【現地密着レポート】『ウルトラマン創世紀展』へ行く!

  • カテゴリー:
  • 円谷
●スポンサーリンク


いつも『映画宝庫V3』の方でお世話になってるライターの印度さんから
ウルトラマン創世紀展』のイベントレポート記事をいただきました(^^)/ 

普段はミリタリー系の記事を多く手がけていて、こんな御本も出されている印度さんですが…

4863205740【ミリタリー選書32】世界の名脇役兵器列伝 エンハンスド (第二次大戦・冷戦期の知られざる精鋭たち)
有馬 桓次郎 太田 晶 山下 次郎 印度 洋一郎
イカロス出版 2012-03-02

by G-Tools

実はアイコンでも分かるように、
ウルトラ&怪獣系が三度の飯より大好き!という我々のお仲間!

そんな方だけに、分かってらっしゃるというか(^^)
かなーり濃い読み応え抜群のレポ記事になってます。

BGMで気分を盛り上げ、ぜひお読みください?!(^^)/

ウルトラマンシリーズメドレー (ultraman series) - YouTube

************************************************************************

はじめまして、いつもは姉妹ブログ「映画宝庫V3」で書いている
印度洋一郎です。

今回は、特撮関連のイベントであるウルトラマン創世紀展へ行ってきましたので、そのレポートをこちらで御紹介します。

この展覧会、4月14日から6月24日まで新潟県新潟市秋葉(あきは)区にある、
新潟市新津美術館で開催中。

ultra

ウルトラQ』から『ウルトラマン80』まで、
いわゆる昭和のウルトラシリーズの貴重な資料が展示されています。


美術館は新潟市中心部から20キロほど南の丘陵地帯にありますが、
現地に到着してみるとキジの鳴く声が聞こえる風光明媚な山裾の公園の中でした。

新潟県内では、TVなどの各メディアでも取り上げられ、
かなり話題になっているのですが、このゴールデン・ウィークにも大盛況だったようです。

建物の構えはこんじまりとした美術館ですが、入口では巨大なウルトラマンのポスターがお出迎え。

ultra

開館30分ほど前なのに、課外授業らしい中学生の一団もゾロゾロもやってきます。

この新津美術館、これまでも「安彦良和原画展」(2006)、
「タツノコプロの世界展」(2009)、「メカニックデザイナー大河原邦雄展」(2010)などの企画展示を次々と行い、今回の「ウルトラマン創世紀展」の後にも、
「手塚治虫展」がすぐに控えているという、知る人ぞ知るオタに優しい美術館なのです。

atom

さて、いよいよ開館です。創世紀展をやっている二階の企画展示室への階段の途中には、等身大のウルトラマン、セブン、タロウ、レオが並んでいます。

おっ!これは撮らねば!と写真を撮りつつ、ウルトラマンともツーショットに収まります。

お約束のスペシウム光線のポーズを取ろうとすると、
スタッフの方が「手の位置はこうです」と指示してくれました。
お?ちゃんと勉強しているな、と感心。
些細な事ですが、主催者側の"本気度"が伝わってきます。

見ていると、ここでウルトラマンと写真(やっぱり皆光線技のポーズをとりますね)を取っているのは大人ばかり。
昭和ウルトラシリーズの直撃世代なのでしょう。

そして、カネゴンが迎える入口から展示室へ。

kanegon

おぉぉぉ?最初にあるのは、円谷英二の日記帳

昭和41年(1966年)1月2日、『ウルトラQ』放送開始日のページが開いてあります。
特撮の神の肉筆! 「TBSから電話あり。視聴率も良し」なんて書いてあるなぁ…
歴史の一コマですよ。

そして、金城哲夫名前入りの幻の「WoO」の台本の前を過ぎると、『ウルトラQ』のコーナーに。

う?む。
伝説のオプチカル・プリンターの作業表(「バルンガ」や「2020年の挑戦」など)、
撮影当時に作られたラゴンやセミ人間の巨大な頭部、
「あけてくれ」のロマンスカーのミニチュア、
「ゴローと五郎」のゴローが飲んだ牛乳瓶のミニチュア、
「鳥を見た!」のラルゲウスの足(警察署の天井を突き破った)…

よく今でも残っているものです。

続いて『ウルトラマン』のコーナーでは、
科特隊基地屋上のカタパルト(木製だったのか!)、
宇宙船「白鳥」のモデルなどなど。

中でも珍品だと思うのは、
着ぐるみをギャンゴに改造する時に切り落とされたというべムラーの皮膚! 
あぁぁ?「ウルトラマン前夜祭」の招待券なんてレアものまで…

広いとはいえないような展示室なのに、ウルトラの世界でギッシリ。
私の頭の中には、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』の歌が鳴り響きます。

