な気持ちも感じていたが、白人の素晴らしい友達が出来てその人がサポートをしてくれた。
国籍が違っても凄く助けてくれる人で、たくさんの愛を感じた。
今でも友達でアメリカに帰ったら会う。

やっぱり人の繋がりっていいなと思い、その時体験したことがベースになっている。
映画は白人がアジア人の中で孤独を感じて周りのサポートで変わってゆく。
まあ真逆なんですけどね。

是非みなさんも周りの方との繋がりを大切にして貰えれば嬉しいなって思っています。
長くなりましたけれども映画を観ましょう!楽しんでください。
今日は本当にありがとうございます!」

ブレンダン「本当に言葉では言い尽くせない、そんな思いがあります。
この作品は孤独へのラブレターでもあります。
物語的に東京が舞台なんですけれども、もちろん大阪や、世界中のどの場所としてもあてはまる物語だと思います。

実は、25年ぐらい前に初来日した時、日本が好きになって生涯のうちきっと日本の作品に出演したいとずっとひそかに願っていたんですね。
なので、本当に自分にとっても深い意味のある作品になりましたし、この作品に呼んでくださったHIKARI監督、そして、こうやって歓迎してくださっている大阪の皆様にも御礼を申し上げたいです。
ぜひ映画楽しんでください!」

『レンタル・ファミリー』大ヒット公開中
公式HP

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※後編は、HIKARI監督の単独インタビューをご紹介します。
お楽しみに!

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この記事を書いた人

SF、ファンタジー、ホラー、アニメなど“サブカルチャー系”映像世界とその周辺をこよなく愛し、それらを”文化”として昇華するため”の活動を関西で続けるFantastic Messenger夢人塔(むじんとう)の代表。1970年代より活動を開始。映画コレクター、自主映画、同人誌を経てプロライターへ。新聞・雑誌への掲載、映画会社の宣伝企画、DVDなどの協力、テレビ・ラジオの出演・製作、イベント・講演、専門学校講師、各種企画などグローバルな活動を続けている。
著書は『アニメ・特撮・SF・映画メディア読本』『ライトノベル作家のつくりかた』シリーズ、『アリス・イン・クラシックス』、『幻想映画ヒロイン大図鑑』他、青心社のクトゥルー・アンソロジーシリーズで短編を書く。雑誌「ナイト・アンド・クォータリー」「トーキング・ヘッズ」に連載。映画は『龍宮之使』、『新釈神鳴』、『ぐるぐるゴー』、『おまじない』などを企画製作。最近は「もののけ狂言(類)」と題して、新作の”幻想狂言”を発表している。また、阪急豊中で約半世紀の歴史を持つ治療家でもある。
夢人塔サイト http://mujintou.jp/

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