『小説 仮面ライダークウガ』感想。感動と苦さが残るベストな後日談(ネタバレなし)

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小説 仮面ライダークウガ読了しました。

kuuga

もうなんといったらいいのか…

まずストーリーを追いかけた一読目でその意外な展開に驚き、
二読目で、その登場人物たちの"思い"に感涙…という感じでしょうか。

まさに「13年間待った甲斐があった!」と胸を張って言える
すばらしい後日談になっていると思います(^^)/

以下、その内容&レビューを、未読の方のために、
ネタバレに気をつけながらご紹介。

あの未確認生命体との戦いから13年後、
再び起きた謎の連続事故

その不可思議な規則性に懸念をいだく一条薫
「ゲーム…!?」
「そう、ゲームだよ」


しかし、2013年。五代雄介、今だ帰還せず…

懐かしい顔ぶれの"今”に感涙

まずは目次をご紹介しておきましょう。

●第一章「空白」
●第二章「幻影」
●第三章「天飛」(さあ、なんと読むのでしょう?w
●第四章「強敵」
●第五章「青空」

と全5章、計285ページ。

最初のあらすじにもあるとおり、
主人公はクウガ=五代のパートナー・一条薫
今も13年前と変わらず警視庁の刑事として、犯罪を追いかける日々を送っています。

そしてその他の懐かしい顔ぶれも冒頭から続々登場。

杉田さん、
桜井さん、
笹山さん、
榎田さん、
松倉本部長
といった警察の面々、

そして
桜子さん、
椿さん、
みのりちん、
おやっさん

直接は登場しないけど、セリフで言及されるキャラまで含めれば、
クウガ本編に登場する大半の人物の"今"が明かされます。

それぞれの道を歩んでいるその姿に、
読んでててファンは胸が熱くなること確実です(T_T)

あの懐かしい”ポレポレ”もしっかり登場しますよ。
13年経っても、全然変わってないおやっさんにはすげー癒されたwww

あと個人的にはあの夏目実加ちゃんが選んだ道に感銘を受けました。

お話の中での一条さんの感想じゃないですけど、
「まさか、あの子が…」
って感じ(T_T)

でも彼女の気持ちを考えると、すごい納得できます。

今回、実加ちゃんは、物語全体でもかなり重要な役柄になっているので、
そのへんはぜひ読んで確認していただきたいですね(^^)

読んだというより"見た”!

そして、そんな懐かしい顔ぶれとの再会を描きつつ、
メインで語られるのは、クウガらしい"地道”な捜査活動

一条さんとその新たなパートナー(かなり意外な人物です)による
それは、今風にスマホやtwitterを駆使したりして、なかなか新鮮です。

そして、第1の事件に引き続き、
矢継ぎ早に起こる第2・第3の疑惑…

今回の敵は13年の時を経ているだけあって、
かつてのグロンギよりも、さらに悪辣でしかも巧妙に賢くなっています。

そういう強大な敵の気配に対して、
対抗するかのようにネットで流れるあの”白い戦士”の噂…

これが中盤あたりですが、
このへんから、物語はがぜん盛り上がってきて、
”白い戦士”の謎がついに明らかになる、
ラスト30ページのあたりでは、
素晴らしい"疾走感”でそのままエンディングに!

という感じ(^^)/

文章読んでて、
頭の中で実に鮮やかに映像が再生されるんですよねー。
(もちろん音声つきでw)

私的には読んだというより
”本当にクウガの続編を見た”
という印象さえ受けるほど(^^)

展開を知っている2回目の時によりそういう気持ちが強かったですね。

既に一度読破した方にはぜひもう一度場面を想像しながら読むことをオススメ。

さすが脚本家の荒川さん自ら手がけた”渾身の1作”だけのことはあると思います(^^)/

苦さをも感じるベストな後日談

大きなネタバレなしでの内容についてはだいたいこんな感じですけど、
(ホントはいろいろもっと語りたい〜w)

この小説で一番好きな点は、
一条さんはじめ、登場人物全て、そして著者の荒川さんの
五代くんへの思いであふれている
ところです。

たぶん、本編のこの一条さんの言葉が象徴していると思うので、
ちょっと長いけど引用。

「…今のこの状況では、絶対に会いたくない」

「! どうしてですか!?」

「あいつがクウガになるというのはとんでもないことなんだ…
 異形の者になってしまうかもしれないという恐怖や、
 自分の心に歯止めがきかなくなってしまうかもしれないという恐怖…
 そんなものとつねに戦い、
 すべてを笑顔に隠してあいつは戦い続けた…
 俺はもう、あいつにそんなことをしてほしくない」
(「小説 仮面ライダークウガ」85Pより引用)

たぶんこの言葉は著者の荒川さんの気持ちでもあると思うのです。

・本当は五代くんに会いたくてたまらない。
・でもクウガとして帰ってきてはいけない!
・またあのつらい戦いを彼に背負わせるなんて!