シリーズの順番に沿って展示は続きます。

ultra

『セブン』のコーナーでは巨大なキングジョーの分離型モデル
プラチク星人の宇宙タンク、どこかシュールな姿のポール星人に息をのみ、
怪獣達の造形家だった高山良策のコーナーでは
マケット用の石膏型、針金製の人型(着ぐるみの骨組みになる)、
怪獣製作工房だったスタジオ・メイの看板の実物を眼前にして感動に打ち震えました。

さて、展示は第一期ウルトラから第二期へと入ります。

まずは壁一面に怪獣のデザイン画。
一枚一枚じっくり見ていると、TVで見ていた怪獣達の勇姿が脳裏によみがえってきます。

ultra

意外な発見だったのですが、
『ウルトラマンタロウ』のモットクレロンがデザイン画では滅茶苦茶カッコいい!

地球の野菜を奪いに来たのに、タロウに漬物にされて小さくなるという、
いかにも『タロウ』なエピソードに登場したスットコ怪獣なのですが、
何故かシャープなラインで印象が違います。
でも、このイメージじゃ、確かにあの話にはそぐわないでしょうね…

先に進むと、
『帰って来たウルトラマン』のマットアロー1&2号のミニチュア、
『ウルトラマンA』のブラックビジョンやレボール星人の撮影に使用された着ぐるみの頭部(デケ?)、
『ウルトラマンタロウ』の登場するタロウの手(あのパッと開いた掌)、
『ウルトラマンレオ』のアストラのマグマチック・チェーン(足につけられた鎖)、
『ウルトラマン80』のシルバーガルやスペースマミーのモデル

などなどなど。

メカや怪獣の造形にも、時代の変遷が見てとれて、
ウルトラシリーズの歩みを一望する感じでなかなか壮観でした。

でも、展示はこれで終わりではありません。

更に怪獣のソフビ、マルサンのプラモ、小松崎茂、梶田達二などによるプラモのボックスアート、
雑誌のグラビア、怪獣図鑑の挿絵などなど、
「ウルトラシリーズがリアルタイムで生み出したアート」が集結。

art

ガラスケースの中にみっしりと並ぶ無数のブルマークのソフビ怪獣達!
あ、ミクラス持ってた! カネゴンも持ってた!
懐かし?(涙) このアンヌを襲うキュラソ星人の絵、覚えているなぁ…

art

私が生まれる前の少年マガジンや少年キングもある。
ファンコレ(朝日ソノラマのファンタスティック・コレクション=特撮系ムックの草分け)でしか見た事の無い本が一杯。

決して大きくは無い美術館なのに、この充実ぶり、この濃厚な空間。
私は二時間ほどドップリと漬かりました。
それでも飽き足らず、館内のカフェで昼食を取ると、
午後から再び見て回りましたが、今度はよりじっくりウルトラの世界に浸れます。

こうして約四時間、ウルトラマンと共に幸福な時間を過ごし、立ち去り難い気持ちでした。

帰りには入口の売店で、この展覧会の図版(ずっしり重くて、紙質もいい。古谷敏とウルトラマンのマスク原型を作った佐々木明の対談も収録。2500円)と昨年のワンフェスでも販売されたという、「ウルトラQ手ぬぐい」を記念に購入。

手ぬぐいは『ウルトラQ』の「ゴメスを倒せ!」に登場した、
ゴメスとリトラの姿が描かれた古文書の図版が取り込まれています。

会場には幼稚園児位の子供から、五十代位(リアルタイムで『ウルトラQ』や『ウルトラマン』を観ていた世代でしょう)まで幅広い年代の人々が訪れており、
ウルトラマンが今や世代を超えた文化的アイコンであることが如実にわかりました。

特に嬉しかったのは、幼い少年達がウルトラマンの大きな写真の前で一生懸命に光線技を真似ていた事です。

21世紀生まれの子供達にとっても、
私と同じようにウルトラマンが現役のヒーローとして受け入れられている事が、
何だか我がことのように嬉しいのでした。

尚、この展覧会は来年2013年2月2日から、
群馬県富岡市の富岡市立美術館でも開催される予定です。

新潟じゃ遠い・・・と思われている関東方面の方は、
こちらに足を運ばれてはいかがでしょうか?

