ウルトラマンメビウス#32「怪獣使いの遺産」。
評価にすごく迷っています。
今も考えている最中。レビュー書こうにもなかなか考えがまとまりません…
(他のブロガーのみなさんとか手が早くてホントスゴイです(^_^))
で、なんとかするために、原点の「怪獣使いと少年」を再確認しなくては!と思い、いろいろ手持ちの資料を見直してみました。
そしたら興味深い事実を発見。ちょっとご報告しときますね(^_^)
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まず手始めに「怪獣使いと少年」本編をDVDで確認いたしました。
スゴイ…
これでもかという迫真的な”いじめ”の演技。
悲惨なシーンの連続には思わず心が揺さぶられます…
不安感を助長するような不安定なカメラワーク(やたらに物陰からのぞきこむようなアングルが多い)も印象的。実相寺監督の手法になんだか似ています。
メビウスでも使われていた叙情的な音楽もまた効果バツグンなんですよね。
そのメッセージ性といい、第2期の傑作の1本と言えると思います。
ところが…
他の資料、特に関係者のインタビューなどを調べてみると、この作品、その出来に比べて当時あまり評判が芳しくなかったらしいのです。
(証言1)脚本家 上原正三さん
「あの作品は僕の中の差別に対する反発がちょっと出すぎていて、自分としては気に入っていません。いつもはもうちょっと自分の本音は殺して書くんですけれども、あの時はナマ過ぎたというか」(切通理作「怪獣使いと少年」170Pより引用)
上原さん会心の作と思いきや…
ご本人は気に入ってらっしゃらないとは。
この発言は(切通さんも書かれていますが)、作品のメッセージが上原さんのナマの”本音過ぎる”ことを暗に示しているんでしょうね。
プロの子ども番組の作家として、「ネガティブな本音をさらけだした」ことに後悔があった…ということなのでしょうか。
(証言2)監督 東條昭平さん
実は初号のフィルムはもっと過激な内容でした。それをTBSが商品として受け取れないということでリテイクしたんです。
警官がおじさんを撃つシーン。あれは本当は町の人が竹槍でもってブスリと刺すはずでした。それが通らなかったのは、TBSの橋本プロデューサー(橋本洋二さん)の「子ども番組である以上、番組で血を見せてはいけない」という考えからだそうです。
(リテイク時に)少年とパン屋の娘の交流シーンも新たに付け加えました。結果的にはあれが唯一の救いになりましたね。(以上きくち英一「ウルトラマンダンディ」170Pより引用)
うーん。こんな事実があったとは。
リテイクになったというのは、認識してましたけど、あのパン屋さんのシーンが”本来はなかった”ものだったなんてねえ。
今読み返してみて、はじめて知りました(^_^)
でもこういういきさつがあったということは…
明らかに子ども番組としては
”行き過ぎた作品”
と周りに評価されていたということですよね。
作品自体の出来はさておいて、製作体制的には、”失敗”の烙印を押されても不思議ではありません。
現に、監督の東條さんはこの作品以降、帰って来たウルトラマンでは1本もメガホンを撮られていないという事実もありますし。
このへんのことは当然今回リメイクにあたったスタッフも認識しておられると思います。
特に脚本の朱川さんは、上原さんと直にお会いになって、続編の許可をもらっているわけですから、そのへんの想いを何か上原さんから伝えられていてもおかしくはないですね。
いわゆる子ども番組であるウルトラマンだからこそ、その異様なリアリティとメッセージ性が際立つ「怪獣使いと少年」ですが、その続編もやはり「ウルトラマンメビウス」という子ども番組の中の1本として作られるわけで(^_^)
それを意識した内容になる…というのは無理からぬことではないのでしょうか。
以上、まだレビューを考えている最中なのですが、面白い事実だったので、1本のエントリーにしてみました。
レビュー書きあがるの…いつになるだろう?
(まだ31話のレビューも書いていないのに?(T T))
(参考文献)
怪獣使いと少年―ウルトラマンの作家たち
切通 理作
Comments [4]
No.1Elegantさん
『怪獣使いの遺産』みました。『怪獣使いと少年』を何度も見ているファンとしては懐かしく、うれしい作品だったと思います。ストーリーもよくできており、納得できるものでした。
ただし、一作品としての評価は全作と比べるとずいぶん劣るな、というのが正直なところです。
全作では宇宙人の老人をかばう少年の心情が痛いほどに描き出されていました。今回のそれはメイツ星人ビオの心情は解説されただけで、深く響くほどに描かれ無かったのです。前編後編に分けるくらいの取り組みがほしかったですね。
しかし、視聴率を上げるならさけるべきテーマでしたか(^^;
No.2153さん
「怪獣使いの遺産」見ました。
かって、救いようの無い内容で物議を
かもしだした「怪獣使いと少年」をリメイク
し救いを与えたいと言う内容は、非常に
よかったと思います。しかし作品の評価は、
自分のとしては評価し辛いものですね。
私としては、良少年がどうなったかが知
りたかったですね。本編の流れではどう
なったかわからないような感じでしたし、
ビオの心情を描いただけではちょっと
納得できません。なぜなら良少年は、
地球でメイツ星人と共に住んでいたので
すから彼は、絶対はずすことのできない
重要な人物だと思ったからです。
彼の口から「地球人を信じて欲しい。」
と言う言葉がビオに伝われば非常に
よかったと思います。私としては、良少年
は、死んだのではなく、旅に出たのでは
ないかと思いますのでビオの下に来て欲
しかったですね。これならば確かに
前編後編に分けてもっと詳しく書いて
欲しかったです。
No.3SOUさん
前後編にしてほしかったって言う意見が自分以外にいるのに驚きましたが、
やっぱり同じ30分でも昔より短いのかな、と思う部分がありますね。
ちょっとはしょりすぎって思わなくも無かったですが、メビウスの中での話しとしてみると、
良いと思ってます。
でも、物足りない。
それはもう、しょうがないのだろうけれど、スポンサーとの絡みや
時間的な問題なんだろう、と。
だけど、ティガやダイナで出来たことがメビウスではできない、
とは思えないので、やっぱり時間配分と、内容の量(密度)の問題があった
とは思うのですよ。
CM多すぎ、といやというほど再認識したのは今回が初ですから。
No.4ka-byiさん
自分の評価
・まず基本的に、「ハッピーエンド」にしてしまった事に少し腹が立つ。
・昔の映像を使わずにあれだけの作品の続編を作るとなるとかなり困難である。あのリメイク映像をみて「しょぼいな?」と思ってしまったのはじぶんだけか。
・演技シーンに落胆しながらも戦闘シーンに期待したのだが、雨のシーンを使うのなら昔みたいに迫力のある雨にしてもらいたかった。
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