スティーブン・スピルバーグ監督の前作。
ようやっとレンタルで借りて見ました。
すさまじくカタルシスのない大特撮映画ですね (ほめ言葉です(^_^))
もうひたすら破壊!破壊!破壊!
全編、異星人の操る戦闘マシン”トライポッド”
の大殺戮ショー。
主人公トム・クルーズ始め、人間達はただひたすら怯え、 逃げ惑うのみ。
まさに、猟犬に追われ狩られる”うさぎ”達の目から見た絶望的な世界を映像化したような…
そんな映画です。
とにかく”トライポッド”が地面を叩き割って現れる
(100万年前からひそかに埋められていたのだそうで(^_^))登場シーンから、都市破壊シーン、
フェリーが襲われ転覆するシーンまで、特撮はもう圧巻!
劇場で見れば良かった…と強く後悔しました。
逆に、大画面&サラウンド常備の方は、見れば映像にはかなり満足できると思います。
でも破壊シーンの壮絶さと反して、ストーリーは、最初に言ったとおり、ひたすらマゾヒスティック。
主人公トム・クルーズも全然ヒーローじゃないです。
トムの役は、息子と小さな女の子を持つ平凡な父親。
トライポッドから逃げ回りながら、家族とともに離婚した妻の下に向かおうとするんですが。
彼は、 自分と自分の家族だけは何としても生き残ろうとするんですね。 そのためには、
人の物を略奪は当然。
大事な友人も目の前で見殺し。
助けを求める人々も全部スルー。
あげくのはてには、殺人(たぶん)まで犯します…
でも、そういう行動を取るのはトムだけではないのです。
この映画の主要な登場人物たちは「インディペンデンス・デイ」のように、団結して侵略者に立ち向かおうとはしません。
描かれるのは、ただただ、ひたすら他人を押しのけてでも、自分だけが生き残ろうとする姿…
それがたぶん現実。
スピルバーグ監督が語りたかったのは、そういう"ヒーローの存在しない”戦争の現実なんじゃないかと思います。
今公開中の「ミュンヘン」もそうみたいですけど、
例の9.11が彼の心に重い影を落としているらしいですね。
もう単純なフィクションやアクションは、撮りたくないというか撮れなくなっているんではないかと。
正直、一般家庭向けアクション大作と考えると、余りにもカタルシスがないので、
商品的にはやや問題かもしれません。
確か、興行成績もあまり良くなかったんでは…
でも、なんか心に残る、そんなとこがある映画です。
さっき、チャリでビデオ屋さんに返却に行って来たばかりなんですが、その道すがら。
町並みを見てると、ビルの向こうに、なんかヌーっとトライポッドの巨大な影が現れそうな…
あのブウォーーーーーッツという重低音がどこからか聞こえてきそうな…
そんな妄想をしてしまいました。
もし私の周りが、あんな戦場になってしまったら…
それだけは絶対いやですね!
宇宙戦争 | |
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Comment [1]
No.1SOUさん
元の宇宙戦争に忠実に描かれてるんだそうですね。
まだ見てないんですが。
元の小説も戦争が大規模化し、市民が巻き込まれるころの
小説だったので、おそらく同じ気持ちをもって描かれる部分が
あるのだろう、と思います。
結末も小説と同じ、という話なので、多くの人には不満が残る
かもしれないですけれど。
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