(関連)
印度洋一郎の超映画戦記アーカイブ: 映画宝庫V3
↑うちの読者さん的には、韓国で大ヒット中の3D恐竜映画「チョムバギ」の記事とかオススメ(^^)/

印度洋一郎 Yoichiro Indo (ven12665) on Twitter

B0075ZQZGQウルトラ怪獣シリーズEX メトロン星人
バンダイ 2012-06-30

by G-Tools

●スポンサーリンク

関連コンテンツ

円谷 / 最新5件のエントリー

Comments [6]

No.1

お久しぶりにコメントします。
この記事とは関係ないですが、ツイッターで『アントマン』のことに触れられていたので一つ。
アントマンはある科学者が自分の実験によって体を蟻のように小さくして闘うヒーローの物語ですが、後に更なる研究によって30mほどの巨人『ジャイアントマン』にもなれるようになります。
今回の映画でそこまでやるかはわかりませんが、もしかするとアメリカ映画では珍しいウルトラマンのような巨人ヒーローが見られるかもしれませんね。

No.3

http://togetter.com/li/300205
アニメーターの羽山淳一さんがツイッターに上げたいろんなアニメやマンガのヒーローの濃ゆいカッコイイイラストがまとめられてますが
中に内山版レオやら桑田版セブン、ザ☆ウルトラマン等々見られます。
すげーかっちょいいです。
これならアニメでも見てみたいです。

No.5

 篤馬さん、はじめまして。

 アメコミで巨大ヒーローといいますと、「ウォッチメン」に出てきたDr.マンハッタンがいますね。映画版でも出てきましたが、ウルトラマンクラスの40mに巨大化して、ベトナム戦争に介入。ベトコンを圧倒的なパワーで、アリのように殲滅していました。茫然自失となったベトナム兵が、神にひれ伏すように雪崩をうって降伏してくるシーンは記憶に残る強烈なものでした。このシーンは、原作のコミック以上にインパクトがあったと思います。

 日本でいうとさしずめ、ウルトラマンが北朝鮮の弾道ミサイルを撃墜しているようなもので、ある種禁じ手なのですが、それをやっちゃったのが「ウォッチメン」でしたね。

どうもはじめまして。

「ウォッチメン」は機会を逃して未見のままでした。近いうちに見ておきますね。
何だかんだいって勉強不足ですいません。

しかし日本の場合は巨大ヒーローと同じかそれよりも大きい相手(主に怪獣)がいますが、アメリカの場合はあまりいませんからね。こっちだけ巨大化して相手はそのまま人間サイズのままでは圧倒的になっても仕方ないかと(まあウォッチメンの場合の問題はそこではないでしょうが)。
そう考えるとこれからアメリカ映画で巨大ヒーローが出てくるようなことがあっても日本のそれとはまた違うものになりそうですね。

コメントする

※ コメントは認証されるまで公開されません。ご了承くださいませ。

公開されません

(いくつかのHTMLタグ(a, strong, ul, ol, liなど)が使えます)


画像の中に見える文字を入力してください。

Track Back

Track Back URL

このページの上部へ

管理人プロフィール

tubasa_profeel.png 管理人のツバサです。
ウルトラマンネクサスの大ファンです。
現在はウルトラマンギンガを応援しつつ、鎧武・トッキュウジャー・牙狼、その他BSCS特撮にVFX映画とあいかわらず見るモノためまくって消化が追いつかない毎日(苦笑)
期待の新作はもちろん夏公開の新ハリウッド『ゴジラ』だー!

ツバサの詳しいプロフィール

moegamecom内検索(google)

