今年に入って、特撮ファン的には最初の悲しいお知らせになるんでしょうか。
既にご存知の方も多いと思いますが、
『ウルトラマンティガ』でTPC・サワイ総監を演じられた川地民夫さんが2/10にお亡くなりになったそうです。
享年79歳...
▼俳優の川地民夫さん死去 「まむしの兄弟」シリーズ 「ウルトラマンティガ」にも出演 - 産経ニュース
俳優の川地民夫(かわち・たみお、本名河地猛=かわち・たけし)さんが脳梗塞のため10日に亡くなっていたことが11日分かった。79歳だった。
川地さんといえば、日活映画のスターとして『まむしの兄弟シリーズ』など多くの作品に出演された俳優さんですが、実は特撮系タイトルの出演は、
日活時代に『大巨獣ガッパ』に主演された以外は、
後年の『ウルトラ』シリーズだけなんですよね。
それも『ウルトラマンティガ』のサワイ・ソウイチロウ総監役かもしくはそれに準じる役がほとんど。
まさに、川地さんの特撮でのご活躍を代表する役であるわけですね。
そのサワイ長官といえば、まっさきに思い出したのがティガ34話『南の涯てまで』。
さっきBlu-rayディスクを引っ張り出して超久々に再見しましたが、川地さん演じるサワイ総監の魅力がよく分かる、実に面白い一編でした。
冒頭、
「総監〜!」と満面の笑みで総監に駆け寄るダイゴ
このカットだけで、サワイ総監の部下に慕われる人となりが理解できますし、
・過去のダイゴとの絆
・ヨシオカ長官との友情
など秘話が次々と出てきて、最後は総監の日活仕込みのガンアクションまで堪能できるという娯楽編。
総監自体はそんなに出番多くないんですが、回りのキャラの言葉と動きから、
サワイ総監という人物像を浮き彫りにしていく小中千昭さんの脚本が実に巧みです。
ティガ・ダイナのTPC二部作って、数あるウルトラシリーズの中でも、
特に"理想主義"的というか、
現実を見つめながらもあくまで理想を求める人間の姿が多く描かれるような気がするんですが、
サワイ総監というキャラは、川地さんの特撮での代表キャラであると同時に、
そんなTPC世界を代表する人物でもある
と改めて思いました。
たぶん作り手側の、
こういう世界にはこういうリーダーがいてほしい
という思いが一番込められたキャラクターなんじゃないかな?
そしてそんな理想・完璧系キャラでいながら、すごく"人間味を感じる"ところが、大好きなんですよね。
34話ラストの会話がその代表で、
ヨシオカ「いい部下を持ったな」
サワイ 「いや、部下じゃないよ。仲間だ」
この短いやりとりに、川地民夫さん演じるサワイ総監の魅力があふれてますよね。
そんなウルトラマン(であるダイゴ)も憧れる、素晴らしいキャラを演じきってくれた、川地さんに改めて感謝するとともに。
心からご冥福をお祈りいたします。
Comment [1]
No.1きぬたさん
全く同感です。すべてを語った見事なコメント、ありがとう。
愚痴を言わせてください。
昔のウルトラシリーズはいろんなところにロケにでかけて、
エピソードや怪獣、人物が、土地やモニュメントとしっかりと
結びついていて良かった。なにより脚本。
お金かけられないのならば、世界観の広がりがないシリーズは
作るべきではないと考えます。そう、ウルトラマンの巨大感は、
広く表現される世界観がないとバランスが悪いのです。
なんか、今のシリーズって箱庭の中で巨人があばれてるイメージ
なのです。
長官、ご冥福をお祈りいたします。
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