こんな彼らの心の葛藤を経て、

どうやってクウガは帰ってくるのか?

これももう実際に読んでくださいとしか言いようがないですが…

どうしようもない人の愚かさと、
それでも"笑顔”であり続けてほしいという気高さ
この二つを示した、ベストな後日談であると個人的には思いました。

誰もが待ち望んだ”再会”も
ただの感涙ではなく、苦さと重さを感じるものになってます。

これでこそクウガ

アギトの時の
「続編として安易にクウガを登場させたくなかった」
というスタッフの気持ちが今ならはっきり分かるような気がします。

13年の時を経てもクウガスタッフとして
作品へ変わらぬ真摯さを見せてくれた著者の荒川さんに大感謝(^^)/

そして後日談的内容の他にも、

・亡くなった一条さんのお父さんの事件について触れたり
とか、
・九郎ヶ岳遺跡での五代くんとの初めての出会いを一条さん視点で回想したり
とか、
・一条さんと椿さんが「なぜ?仲良くなったのか」高校時代のエピソードとか、
とか、
・本編最終回に隠された驚きの秘密!
などなど、

本編の補完としても優れた作品である、
この小説 仮面ライダークウガ

クウガファンにはオススメ…というか必読
のタイトルであることはもう太鼓判押しちゃいますよ。

幸い、amazonでは今日現在(6/30 15:00)ようやく在庫復活してる模様なので、
ぜひ一人でも多くの方に読んでいただきたいかと!(^^)/

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そして最後に、読んだ人で同じように感じた方いそうですが、

この作品、このまま映像化できそうですよね?

つか、内容的にも、役者さんのスケジュールとかも、
荒川さん、まぢそれを意識して書かれたような気が激しくするんですけど。

「ハリケンジャー」がOVできるんなら、
おそらく商業的に「クウガ」も可能ですよね…

ということで、しばらくHuluでクウガ本編再見しながら、妄想の世界に浸ってみたいと思いますぞよ(^^)/

(「仮面ライダークウガ」関連記事)
主役は”オダギリジョー”!もう一つの”クウガ続編”っぽいファン小説『クウガのベルト…?』が面白い。

仮面ライダークウガ/12年目の真実・あの”教会伝説”は誤りだった!?/a>

仮面ライダークウガ/みのりっち結婚式に雄介…(感涙)

”クウガ”の絆はいまだに固し。

マイブーム=『クウガ』=オダギリジョー。

仮面ライダークウガ/オダギリジョー最新インタビュー。

オダギリジョーと五代雄介


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仮面ライダー / 最新5件のエントリー

Comments [2]

No.1

以前お知らせしたインドネシアの特撮ヒーロー番組
「ビマ・サトリア・ガルーダ(Bima Satria Garuda)」の
放送が始まりました。

その第1話を現地のJKTファンの人が日本語字幕版を
UPしてくれたので良かったら見て下さい。

[日本語] Bima Satria Garuda Ep.01 (1/3)
http://www.youtube.com/watch?v=spcMwfGO5MU
[日本語] Bima Satria Garuda Ep.01 (2/3)
http://www.youtube.com/watch?v=ZFSyBJOH-q0
[English Sub] Bima Satria Garuda Ep.01 (3/3)
http://www.youtube.com/watch?v=q8ZufHZz4IM

No.2

今回の小説クウガ、途中涙が出そうになるくらいはまりました。

多少グロい描写を除けば、そのまま実写化できるんじゃないか、というくらいの素晴らしい出来ですよね。待った甲斐がありました。

この記事を読んでから買ったので、ナイスレビューでした!これからも更新楽しみにしてます。

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今日届いて、今日読みました!! まず、言いたいっ!!!!! 荒川先生、ありがとう!! もう、今すぐご本人の前で感謝の言葉... 続きを読む

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tubasa_profeel.png 管理人のツバサです。
ウルトラマンネクサスの大ファンです。
現在はウルトラマンギンガを応援しつつ、鎧武・トッキュウジャー・牙狼、その他BSCS特撮にVFX映画とあいかわらず見るモノためまくって消化が追いつかない毎日(苦笑)
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