スポンサーリンク

カテゴリ

月別アーカイブ

  1. 2017年5月 [25]
  2. 2017年4月 [29]
  3. 2017年3月 [21]
  4. 2017年2月 [21]
  5. 2017年1月 [26]
  6. 2016年12月 [34]
  7. 2016年11月 [37]
  8. 2016年10月 [42]
  9. 2016年9月 [25]
  10. 2016年8月 [29]
  11. 2016年7月 [33]
  12. 2016年6月 [31]
  13. 2016年5月 [27]
  14. 2016年4月 [35]
  15. 2016年3月 [37]
  16. 2016年2月 [31]
  17. 2016年1月 [34]
  18. 2015年12月 [50]
  19. 2015年11月 [28]
  20. 2015年10月 [28]
  21. 2015年9月 [33]
  22. 2015年8月 [34]
  23. 2015年7月 [35]
  24. 2015年6月 [34]
  25. 2015年5月 [35]
  26. 2015年4月 [31]
  27. 2015年3月 [42]
  28. 2015年2月 [30]
  29. 2015年1月 [43]
  30. 2014年12月 [44]
  31. 2014年11月 [37]
  32. 2014年10月 [28]
  33. 2014年9月 [24]
  34. 2014年8月 [29]
  35. 2014年7月 [35]
  36. 2014年6月 [39]
  37. 2014年5月 [37]
  38. 2014年4月 [30]
  39. 2014年3月 [30]
  40. 2014年2月 [35]
  41. 2014年1月 [35]
  42. 2013年12月 [33]
  43. 2013年11月 [32]
  44. 2013年10月 [35]
  45. 2013年9月 [34]
  46. 2013年8月 [40]
  47. 2013年7月 [53]
  48. 2013年6月 [40]
  49. 2013年5月 [35]
  50. 2013年4月 [47]
  51. 2013年3月 [43]
  52. 2013年2月 [41]
  53. 2013年1月 [43]
  54. 2012年12月 [42]
  55. 2012年11月 [33]
  56. 2012年10月 [31]
  57. 2012年9月 [44]
  58. 2012年8月 [24]
  59. 2012年7月 [44]
  60. 2012年6月 [51]
  61. 2012年5月 [29]
  62. 2012年4月 [17]
  63. 2012年3月 [15]
  64. 2012年2月 [20]
  65. 2012年1月 [22]
  66. 2011年12月 [24]
  67. 2011年11月 [26]
  68. 2011年10月 [24]
  69. 2011年9月 [25]
  70. 2011年8月 [34]
  71. 2011年7月 [33]
  72. 2011年6月 [25]
  73. 2011年5月 [26]
  74. 2011年4月 [23]
  75. 2011年3月 [22]
  76. 2011年2月 [18]
  77. 2011年1月 [14]
  78. 2010年12月 [23]
  79. 2010年11月 [21]
  80. 2010年10月 [13]
  81. 2010年9月 [21]
  82. 2010年8月 [17]
  83. 2010年7月 [14]
  84. 2010年6月 [20]
  85. 2010年5月 [17]
  86. 2010年4月 [23]
  87. 2010年3月 [25]
  88. 2010年2月 [23]
  89. 2010年1月 [31]
  90. 2009年12月 [24]
  91. 2009年11月 [24]
  92. 2009年10月 [30]
  93. 2009年9月 [30]
  94. 2009年8月 [32]
  95. 2009年7月 [32]
  96. 2009年6月 [30]
  97. 2009年5月 [27]
  98. 2009年4月 [36]
  99. 2009年3月 [35]
  100. 2009年2月 [31]
  101. 2009年1月 [35]
  102. 2008年12月 [44]
  103. 2008年11月 [30]
  104. 2008年10月 [38]
  105. 2008年9月 [29]
  106. 2008年8月 [27]
  107. 2008年7月 [33]
  108. 2008年6月 [36]
  109. 2008年5月 [39]
  110. 2008年4月 [31]
  111. 2008年3月 [38]
  112. 2008年2月 [35]
  113. 2008年1月 [41]
  114. 2007年12月 [33]
  115. 2007年11月 [31]
  116. 2007年10月 [31]
  117. 2007年9月 [32]
  118. 2007年8月 [31]
  119. 2007年7月 [26]
  120. 2007年6月 [31]
  121. 2007年5月 [45]
  122. 2007年4月 [40]
  123. 2007年3月 [46]
  124. 2007年2月 [42]
  125. 2007年1月 [39]
  126. 2006年12月 [47]
  127. 2006年11月 [42]
  128. 2006年10月 [37]
  129. 2006年9月 [37]
  130. 2006年8月 [48]
  131. 2006年7月 [40]
  132. 2006年6月 [36]
  133. 2006年5月 [40]
  134. 2006年4月 [47]
  135. 2006年3月 [46]
  136. 2006年2月 [33]
  137. 2006年1月 [37]
  138. 2005年12月 [42]
  139. 2005年11月 [39]
  140. 2005年10月 [41]
  141. 2005年9月 [56]
  142. 2005年8月 [38]
  143. 2005年7月 [15]
  144. 2005年6月 [7]
  145. 2005年5月 [7]
  146. 2005年4月 [1]
  147. 2005年3月 [2]
  148. 2005年2月 [3]
  149. 2005年1月 [8]

Powered by Movable Type 5.2.3